BLS/ACLS/PEARS-G2020講習はいつから?

熱心な方はすでに気にしているかもしれない蘇生ガイドラインの改定。

これまで通りであれば5年ごとにアップデートされていますから、次の2020年の改定はいつか? と気になっている方もいるかと思います。

実は、国際蘇生連絡協議会ILCORならびにアメリカ心臓協会AHAは5年毎のガイドライン一括改定はすでに廃止していて、テーマごとに見解がまとまり次第、小改定を繰り返すという方向にシフトチェンジしています。

なので、AHA蘇生ガイドラインに関して言えば、2017年、2018年、2019年とガイドラインアップデートが発表されています。

2017 Focused Updates ハイライト・・・BLSに関する小改訂

2018 Focused Updates ハイライト・・・ACLS/PALSに関する小改訂

2019 Focused Updates ハイライト・・・BLS/ALS/ファーストエイド小改訂

  ↑ 改定の要点をまとめた ハイライト日本語版(PDF) にリンクしています

教材改定は(おそらく)引き続き5年毎

蘇生ガイドライン改定の方向性はすでに概ね見えている状態です。

上記の勧告では、現行のプロバイダーコースに加える修正はない、ということになっていますが、2020年以後に改定される新教材(便宜上G2020教材と表記します)ではどのように反映されるのかは未知数です。

気になるG2020新教材(プロバイダーマニュアルやDVD)のリリース時期の予想は下記のとおりです。(G2015版テキスト発行日データから推察)

英語版 G2020 AHAプロバイダーコース教材 発売予想時期

  • 2020年10月 AHA Guideline 2020 update
  • 2021年2月 BLS Provider
  • 2021年3月 ACLS Provider
  • 2021年4月 Heartsaver® First Aid CPR AED
  • 2021年9月 Heartsaver® Pediatric First Aid CPR AED
  • 2021年10月 PALS Provider
  • 2022年8月 PEARS® Provider

以上はオリジナルの英語版プロバイダーマニュアルの発売時期予想です。

翻訳版である日本語テキストの発売はもう少し後になります。

日本語版 G2020 AHAプロバイダーコース教材 発売予想時期

  • 2021年8月 AHA蘇生ガイドライン2020アップデート
  • 2021年9月 BLSプロバイダー
  • 2022年5月 ハートセイバーCPR AED
  • 2022年7月 ACLSプロバイダー
  • 2023年1月 PALSプロバイダー
  • 2023年7月 PEARS®プロバイダー

日本のITCの場合は、日本語教材が出てからのコース移行になりますので、G2020正式講習が始まるのは2021年の秋頃ということになりそうです。(それまでの間に、もしかしたら以前のように旧G2015教材に補助資料をつけてつなぎの 暫定G2020講習 interim Course が設定されるかもしれません。)

日本全国の講習が完全移行するのは半年後以降

これらの日付はあくまでもプロバイダーマニュアルの発売時期です。

前回の改定の場合、受講者テキストは発売されたのにインストラクターマニュアルの翻訳やDVDの発売が遅れたせいで、新しいテキスト、でもDVDは古いまま、という現象も起きていました。

また講習を主催するインストラクター側の準備もありますので、G2020新コースが安定して開催されるのは上記の日程の数ヶ月後と思ったほうがいいと思います。

なお、AHAルール的には、新教材が出てから半年後までは移行期間とされるケースが多いです。

つまり、プロバイダーマニュアル、インストラクターマニュアル、DVDがすべて揃ってから、半年経てば、日本全国どこで受講してもG2020新コースに移行している、と思っていいでしょう。

BLS横浜のガイドライン2020コース移行目処

BLS横浜は、米国ハワイ州のトレーニングセンターと提携している関係で、米国のルールが適応されます。

仮に日本語教材が出ていなくても、米国内の完全移行リミットで旧2015版講習は開催できなくなります。

そのため、日本の方には不便はおかけしますが、正式日本語版の出版を待たず、英語DVDに日本語補助を加えた形で、新ガイドライン2020講習に移行するつもりでいます。

BLSとACLSに関しては、英語教材が出てから2ヶ月以内の日本初開催を目指して、準備をしていくつもりでいます。

今後も蘇生ガイドライン2020に向けての最新情報はこの ブログ ならびに ホームページTwitterFacebook でお伝えしていきます。


出血のファーストエイドと感染防護

命に関わる出血、数リットル単位の出血は、心肺停止に準じる緊急事態です。

すぐに止血処置をする必要があります。

時間との戦いと言って過言ではありませんが、胸骨圧迫とは違って、サクッと始められるようなものでもありません。

 

数リットルの出血している現場を想像してみてください。

血の海・・・動脈性の出血なら、文字通り血しぶきが吹いているかもしれません。

大出血の現場

 

