乳児・小児・成人/心肺蘇生法の年齢区分

「子どもへの心肺蘇生法を勉強したいんですけど・・・」
 
そんなご相談を受けることがよくあります。
 
2004年のAEDの市民使用が解禁されて依頼、日本でもAED講習が広く開催されるようになっていますが、そこで学ぶ心肺蘇生法のほとんど大人(成人)を対象としたものです。
 
ところで、ここでいう大人(成人)というのは、何歳以上のことを指しているか、ご存じでしょうか?
 
実は、市民向け救急法でいう大人(成人)とは、8歳以上を意味します。
 
8歳というと、小学校2年生で、まだまだ子どもですが、大人と同じやり方でOKなのです。
 
 
8歳未満の場合は、救急法では「小児」に区分されます。
 
小児は1歳以上8歳未満。
 
この場合、少しだけ大人(成人)と違う所があります。
 
1.AEDより人工呼吸を含んだCPRが優先される(2分間のCPR後にAEDを使う)
2.片手法胸骨圧迫
 
詳しくは、講習を受けていただきたいのですが、まあ、細かな違いなので、難しく感じるようでしたら、大人とまったく同じやり方でも構いません。
 
 
1歳未満は「乳児」に区分されて、成人・小児に比べてもうちょっとやり方が違ってきます。
 
赤ちゃんは体が小さいので両手の手のひらを使って胸骨圧迫するのは無理があります。そこで二本指を使って行います。
 
また「大丈夫?」と方を叩きながら反応を確かめるのも、赤ちゃんは首が据わっていませんから、足の裏を刺激して反応をチェックします。
 
後は口対口人工呼吸では、鼻をつままず、鼻と口をいっぺんに覆って呼気を吹き込みます。
 
さらには、喉に物が詰まったときの解除方法も、大人とはずいぶんと違います。
 
このあたりは講習会に来ていただければ、赤ちゃんの蘇生練習用マネキンを使って練習し、体で覚えていただきます。
 
 
 
このように、心肺蘇生法は、成人、小児、乳児に分れています。
 
アメリカ心臓協会のDVD教材を使った心肺蘇生法講習は、医療者向けのBLSヘルスケアプロバイダーコースでは乳児まで含めた蘇生法をカバーしていますが、ハートセイバーAEDコースやファミリー&フレンズCPRコースでは、乳児はオプション扱いになっています。
 
その時々の会場確保時間の関係から、乳児オプションを行う場合と行わない場合があるので、子どもの救急法を勉強したいと考えている方はお申し込みの時、注意していただけたらと思います。
 
 
余談ですが、1歳未満の乳児の中でも産まれた直後の新生児はまったく別の特別な蘇生法が行われます。
 
新生児は、母親の体から地上に生まれ出て、そこで初めて呼吸を開始します。
 
新生児に蘇生が必要になる場合というのは、ほとんどがこの未熟な呼吸機能の問題なので、人工呼吸の必要性が特別に高いのです。
 
そのため、通常の胸骨圧迫と人工呼吸の比率である30:2ではなく、3:1という特殊な比率で蘇生が行われます。
 
これは産まれた直後に分娩室や手術室(帝王切開時)で行われる蘇生法なので、医療従事者の中でも産科医や助産師、麻酔科医、手術室看護師などの限られた人にだけ必要とされる特殊技術です。そのため市民向けには教えていません。
 
アメリカではこの新生児蘇生法を教えるNRPというプログラムが、また日本でも日本周産期・新生児医学会主催の新生児蘇生法(NCPR)講習会というのがあります。
 
後者のNCPR講習に関しては、今後、BLS-AED.net横浜でも開催(医療従事者向け)していきたいと考えています。


 

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