指導員養成と教育工学一覧

「元気」が大事、BLSインストラクター

3ヶ月ぶりのAHA BLSインストラクターコースを開催しました。
 
今回、受講してくれたBLSインストラクター候補者は6名。
 
日本救急医学会の二次救命処置ICLSインストラクター資格を持っている方や、ライフセイバーとして日頃から救命処置を指導している方など。
 
日頃からBLS(CPR+AED)を教え慣れている方にとって、AHAのBLSインストラクターコースは、斬新に映るようです。
 
アメリカ心臓協会のインストラクターは、インストラクター(指導者)というよりは、実はファシリテーター。
 
教えよう、という思いが強い人には実は向きません。
 
学んでほしい、というスタンスが本質だからです。
 
 
蘇生教育経験者にとっては、このあたりの気持ちの切り替えが難しいところかもしれません。
 
 
昨日のBLSインストラクターコースを進めるうちに、私自身が気づいたのは、BLSインストラクターにとって一番重要なのは、実は「元気」なんじゃないかなという点。
 
ビデオ教材を使って受講者が学習をするのをうまく乗せてあげる、後押し。それがなにより大事です。
 
ビデオ教材に合わせて練習することで学ぶというサイクルにうまく乗せてあげれば、学習者は自ら学んでいきます。
 
そこまで誘導していくためには、元気な励ましと勢いづけが大切。
 
それができなければ、いくら蘇生サイエンスに対する知識があっても意味がありません。
 
 
そんな本質が伝わったかどうかは、後日控えているモニター試験が楽しみです。


蘇生教育のクォリティ

昨日は、某中央省庁からの依頼で霞ヶ関に出向いての救命講習でした。

受講された皆さんは、国際イベント現場責任者の方々。

いざというときには、率先して救護活動にあたり、その場のリーダーとして活躍しなければいけない人たちです。

感染防護具(フェイスマスク/ポケットマスク)の使い方を含めたセミプロとしてのスキルを体で覚えてもらうコースでした。

去年も同様の企画のため、心肺蘇生講習を開催したそうですが、その際は14名程度の受講者に対して練習用マネキンは3体程度だったとか。

今回は、一人に一体のマネキンを用意し、実践可能な力をつけるためのクォリティを実感してくださったものと思います。

講習の最初の話でもありましたが、心肺蘇生法も、受講者の立場や目的に合わせてきめ細かく内容を変えていくことが大切です。

見ず知らずの人に救助の手をさしのべなくてはいけない立場の人に、口対口人工呼吸しか教えないというのは十分とは言えません。

なぜ助けるのか?

愛する人を救いたいから。

助けなくてはいけないから。

実は、同じ蘇生行為でも入り口が違うと、全体に貫く基本的な考え方、スタンス、モチベーションの取り方が全然違ってきます。

こうした多様性に対応できるのが、プロの蘇生インストラクターだと思います。

私たちは、マストレーニングを中心としたボランティア活動では終わらない、多様なニーズに応えられるプロ集団でありたいと考えています。


救急法指導員 AHA-BLSコースから学べること

今日は午前中に医療者向けのBLSヘルスケアプロバイダーコース、午後に市民向け応急処置を学ぶハートセイバーファーストエイドコースを開催しました。どちらも公募コースです。
 
午前中にBLSヘルスケアプロバイダーコースを受講された2名はどちらも消防の応急手当普及員として精力的に活動されている市民の方。
 
手技はばっちりでしたので、今後の普及員としての活動の糧になればと思い、ガイドライン2005の背景にあるものや、医学的・教育学的根拠について織り交ぜながらの講習にアレンジしてみました。
 
そこで言いそびれてしまったのですが、心肺蘇生法指導者としてアメリカ心臓協会のBLSコースを受講するとき、教え方の順番という点でも学べる部分があるんじゃないかと思います。
 
アメリカ心臓協会AHAのビデオ教材では、まず胸骨圧迫だけを練習して、次に人工呼吸、そして最後に反応・呼吸・循環の確認の仕方を練習します。
 
普通は蘇生の流れに合わせて、練習も「もしもし、大丈夫ですか~」からはじめるものですが、AHAはそうじゃありません。
 
理由はふたつあります。
 
ひとつは、いちばん大事な手技である胸骨圧迫をまっさきに練習することで、胸骨圧迫手技の練習量を多くして、より確実な手技を身につけられるように。
 
もうひとつの理由はいちばん「恥ずかしくない」練習をまっさきに持ってきて、受講生がコースに早く順応できるようにと言う点。
 
講習会場の雰囲気も緊張に包まれている中で、大勢の前で大きな声で「誰か来てくださーい!」と叫ぶのはなかなか恥ずかしいものです。
 
胸骨圧迫の練習をして、勢いをつけて場の雰囲気に慣れたところでだったら、なんとなく抵抗のある人工呼吸の練習や、大きい声で助けを呼ぶ練習などもスムーズに入っていけます。
 
こうした受講生がストレスなく練習に打ち込めるようにデザインされているのがアメリカ心臓協会の教材設計です。そこからも多いに学ぶ点があると思います。
 
そんな話を伝え忘れました。
 
今日受講されたおふたりが、このブログを見ていてくださったらな、と思います。