安全確保できるまでは傷病者に取り付けない

血液は感染源、危険なハザードです。

安全確保をしない状態で近づいてはいけないというのが救急法の原則。

急いで止血のための駆け寄りたいという思いと、感染防護を着実にするまでは接触できないというジレンマ。

この意思決定と準備を抜きにして、圧迫止血や緊縛止血(ターニケット)の技術だけを教えるのはナンセンスです。

日本の市民向けファーストエイドとしては、手袋の装着と脱着でさえ、ほぼ浸透していない状況を考えると、無防備の市民が積極的に出血対応に入ろうとすること自体に無理があるのではないかという気すらします。

業務中のファーストエイド・プロバイダーのように、標準予防策を備えた状態でない限り、出血と対峙しようとすると感染事故が起きるのは必至と言っても過言ではないでしょう。

去年から市民への救急ターニケット教育が始まっていますが、動脈性の出血や数リットルに及ぶような大出血を想定したトレーニングでは、感染防護具(PPE)の脱着法も含めていないと、絵に描いた餅ですし、むしろリスクを生み出す危険な研修になってしまいます。

ターニケット使用にはどこまでのPPEが必要か?

標準レベルのファーストエイドであっても、手袋は必須です。そしてその正しい外し方ができるのは、米国労働安全衛生局OSHAでも法的に定められている最低ラインです。

まず、この時点でクリアしている日本のファーストエイド講習がどれだけあるでしょうか?

ターニケットを使うために必要な個人用感染防護具PPE

それに加えて、噴出する出血に立ち向かうわけですから、アイシールド(防護メガネ)とマスクは欠かせませんし、出血量を考えたら防護ガウンも必要です。命に関わる出血を想定する以上、自分の服を汚さずに処置できる可能性は限りなく低いです。

更には、床に倒れている傷病者の足にターニケットを巻く場面を想像してみてください。

救助者は膝をつくなどして、顔を下向きにしている姿勢をイメージしてください。

女性など、髪が長い場合、髪が垂れて血液がつく恐れはありませんか?

場合によっては、感染防護具としてのキャップ(帽子)も必要です。髪に血がついたら洗えませんし、乾燥した血液粉が目・口・鼻に入るリスクが生じるからです。

さらには血の海になった中に足を踏み入れていくわけです。靴に血がついたらどうなるか? 屋外ならまだいいですが、屋内だったら歩くたびに感染源を広げていくことになります。

病院の手術室で使っているようなシューズカバーの準備も決して大げさではありません。

そう考えると、テキスト通り、標準予防策を講じてターニケットを使おうとなると、手術室でのフル装備と同じレベルのPPEを装着しろ、ということになるわけです。

さらには医療従事者の感染対策研修でやるような、これらのPPEを安全に脱ぐ、外すためのトレーニングも欠かせないと思います。

標準予防策感染防護具PPEフル装備

フル装備の感染防護具(理想はマスクも)
AHA Heartsaver Bloodborne Pathogens student workbookより

 

ターニケットを使うことを想定している人は、そこまで考えて準備をしているでしょうか? ターニケット1本しか持っていないとしたら、完全に茶番です。

またターニケットの使用法を教えている指導員は、そこまでリアルに状況を考えていますか?

 
 

ファーストエイドの原則と、リアリティのある現実的な研修をマジメに行わないと危険なのが出血対応。

こうした感染防護の教育や準備ができない、というのであれば、素人は危険を冒さず、119番通報するという現実主義に根ざした対応を指導すべきでしょう。


ターニケット教育への危惧が現実問題に

Twiiter でのやりとりで、すでに市民による止血帯の不適切使用例が見受けられるという話を聞きました。

 

「どっかで止血帯法を学んだらしき市民が現場で実施してましたが、締め込みが緩すぎて効果がなかった上に、それをしたせいで直接圧迫も疎かになっていた残念なパターンがありました。」

 

ターニケットを正しく使うと、麻酔を使わないと耐えられないくらいの痛みが生じます。

傷病者が泣きわめいたとしても、心を鬼にして締め上げなければいけません。

傷病者の請願や自分の心に負けて、中途半端に巻くと、かえって出血量は増加します。(動脈は開存したまま静脈だけが止まると駆血帯状態になるため)

そういった知識や理解、覚悟がない人はターニケットを持つべきではありませんし、怖さとリスクを正しく伝えられないような講習は、どこか間違っています。


体育中に鉄棒から落ち重度まひ 男性と両親が福井県を提訴

学校での応急救護を巡る裁判のニュースがありました。

 

