ACLS【受講前作業】の進め方
もともと、米国においては AHA-ACLS 資格を取得するためには下記のような選択肢がありました。
・ACLSプロバイダーコース(クラスルーム完結スタイル)
・HeartCode® ACLS(オンラインとクラスルームのハイブリッド)
医師や、ICU/ERナースには ACLS 資格の取得と維持が必須という事情があり、米国では短時間で資格取得できる HeartCode® ACLS コースが中心に開催されています。
G2020 で日本でも始まった時間短縮型 ACLS コース
ここに加えて、日本でも2021年7月から始まった ガイドライン2020 準拠講習になって、第3の選択肢ができました。
・ACLSコース NEW
・HeartCode® ACLS (※日本語化されていません)
ACLS トラディショナルコースというのが、G2015 まで日本で標準的に開催されていた旧来型の運営スタイルで、そこに新たに追加されたのが、ACLSコース と名付けられた、時間短縮版。
映像教材を事前にオンラインで見てくることを条件に、クラスルームでの対面講習時間を大幅短縮させた開催スタイルです。AHA としては、このスタイルを実質的に標準と据えたようで、従来型のクラスルームで完結する講習スタイルがトラディショナルと呼ばれています。
e-Learning コースとして、ACLSを再設計した HaertCode® ACLS は英語版しかありませんが、ACLS コース用の映像教材は完全日本語化されましたので、今後は日本でも時間短縮型のACLS講習が展開できることになりました。
事前視聴だけには頼れないけど
これまでの日本での講習指導の肌感覚だと、インストラクターの補足説明なしに受講者が AHA 映像教材からきちんと学べるかというと、正直なところ否としか言えません。
日米の違いなどもありますし、完全に事前学習任せにはできませんので、重要な部分や補足が必要なわかりにくい箇所は、引き続き部分的に講習会場で映像を流そうと考えております。
それでも事前ビデオ視聴が講習時間の短縮に貢献できるのは間違いないと思います。
BLS横浜では1日コースのみを時間短縮型として運用していきます
BLS横浜では、今のところ、対面式 ACLS プロバイダーコースを、1日コース と 2日コース に分けて開催しています。
医師や、ER/ICU/CCUの看護師など、モニター心電図に慣れていて蘇生現場での経験がある人には1日コース、現場経験や事前学習に自信がない一般病棟ナース向けの2日コースという棲み分けです。
1日コースは受講人数を限定し練習などの交代の回数を減らすことで1日で終わらせていますが、練習に割く時間を増やすために、今後はビデオ事前視聴を条件にしていきます。
2日コースに関しては、講習中にすべてのビデオ教材を流すトラディショナルコースとして開催していきますので、ビデオ事前視聴を条件とはしません。受講のためには後述の【受講前自己評価】のみが必要となります。ただ、講習の理解度の促進という点では2日コースの方も視聴してくることをお勧めします。
ACLS 受講前【作業】+【自己評価】の進め方
メールアドレスの登録など、ログインのための手続きが必要ですが、下記の手順はすべて無料でできますので、ご安心ください。
また今後、仕様変更があるかもしれませんが、いまのところ、下記の作業は受講申込等は関係なく、誰でも試してみることができます。
以前の G2015 版の事前テストのシステムでは、AHA 公式テキストを購入して、そこに記載されているパスコードを入力する必要がありましたが、G2020 のシステムでは、テキストの所持に関係なく、登録手続きさえすれば誰でもアクセスできるようになりました。
2.ACLS受講前【自己評価】を完了する
3.ACLS受講前【作業】の映像をすべて視聴する
4.アンケート(Survey)に答える
5.修了証(Certificate)を印刷する
まずは、下記の URL にアクセスします。
ACLS 受講前作業 – Japanese
https://elearning.heart.org/ja/course/993
下記のようなページが表示されるはずです。
【このコースを開始する】という赤いリンクをクリックするのですが、AHA の e-Learning システムを始めて使う場合は、メールアドレスやパスワードを設定するログイン画面が表示されます。
登録は無料ですので、ご安心ください。今後、PALS などの別のコースを受講する際にも必要となりますので、パスワードなどは忘れないようにご注意ください。
受講前【作業】
受講前作業は、本来ではあれば講習中に視聴するはずの映像を事前に見て、チャプターごとに数問のクイズに答えるという形で進みます。
トータルで3時間かかることになっていますが、ビデオは2倍速設定も可能です。
また一気にすべてを視聴しなくても、途中段階で保存して、後日続きを再開することも可能です。
始める前に、改めて名前の入力が求められる場合は、名前は必ず半角のローマ字 で記載ください。漢字(日本語)で入力すると最終結果画面で文字化けをして、誰の修了証か判別できなくなりますのでご注意ください。
受講前【自己評価】
また、受講前【作業】とは別に、受講前【自己評価】という事前テストも行う必要があります。
受講前【自己評価】は、本来は、受講前【作業】の前に取り組むべき課題で、心電図、薬理、臨床判断の3領域で計60問の事前テストが出題されます。
何度でもトライできるものですが、これで70%以上到達しなければ、ACLSプロバイダーコースの受講資格が得られません。
アンケートに答えると、修了証 PDF がダウンロードできるようになります
この両方を完了して、アンケート(SURVEY)に答えると、修了証(Certificate)のリンクがアクティブになります。
そこから修了証が PDF ファイルでダウンロード・印刷できるようになります。
対面講習に参加するときには、この証明書を印刷(モノクロでOKです)して持参してください。
時間短縮型講習の場合は、これがないと受講できませんので、くれぐれもご注意ください。
(2日コースの場合は、受講前自己評価 のスコアページを印刷したものを持参いただければ大丈夫です。)