日本のAHAトレーニング組織の構造 ITCってなに?

受講者にとっては、非常にわかりにくい日本国内のアメリカ心臓協会AHA-ECCトレーニング組織の構造について解説します。

日本のAHA-BLS/ACLS/PALS/PEARSを開催するトレーニングセンター・トレーニングサイトの構造

AHA-BLSとか、AHAのACLSコースというように、アメリカ心臓協会 American Heart Association(略してAHA)講習は全部同じものというイメージがありますが、その運営はアメリカ心臓協会そのものが行っているのではなく、AHAと提携したAHAとは別の法人が運営しています。

AHAと提携した別法人、これがトレーニングセンター(Training Center)と呼ばれています。

日本においては、米国内と区別する意味で、国際トレーニングセンター(International Training Center: ITC)と言います。日本においては、現在9つのITCが認可され、存在しています。

日本国内でAHA講習をやっている活動拠点(トレーニングサイト)は、下記のいずれかのITCと提携して講習展開を行っているはずです。つまり、地域の○○トレーニングサイトの上には、○○ITCという母体組織があるということです。


  • 日本医療教授システム学会
  • 日本循環器学会
  • 福井県済生会病院
  • 日本BLS協会
  • 日本ACLS協会
  • 国際救命救急協会
  • 日本救急医療教育機構
  • 日本小児集中治療研究会
  • ACLS JAPAN

これらの名前を見て分かる通り、どの組織も法人としてはAHAとは別個の日本の国内法人です。

その既存の国内組織が、アメリカ心臓協会と提携して、ライセンスを受けることで、AHA-ITCという看板を出してアメリカ心臓協会公式講習を展開しているのです。

ですから、国際企業の日本支社があって、さらにその下に各営業所があって、、、、というような直轄の会社組織とは、根本的に違うという点を理解しておくことが重要です。

トレーニングセンターITCは、それぞれ別個の法人組織

日本国内のITCの間には、基本的には横のつながりはありません。

皆それぞれが米国本部との直轄であって、米国のRegional Facultyのような、ITC間を取り持つような構造にはなっていません。

ある程度のAHAグランドルールは決まっていますが、実際の細かい運営方法は各日本法人が独自に決めていますから、同じAHA講習であっても、多少の違いはでてきます。

例えば、AHAグランドルールで、受講料はトレーニングセンターやインストラクターが自由に決めるという点が規定されています。ですから、受講する場所によって受講料はバラバラです。しかし、これは市場原理として普通のことかもしれません。

さらには、AHA規定には書かれていない要件を独自に定めているケースもあり、代表的なもので言えば、ACLS受講にBLS資格が必須、というのもトレーニングセンター独自のローカルルールです。少なくとも、AHAグランドールではBLS資格が必要という決まりはありません。

同じAHA講習なのに、違うのはおかしい! と思われるかもしれませんが、講習の質として最低限のことは定められていますので、そこはご安心ください。

どこで受講するのか、受講者が選ぶ時代に

このように、良くも悪くも日本のAHA講習展開組織は、それぞれが特色を出しつつ、競合しています。

AHA本部の意図としては、各トレーニングセンターが、母体となっている組織の特性を活かしつつ、自由競争の中で切磋琢磨して、より良い質の高いトレーニングを提供していくように、ということなのだと思います。

日本でも都市部では、複数のトレーニングセンターが活動拠点を構えていますから、受講者は各拠点での受講条件や受講料、特徴を比較検討して、自分にあったところを選ぶことができる時代になっています。

地方では、トレーニングセンターが1つしかなく、選択肢がないということの方が多いかもしれませんが、活動拠点やサテライトの広がりによって、今後、新たな風が吹いていくこともあるでしょう。

実際に、昨今の状況を見ていると、トレーニングサイト(活動拠点)が、提携するITCを変更するサイト単位での移籍という現象が目立ってきています。

受講料や運営方針などは、ITC単位である程度決まりますので、より地域にあった活動がしやすい運営母体に鞍替えするというケースが増えてきています。

これにより、これまではその地域では特定ITCによって独占されていた市場が開放され、消費者としては選択肢が増え、さらには競争によって地域で提供されるトレーニングの質が上がっていくというメリットが生まれています。

BLS横浜の立ち位置

BLS横浜は、AHAトレーニングセンターとしては、下記の2つの法人と提携しています。

・日本医療教授システム学会(日本国内法人)・・・BLS/HS/ACLS/PALS/PEARS
・American Medical Reponse(アメリカ合衆国法人)・・・BLS/HS/ACLS

通常、日本国内では1つのトレーニングセンターとだけ提携するのが一般的なので、珍しいケースだと思います。

しかし、AHAインストラクターは、複数のトレーニングセンターと提携して、活動を切り分けていくことができる点が、AHAのグランドルールで決まっていますので、決して特殊なことではありません。

BLSとACLSは、日米どちらのプロバイダーカードでも発行可能


BLS横浜で開催する、BLSプロバイダーコースやACLSプロバイダーコース、ハートセイバーコースについては、日米どちらの法人に開催申請を行うかによって、カード発行元を選択できるのが、BLS横浜の強みです。

日本のITCとハワイのTC、どちらでカード発行しても資格としての価値は変わらないのですが、American Medical Reponse(AMR)に登録すると、米国内のトレーニングセンターなので、アメリカからプロバイダーカードが発行されることになります。

カードの裏面に、資格を発行したトレーニングセンターの名前と住所が印字されるのですが、これがハワイの住所になるので、ハワイで受講してきたと言ってもバレません。(笑)

住所の中にあるHIというのが、Hawaii州を示す米国の省略形です。

まあ、なんとなく珍しいでしょ? 

ということで、公募講習では、BLSとACLSはハワイ登録で行うことが多いです。

ただ、最近、米国では、紙のプロバイダーカードが廃止されて電子認証のeCardに変わってしまったので、受講者さんの希望に合わせた調整も行っています。

また、PALSとPEARS資格に関しては、日本医療教授システム学会JSISH-ITCとしか提携していませんので、これらのプロバイダーカードはJSISH-ITCから発行されます。

BLS横浜の活動地域: 日本国内全域と米国ハワイ州・グアム

トレーニングセンターによっては、内規としてインストラクターの国内活動地域に制限を設けているところもあるようですが、BLS横浜が提携している2つのトレーニングセンターは、そういった活動制限はありませんので、横浜に限らず、日本全国どこでもAHA公式講習を開催できます。

BLS横浜が、横浜の地域トレーニグサイトのように見えて、沖縄や鹿児島、熊本、福岡、香川、岡山、広島、姫路、名古屋、静岡、長野、福島、秋田、北海道などでも講習展開しているのはそのためです。

ACLSとBLSについては、American Medical Responseトレーニングセンター登録としては、米国のハワイ州とグアムでも講習開催許可を得ています。

日本国内でも地方開催をするときは、地元の既存組織以外であるために、地元の方からは不思議に感じられることもあるようですが、BLS横浜としては、ご依頼をいただければ、上記地域内であれば、どこでも出張講習に応じています。

そして地方開催の場合は、そのための交通費や会場費、地元で協力してくれる病院や団体などの兼ね合いで、受講料もその都度違っています。

時々、ご質問をいただくので、トレーニング組織の概要に加えて、ここで説明させていただきました。

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