体育中に鉄棒から落ち重度まひ 男性と両親が福井県を提訴

福井新聞 2019年12月30日

 
鉄棒からの転落、動けない状態で頚椎損傷の可能性があったのに、「無理に体を起こした、首をもんだ、頭部を固定をせずに搬送した」ことで、現在は首から下が不自由で車椅子生活になっているとのこと。

体を起こしてしまう、頭部の固定をしない、というのは、知識がないバイスタンダー対応では現実によくあることで、直感的な対応ということで理解もできますが、「首を何度ももみ」というのはまったく謎です。

この部分を見るとうっかりミスという雰囲気には感じられません。

頭頸部外傷のファーストエイド

神経系のトラブルは、呼吸と循環についで優先度の高い重要項目です。

この場合のファーストエイドは、処置というよりは、観察の視点と判断・意思決定が重要です。(つまりテクニカルスキルではなく、ノンテクニカルスキルの部分です。)

一言で言えば、動かすか、動かさないか。

原則は、「動かさない、プロ(救急隊)に任せる」ですが、ちょっと頭をぶつけただけで119番なのかというと、現実問題困ってしまいます。

この線引は難しく、重症な場合は症状を例示できますが、軽症の判断が難しいところです。

動かさず、119番の場合

少なくとも下記のような症状があったら、極力動かさずに119番、とは言えると思います。

(転落等で頭頸部を強打した可能性がある場合で、かつ)

  • 気絶・反応なし
  • 意識障害(放心状態や錯乱)
  • 動けない
  • めまい
  • 吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 痙攣
  • 物が二重に見えたり、閃光が見える
  • 手足にしびれや麻痺がある

クビより優先するべきもの

ただ、絶対に動かすな! ではない点、注意が必要です。

これは傷病者を評価するときの「体系的アプローチ(A-B-C-D-E 評価)」の話になりますが、神経系の優先順位は、気道、呼吸、循環の後であるという理解が重要です。

上記症状で嘔吐を上げていますが、天井向きで倒れていて、嘔吐してしまったら息がつまります(気道の問題)。

この場合は、頸(神経系)が懸念されても、気道確保のほうが優先されます。

症状がない場合

傷害を示す明らかな症状がない場合は、動かしていいのか? というと、これもまた難しい問題です。

手足のしびれがないということで神経症状がなかった場合、脊髄の損傷はないだろうとは考えられても、脊髄を覆うようにしてある骨(脊椎)に損傷がないとは言い切れないからです。

事故による脊椎損傷の多くは、事故そのもので発生するよりは、事故後の取り扱い(処置や搬送)によって起きるほうが多いとも言われています。

事故そのものでは脊椎損傷でとどまっていて、脊髄までは影響がなくても、無理に起こしたり動かすことで、折れた骨がずれて神経を傷つけてしまうことがあるということです。

そのため、「高エネルギー外傷」と考えられる場合は、症状がなくても背骨が傷ついていると考えて動かさないという原則があります。

なにをもって高エネルギー外傷と考えるか、ですが、ファーストエイド対応では、シチュエーションからの直感的な懸念ということになってしまうかもしれません。

明らかな転落、跳ね飛ばされた、背中から落ちた、頭をぶつけて大きな音がした、etc.

判断に自信がなければ、とりあえず動かさずにすぐ119番して指示を仰ぐ、ということに尽きるのかもしれません。(ただし自発呼吸があることと気道閉塞がないことは必ずチェック)

しかし、スポーツ指導員など、あらかじめ頭頸部外傷が強く想定される立場の人は、体系的アプローチを含めて、きちんとファーストエイドを勉強してある程度の判断ができるように備えておくことは必要と思います。


幻だったPEARSピンバッジが入荷しました!

AHA公式PEARSピンバッヂの購入 /販売

PEARSピンバッジ

2019年、年の瀬も迫った本日、幻だった PEARS®ピンバッジが入荷しました!

2020年1月以降の PEARS®プロバイダーコース を受講される方で、希望される場合は受講料とは別途になりますが、頒布いたします。

(受講案内に含まれていなかった場合は、受講当日、お申し付けください)

 

PEARS®ピンバッチ 日本国内頒布の経緯


長らくAHA公式の PEARS ピンバッジは販売されていませんでしたが、2019年7月にアメリカでオープンしたAHA公式の Shop CPR で市販が開始されました。

しかし、ShopCPR は日本への発送をしておらず。日本からの送金も受け付けていなかったため、日本での購入は困難な状況が続いていました。

今回、試行錯誤の結果、入手するための別ルートが確立できたため、ようやく日本の PEARS®プロバイダーの皆様にもピンバッチをお渡しできるようになった次第です。

 

過去にPEARS®を受講下さった方は


過去にBLS横浜で PEARS®プロバイダーコースを受講下さった方にも有償でお分けすることは可能です。

なお、数量が限られるため、ピンバッジ頒布は【BLS横浜主催】講習を受講してくださった方に限定させていただきます。

また、ACLS/BLS/PALS/CPR の他のピンバッジとは入手ルートが異なるため、米国での販売価格は同じであって、日本での頒布価格は異なる点はご了承ください。

AHAピンバッジ販売の詳細は ホームページ をご覧ください。


胸骨圧迫だけで助かったとしたら、なぜ?

