ウィルダネス・ファーストエイド in 横浜

先日開催したウィルダネス・ファーストエイド講習のレポートです。
 
前回は10月に沖縄の石垣島で、その前は鎌倉。
 
「BLS横浜」といいながら、横浜で野外で開催するウィルダネス・ファーストエイドは初めてでした。
 
その気になって探すと、横浜市内でも講習に適した野山はたくさんあるんだなと感じました。
 

ウィルダネス・ファーストエイド/BLS横浜

 
 
さて、今回のウィルダネス・ファーストエイド講習は、初めて全員が医療従事者でした。考えてみれば、これまで医療従事者が受講者として参加したことはない!? かもしれません。
 
しかも揃いも揃って、全員AHAインストラクターで、BLSだけじゃなくて、ACLSインストラクターやPALSインストラクターも!
 
全員PALSも修了しているということで、人が死ぬ仕組みの理解やアセスメントの部分はとばして、早々にシミュレーションに突入。1日での展開としてはだいぶ奥まで進めました。
 
医学的な素養があるので、医療現場での知識と経験が、アウトドア環境下という毛色の違う土壌での体験といかに結びつくかがキーポイント。そこが繋がると速かったです。
 
BLSひとつをとっても、都市部とウィルダネス環境下では、相当違います。
 
まず第一に、BLS講習で前提となっている「硬く平らな場所に仰向けで寝かせて」という状態に持っていくのに一苦労。でこぼこだったり、斜面だったり、うつ伏せで背中のザックが邪魔ではずせなかったり。
 
そんな状況では、胸骨圧迫のやり方だけを覚えていても、太刀打ちできません。
 
胸骨圧迫の意味と、その作用機序、目的を理解して、形にとらわれず、与えられた状況でできうる最大限に効果が期待できる方法をその場で考える応用力が必要なのです。
 

うつ伏せでバックパック、呼吸確認どうする? ウィルダネス・ファーストエイド横浜

 
呼吸確認も同じです。
 
今回もいろいろ試してもらいました。
 
冬場だから当然厚着で着込んでいます。さらにはうつ伏せだったり、背中に大きなザックを背負っていたり。
 
あとはシミュレーションで、暗いトンネルの中で倒れているというケースをやってみました。
 
胸・腹の動きを目視するだけ、に変更された蘇生ガイドライン2010の呼吸確認は暗がりでどれだけ有効なのか?
 
 
日頃、室内講習ではなかなかできない模擬血液を使った血だらけのシミュレーションや、実際に服を切って創部を観察する体験など、野外環境ということをフルに使って、日頃のPALSなどとは違った体を張ったシミュレーションを体験してもらいました。
 
そうして受講者さんに頂いた感想は、「BLS、ACLS、PALSの後の総まとめとしてファーストエイドのシミュレーションが効果的!」とのこと。
 
AHA講習としてはある意味最高峰とも言えるPALSの先に、こうしたウィルダネス・ファーストエイドがあると言っていただけたのはうれしかったです。正直、ガッカリして帰られるのでは、と心配していた部分もありましたので。
 
 
今回、なかなかいい場所も見つけられましたので、春先くらい地面を這う虫が出てくる前にくらいにもう一回、ウィルダネス・ファーストエイド講習ができたらなと思っています。
 
 

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