パドルよりパッドショックが推奨される理由【ACLSのしくみ】

蘇生ガイドライン2010では、除細動の電気ショックの直前、充電時間中も胸骨圧迫を継続することが推奨されるようになりました。

有意に自己心拍再開率が高まることが明らかになったからです。

しかし、実際のところ手動式除細動器のパドルを胸郭に押し当てて充電している間、胸骨圧迫を続けることは非現実的です。

除細動器ではパドルよりもパッドが推奨される。

しかしパドルではなく、「パッド」にすれば、それは可能です。

パッドというのはAEDと同じ、アレです。

充電やショック(放電)のボタン操作は除細動器本体で行いますから、胸骨圧迫の振動で誤ってボタンを押してしまうというようなリスクもありません。

つまり、胸骨圧迫の中断を最小限にして、すぐにショックをできるという点で、「迅速な除細動」が可能ということがパッドショックの最大のメリットです。

パッドショックが推奨されるAHA-ACLS

さらにいうと、技術のムラがなく、誰でも安定した除細動を行えるというのもパッドショックの利点といえます。

パドルを使う場合、約10キロほどの力で強く均一に胸壁に押し付ける必要がありますが、これがなかなか難しい。技術によってうまい下手がでてきます。

その点、パッドはしっかりと貼り付ければいいだけですから、質が均一です。

 

ただ、パッドは消耗品で1枚1万円弱。

コストが問題で、病院ではあまり積極的には使われていません。

また迅速な除細動ができると言っても、慣れた人にとっては、パドルの方がサッと使えますので、初回のショックに関してはパッドより早いかも。

ただ、いちおうAHA公式にはパッドショックが推奨されているということは、ACLSプロバイダーコースを受講する方は知っておいてください。

 

タイトルとURLをコピーしました