先日、埼玉で路上で 救命処置をしてくれた看護師を探しているというニュース がありましたが、本日の報道によると、看護師さん、見つかったみたいですね。

職場でそのニュースのことが噂になっていて、自分が探されていることに気づいたのだとか。

さて、今日はその報道の中から一部を切り抜いて考察してみたいと思います。

 

呼吸ない…偶然近くにいた看護師、妻の命救って立ち去る 夫が看護師探すと…看護師から連絡「無我夢中で」
 
 近づくと男性は電話片手に興奮した様子で助手席の女性の心臓マッサージをしていた。女性は呼吸がなく、脈も取れない状態。根生さんは「看護師なので代わります」と声を掛け、救命措置に当たった。

心臓マッサージを続けると、徐々に反応が戻り、弱いながらも脈が触れてきた。気道を確保して声を掛けると、女性は少しずつ言葉を発するようになってきたという。「会話ができるようになり、ちょっと安心した。救急車もすぐ来てくれた」と根生さん。

埼玉新聞 2019年12月17日より部分抜粋)

AEDも人工呼吸もせずに助かった

一言でいうと、心臓マッサージ(胸骨圧迫)だけで蘇生したケースと言えます。人工呼吸もAEDもしていない模様。

救命講習やBLS講習で教わる範囲でいえば、成人の心停止は心室細動の可能性が高いから胸骨圧迫だけではなくAEDが必要、と教えているのが一般的です。

そして、子どもの心停止は呼吸のトラブルの可能性が高いことから、胸骨圧迫だけではなく人工呼吸もきわめて重要、と教えています。

つまり、胸骨圧迫を軸足にして、AEDが奏功する場合と、人工呼吸が奏功する場合、という構図が垣間見れるわけですが、本件のように胸骨圧迫だけで助かったしたら、体の中ではなにが起きていたのでしょうか?

■ 心停止の基本類型 心原性と呼吸原性

まず、基本を整理します。

心原性心停止 心室細動

大人に多い心原性心停止の場合は、心臓のけいれん(心室細動)によって血流が駆出できていないのが心停止の原因。胸骨圧迫で血流を生み出すことは重要ですが、胸骨圧迫では心臓のけいれんは止まらないので、AEDなどによる電気ショックが必要とされています。

呼吸原性心停止 低酸素

子どもに多い呼吸原性心停止は、低酸素によって心臓の動きが遅くなっていって最後は止まってしまうというタイプの心停止です。ですから、胸骨圧迫だけではなく、体内に酸素を取り込ませるための人工呼吸が欠かせません。

■ 胸骨圧迫だけで助かるとしたら、、、迷走神経反射?

典型的な上記の2つだけを考えると、胸骨圧迫だけで助かるのは不思議に思えますが、実際のところ、胸骨圧迫だけで助かるケースは少なくない印象です。

これらは、結論からいうと、迷走神経反射による極端な血圧低下もしくは一過性の心停止だったのではないでしょうか?

迷走神経とは

迷走神経(副交感神経)は、交感神経と対になって血圧をコントロールしている神経で、迷走神経が過度に働くと、心拍数が低下+血管拡張により血圧が下がります。

心拍数が一気に20回/分などに落ち込み、血圧が低下すれば意識は保てなくなります。血圧がゼロにならなくても、(医療者向けプロトコルでは)頸動脈で触知できるほどの血圧がなければ心停止と判断し、胸骨圧迫を開始することになっています。

迷走神経反射は、強い痛みによって起きることがありますし、悪い知らせを聞いたときにも起こります。病院でありがちなのは採血によって意識を失ってしまう血管迷走神経反射など。

なんらかの原因で心拍数が上がるとそれを抑えようとして迷走神経が働き、それが極端に作用してしまうことで失神に繋がります。

迷走神経はいわゆる自律神経なので、日頃の疲れなどによってもうまく機能しなくなることがありがちです。朝の通勤電車で体調不良を訴える人の多くもこれに該当するものと思われます。つまり、けっこうありがちな出来事。

