ACLS(二次救命処置)一覧

ラリンジアルマスクと非同期CPR【ACLS】

ACLSでいう「高度な気道確保」には、気管チューブと声門上気道デバイスがあります。
 

ラリンジアルマスク(高度な気道確保*声門上気道デバイス)

 
声門上気道デバイスの代表はラリンジアル・マスクですが、G2005ではどちらも「高度な気道確保」として同一に扱われていました。つまり、ラリンジアル・マスクが挿入された場合でも、換気のために手を止めない「非同期」のCPRとなっていました。
 
しかし、ラリンジアル・マスクは気管内に挿入されるものではなく、あくまでも声門上を覆うようにして配置される器具です。気道と食道の分離が保証されるものではないため、本当に非同期でCPRをしてよいのかという点が、ガイドライン2005時代のACLSでも、しばしば議論となっていました。
 
この点は、AHAのガイドライン2010でも扱いは変わっていませんが、国際コンセンサスCoSTR 2010では、声門上デバイスを使用した場合の非同期CPRの有用性は明らかでないと明記されるようになりました。
 
そして、日本版JRCガイドライン2010では、気管チューブと声門上気道デバイスを区別し、気管チューブ使用時は非同期CPRが推奨されていますが、声門上起動デバイスの場合は条件付きとなっています。
 
 


心室細動/無脈性心室頻拍の薬剤投与のタイミング

病院内トレーニングサイト設立支援で静岡のとある病院に来ています。

院内スタッフのインストラクターたちによってACLSプロバイダーコースが進行中です。
 
 
ACLSプロバイダーコースでは、薬剤投与のタイミングがどうしても引っかかりますね。
 
ACLSプロバイダーコースのVF/無脈性VTの練習場面では、恐らく3回の除細動をすることになります。その間のアドレナリン投与のタイミングの考え方は下記のとおりです。
 
「VFに対する根本的治療は除細動であるため、除細動とCPRが奏功せずにVFまたは無脈性VTが持続する場合に限り、血管収縮薬および抗不整脈薬を投与すべきである」(ACLS EPマニュアル・リソーステキスト, p.85)
 
つまり、心室細動は除細動で戻るときは1発で戻るので、その結果がわかるまでの2分間は薬剤投与は行わない、というのが原点です。余計なことはしない、というファーストエイドの基本的な考え方と同じです。
 
1回目の除細動から2分後に心電図解析をしたときにまだVFが続いていれば、除細動に加えて血管収縮薬(アドレナリン)を使います。ただし、行動として優先すべきは、除細動のショックとCPRを遅らせないこと。アドレナリンはあくまでも”添え物”です。(エビデンス性を考える!)
 
その結果がわかるのは2分後の解析です。そこでまだVFが続いていれば、難治性VFと考えて、除細動に加えて抗不整脈薬を考慮します。ただし、行動として優先すべきは、除細動のショックとCPRを遅らせないこと!
 
つまり、まとめると
 
1回目:ショック
2回目:ショック with 血管収縮薬
3回目:ショック with 抗不整脈薬
 
と難治度のレベルが上がっていく感じです。
 

ACLSの薬剤投与のタイミング

 
大事なことは、蘇生にエビデンスがあるのは早期除細動と質の高いCPRで、薬剤の優位性はずっと低いという点です。この基本的な考え方を理解していれば、タイミングでそうひどく迷うことは少ないのではないでしょうか?
 
※イラストでは、リズムチェックの位置がすこし後ろにずれています。スミマセン。