通常は一過性のものなのですが、迷走神経反射によって心静止(心電図がフラットになる状態)になることも報告されています。

多くの場合は、心静止まではいかずに徐脈性PEA(無脈性電気活動)か、そのもっと手前の「血圧低下」状態なのではないかと思います。

これらであれば、心静止であっても一過性のことが多いですし、血圧が低い原因が心臓のポンプ機能の一過性の低下であれば、胸骨圧迫によって血流をつなぎとめておけば、しばらくして血圧が戻って意識・呼吸が戻ってくることが期待できます。

つまり失神発作の重症例

迷走神経反射といえば、ファーストエイドを勉強したことがある人は、失神発作の原因のひとつとして理解されていることと思います。

失神なのか、心停止なのかという点ですが、そこはあまり深く考えなくていいと思います。

目の前で倒れたとか、倒れている人を見つけた場合は、反応(意識ではなく)を確かめて、普段どおりの呼吸をしていると10秒以内に確信が持てない場合は、セオリー通りAED手配と合わせて胸骨圧迫開始でOKです。

もし、血圧がある程度保てていて明らかに痛がる素振りがあれば圧迫をやめればいいし、明らかな反応がなければ、心停止だと確信して強く押し続ければ大丈夫です。

実際のところ、この場合は、血圧低下から心停止までは連続的に変化していくものなので、デジタル的な明確な境目はありません。ですから、疑わしければ胸を押せ! で大丈夫。

そのうち血圧があがってくれば徐々に痛みに刺激に反応するようになってくるかもしれませんし。

 
 

ということで、胸骨圧迫だけでも助かるケースがあるとしたら、どんな場合か、ということを考えてみました。

迷走神経反射に限らず、不整脈などほかにもいろいろな原因は考えられますが、比較的日常的にありがちで市民向けファーストエイドで教えられている失神と合わせてみると、見方が広がっていくのではないでしょうか?


パルスオキシメーターでは、呼吸の有無はわからない

パルスオキシメーター、最近は値段が下がって1万円以下でも買えるので、学校やスポーツ現場でも使われることが増えてきているようです。

学校の保健室にもパルスオキシメーターが置いてあるところもあるんじゃないでしょうか?

パルスオキシメーターは、れっきとした医療器具なので、使い方を誤ると危険な場合があります。特に、人間は道具があると使いたくなる、また頼ってしまう傾向があり、道具がない場合に比べてミスジャッジすることが増えがちです。

急変対応にパルスオキシメーターを使うと


意識不明の人が倒れていると呼ばれて行って、その時たまたまパルスオキシメーターを持っていたら、、、

呼びかけても返事がなかったので、すぐにパルスオキシメーターを着けました。結果、脈拍数110回/分と出たらどうでしょう?

なにを考え、どう行動しますか?

パルスオキシメーターでわかること、わからないこと

パルスオキシメーターは呼吸状態を確認する道具、というイメージが強いかもしれませんが、指先の血流の有無と脈拍数、そして経皮的酸素飽和度だけです。

なんらかの数字が出れば、指先の血流はある、との判断はできますが、今現在、呼吸をしているかどうかはわからない、という点、注意が必要です。

SpO2の数値が出たとしても、呼吸をしていないケースはありえます。

あくまでも血中の酸素とヘモグロビンの結合割合を近似的に算出しているだけで、呼吸停止しても数値が下がるには時間がかかるからです。

つまり、パルスオキシメーターは呼吸をしているという前提で使うものであり、自発呼吸をしているかどうかを確認する道具ではないということです。

パルスオキシメーターの値が信用できない場合

寒冷やショックなどで抹消循環が悪い場合、パルスオキシメーターは正しい数字を示しません。エラーになればまだいいのですが、高めに数値が出てしまう場合非常に危険。

つまり、傷病者の状態が安定している条件下でないと信用できません。

こうした特性を知らない人がパルスオキシメーターを過信してしまうリスクが日常的になっています。あくまでも医療機器、中途半端な知識・理解の人が使うと危険という話。

このあたりの話は、詳しくはブログ過去記事もご参照ください。

実例:パルスオキシメーターの不適切使用

平成28年9月に大分の学校で起きた死亡事故では、意識不明の傷病者に対して目視による呼吸確認をせず、パルスオキシメーターの数字が出たことで「呼吸あり」と判断した結果、気道異物による呼吸停止(窒息)に気づかず死に至った可能性が指摘されています。

大分県立南石垣支援学校における事故調査報告書(令和元年7月)

大分県教育委員会(令和元年7月)


 

本件から学べる点は多々ありますが、今回特に着目いただきたいのは「5.前提となる事実 [PDFファイル/5.36MB]」の p.28 に書かれているパルスオキシメーターを装着したときの事実の描写と、同 p.39 にある学校側が保護者向けに説明した文書の中の下記の記述です。

「呼吸はあったか」という質問への答え
「呼吸、脈等はパルスオキシメーターで確認していましたが、血中酸素飽和度は正確な測定ができなかったということです。」
 
呼吸については、確認していませんでした。

後日指摘により訂正されたようですが、救護対応していた養護教諭らはパルスオキシメーターで脈拍数110回/分と表示されたことで、呼吸できていると誤認していた可能性が伺えます。

冷静に考えれば、酸素飽和度が表示されないことから、呼吸状態(この場合は特に気道開通)を疑うこともできたかもしれませんが、意識不明の傷病者を目の前にして、脈拍がある=心臓が動いている=生きている、という安心感が、呼吸もしているという早合点につながったのかもしれません。

頭部から出血していたなどの複雑な要因はありますが、パルスオキシメーターを持ってきたことが、判断を誤らせた要因として否めない案件ではないかと考えています。

本来の救急対応手順に従えば…

今回の検証の中でも指摘されているとおり、意識不明の人がいたとき心肺蘇生法の手順に従って、「反応なし+呼吸なし」を確認し胸骨圧迫を行っていれば、心停止ではなかったとしても、結果的には窒息解除の手順(胸部突き上げ法)となり、気道異物による窒息を解除できた可能性はありえます。

傷病者の状態が悪いときは、パルスオキシメーターは使い物にならない点は医療従事者は知っています。しかし、市民からしたら「頼れる医療機器」として勘違いしてしまうリスクが露呈された事故ではないでしょうか。

血圧計やパルスオキシメーターを応急救護の備品として用意することのメリットとデメリット。

不慣れな人にとっては致命的なデメリットもあります。逆にメリットはなにかあるでしょうか?

使い方自体は簡単ですが、その解釈や精度の点では不利益も大きい。

あると使いたくなる人間の性を考えると、医療従事者以外は基本的にこうした医療機器は持たないほうがいい、と思います。

 

医療者にとっても、こういう事例を見ると、PEARSやPALSの体系的アプローチで、酸素飽和度の評価が呼吸の一番最後の項目になっている点が、納得いただけるのではないでしょうか?


質の高い人工呼吸とは

昨今、なにかと軽視されがちな人工呼吸ですが、子どもの救命や、水辺での救急対応には欠かせないという点は、皆様、ご理解いただけていると思います。

そこで、今日は、一歩踏み込んで 人工呼吸の質 という話をしたいと思います。

質の高い人工呼吸は、過剰な換気を避けること

吹き込んで胸が上がればいい!?

人工呼吸は、胸骨圧迫に比べると動作がやや複雑で、うまくできた / 失敗した、がはっきりわかる手技です。

そのため、吹き込んでマネキンの胸が上がればとりあえず「よし」としがちですが、それは一般市民向け講習での話。

医療従事者や、救護責務がある市民救助者向けの研修では、人工呼吸にも「質」が求められます。

High Quality CPR

High Quality CPR(質の高い心肺蘇生法)のポイントといえば、

・強く
・速く
・胸壁を元の高さに戻す
・中断を最小限に

ですが、これらは胸骨圧迫の話。人工呼吸に関しては、
 
・過剰な換気を避ける
 
ということが謳われています。

人工呼吸の空気は入れすぎないほうがいい

過剰な換気を避けるためのポイントは2つ。

・目で見て胸が上がる程度の量
・1回の吹込みは1秒かけて

目で見て胸が上がる程度の量

息を吹き込むと胸部が挙上して見えます。それが見える程度のギリギリの少ない量でいいですよ、という意味です。

イメージからすると、空気をたくさん吹き込んだほうが助かるような気がしますが、実は逆です。

空気を吹き込みすぎるとかえって蘇生率は下がります。

理由は2つ。
 

  • 胃膨満 → 嘔吐 → 人工呼吸継続困難
  • 胸腔内圧上昇 → 静脈還流低下 → 心拍出量低下

 

胃膨満の弊害

空気をたくさん吹き込みすぎて、肺から溢れ出た空気はどこにいくかを考えれば簡単です。

気管ではなく、食道の方に空気が流れ込んで「胃」に溜まっていくわけですね。

胃が最大限まで膨らんだらどうなりますか? 吐き出す、嘔吐をしそうな気がしませんか?

胃の内容物を吐かれてしまったら、人工呼吸はもちろん蘇生処置そのものが中断してしまいます。結果、助かる可能性が格段に下がるのは想像できるでしょう。

胸腔内圧上昇の弊害

こちらは直感的にはすこしわかりにくいかもしれません。

ざっくりとしたイメージですが、空気を入れすぎて肺がパンパンに膨らんだ状態を想像してください。肺が目一杯膨らむと、肺の間に挟まれた心臓がギュッと圧縮される気がしませんか?

心臓が押しつぶされた状態になっていると、静脈から戻ってくる血液が心臓に溜まる量が減ります。そうなると、胸骨圧迫によって駆出できる血液量も減るのは想像できるでしょうか?

心肺蘇生法の目的は、酸素化された血液を全身に巡らせることによって、脳や心臓などの重要臓器の細胞に酸素供給をすることにあります。

肺まで空気がたくさん入っても、その先の酸素の運搬媒体である血液の流れが滞ったら、終着点である細胞が受け取る酸素量は少なくなってしまいます。

つまり、空気を入れすぎると血液循環が悪くなって蘇生効率が下がる、というわけです。

(実際のところは、心臓が潰されるというよりは、静脈系の血管の影響なのですが、今回は大まかなイメージということで詳細は割愛します。)

1秒かけて吹き込む

これは、意味がわかりにくいと思いますが、ざっくりいうと、勢いをつけて吹き込むなという意味です。

勢いよく素早く送気してしまうと、口腔内の内圧があがって、ふだんは閉じている食道に隙間ができて空気が胃の方に流れ込んでしまうリスクが増えます。

だから、優しく1秒くらいかけて、ややじんわりと送気してくださいね、という意味です。

参考まで、ガイドライン2005までは、1回の送気に2秒かけるように指導していた時期があります。これは内圧を上げないための配慮だったのですが、その結果、胸骨圧迫の中段時間が伸びることが問題となり、2秒から1秒に改められた経緯があります。

また「1秒かけて」と翻訳された原語は over 1 second です。ときどきこれを1秒以上かけて吹き込むと誤訳しているケースもありますので注意してください。この場合の over は、1秒間に渡って送気を続ける、という意味です。

ですから、1秒かけて吹き込むと訳すのが正しいです。

胸骨圧迫で得られる循環血液量はふだんの1/3

人工呼吸の吹き込み量は思いのほか少ない量で十分なのですが、直感的にはなかなか納得しづらいかもしれません。

そこで、心停止中に胸骨圧迫で得られる循環血液量は、正常時の1/3〜1/4しかないということを知っておいてください。

血流が普段の1/3しかないところに普段の肺活量の空気を送り込んだところで、細胞に届く酸素量は限られます。

だから、あんなに少ない量であっても十分なのです。

人工呼吸で空気を入れすぎると蘇生率/救命率が下がる

まとめ

私達の直感とは裏腹に、人工呼吸で勢いよく多くの空気を入れてしまうと、嘔吐するリスクが上がり、血液循環が低下することで蘇生率は低下します。

人工呼吸で肺に空気が入ることは重要ですが、業務対応として人工呼吸を行う人は、入れ過ぎは良くないということを理解して、傷病者の体格に合わせて吹き込み量を調整できるような練習をしておきましょう。

以上、BLS横浜の ハートセイバーCPR AEDコース や、BLSプロバイダーコース に参加したことがある方はすでにご存知の内容かと思いますが、質の高い人工呼吸について解説しました。


AHA蘇生ガイドライン2019アップデートが公開されました

先日、アメリカ心臓協会の蘇生ガイドライン2019アップデートが発表されました。

国際コンセンサス2015以後、ILCORとAHAは5年毎のガイドライン刷新をやめて、データがまとまり次第、その都度、ガイドラインの小改定を繰り返す方針になっています。(日本蘇生協議会JRCガイドラインは従来どおり5年改定の道を選びました)

アメリカの蘇生ガイドラインですから、もちろん英文での発表ですが、その要点をまとめた「ハイライト」が18カ国語に翻訳されており、日本語も含まれています。

ぜひ、下記のAHAサイトからダウンロードして見てみてください。もちろん無料で登録等の手続きなく、誰でもダウンロードできます。

 

November 2019 Focused Updates
https://eccguidelines.heart.org/circulation/cpr-ecc-guidelines/

 

上記リンクをクリックして、中段あたりにある”Guidelines Highlights”から日本語(Japanese)を選んで、”View Selection”をクリックするとPDFが表示(もしくはダウンロード)できます。

AHA蘇生ガイドライン2019アップデート「ハイライト日本語版」のダウンロード

ダウンロードできる日本語版のハイライトは17ページ。

AHA蘇生ガイドライン2019アップデートのハイライト

 

AHA蘇生ガイドライン2019アップデートで何が変わった?

さて、気になるのは、なにがどう変わったのか? ですが、今回のトピックは次のようになっています。

Highlights of the 2019 Focused Updates include the following:

  • Dispatcher-assisted CPR (DA-CPR) for adults and pediatric patients
  • Potential role of cardiac arrest centers (CACs)
  • Use of advanced airways during CPR
  • Use of vasopressors during CPR
  • Extracorporeal CPR for adults
  • Use of advanced airways during pediatric resuscitation
  • Targeted temperature management
  • Administration of oxygen to initiate ventilation support for term, near-term and preterm newborns
  • Treatment of presyncope

 

通信指令員による口頭指導の有用性について、薬剤選択の根拠について、気管挿管のタイミングなど、これまでの方向性からは大きくは変わらず、これまで根拠が弱かったところが補強され、推奨に関する語調がはっきりしてきた、という程度のアップデートです。

ACLSやPALS、BLSプロバイダーコースの内容に直接関わる変更はなさそうです。

特に去年あたりから、アドレナリンの効果に疑問を投げかける論文が話題となり、アドレナリンの投与タイミングがもう少し遅くなるのではないかという意見もありましたが、現状のままいきそうです。

新しい点として興味深いのはファーストエイドに関して、失神というトピックが上がっています。

ハートセイバー・ファーストエイドコースでの指導内容にはおそらく変わりはないと思いますが、なかなか興味深いことが書かれているので、ぜひ、ハイライト日本語版を見てみてください。


服をはだけずにAEDパッドを貼れるか?

京都大学の研究結果で、女性へのAED使用率が低いとの報道されたせいか、今年はAED装着時のプライバシー保護に関する話題が多かったように思います。

この点は、救命法の指導員の間では昔から変わらず出てくる鉄板ネタのような話題で、服は完全に脱がさずに、襟元や裾からパッドを差し入れて貼ればいいという意見は昔からありました。

救命法の指導員の中には、実際にやってみてちゃんとできたとおっしゃる方もいますが、BLS横浜としては、このやり方は懐疑的に捉えています。

なぜかといえば、下の写真をご覧ください。

服の隙間からAEDのパッドを装着できるか?

練習パッドと本物のパッドの違い

本物のAEDパッドは粘着成分層が厚く重量感がありますから、手に取るとこのようにたわみます。

この質感は、パリッとした水平性を保つ練習用パッドとは違うと思いませんか?

そして、練習パットと違って、粘着度はかなり強力です。以前は胸毛を粘着でむしり取ると言われていたくらいです。(実際はそんなきれいには抜けませんのであまり実用的な方法ではありませんが)

質感のイメージは、湿布薬に近いかもしれません。

服を来たまま襟元から湿布を自分の肩に貼ろうとして、失敗したことありませんか?

湿布のシートが折れ曲がって粘着面同士がくっついてしまったり、服に貼り付いてうまく伸ばせなかったりしますよね。

あそこまでペラペラではありませんが、それに近いような難しさがあります。

ダブダブのゆったりとした服ならうまくできるかもしれませんが、うまく行ったらラッキーくらいに思ったほうがいい不確実な方法です。

貼り損じたらどうなるか?

もし、失敗して服に貼り付いてしまったらどうなるか?

剥がして貼り直せばいいかもしれません。しかし粘着面には衣類の毛羽立った繊維がたくさん貼り付きます。これらは電気抵抗になりますし、繊維や毛玉などで微細な隙間ができてしまうと、その間に火花が飛んだり、発熱の要因となります。

もしパッドの粘着面同士が貼り付いてしまったら?

強力な粘着面、剥がすのは困難ですし、粘着成分にムラができることで、効率低下の懸念があります。

なにより、パッドが使えなくなってしまったら、予備パッドが入っているとは限りませんし、最近は最初からコネクタが接続されている機種が増えていますから、付け替えというイレギュラーなアクションがスムーズにできるかという問題があります。

生きるか死ぬかの瀬戸際であることを忘れてはいけない

AEDパッド装着時に女性の胸元をはだけてしまっていいのか? という羞恥心やプライバシーといった人権への配慮は大切なこと、前向きな議論に見えますが、はたしてそうでしょうか?

そもそもAEDを装着するのは「心停止」が前提です。

つまりAEDを装着する場面は、命の瀬戸際で生きるか死ぬかの問題に直面しているわけです。

そんなときに、死にかけている意識がない人の羞恥心への配慮と、着実・確実に救命処置を行うことを、天秤にかけるような問題でしょうか? 

意識がない死にかけている当事者は何を望んでいるのでしょうか?

そう考えると、AED装着時に羞恥心に配慮するというべきか? という命題自体が、あまりに他人目線で空想的なバカバカしいものに思えてきます。

不慣れだからこそ、確実性を

襟や裾の隙間からAEDパッドを貼るように教えるのであれば、実際に練習してもらう必要があると考えます。それも練習用パッドではなくホンモノを使って。

ただのAED講習でさえ、慌ててうまくできない人がいる中、襟元から貼るようにと難易度が高いやり方を指導するのであれば、説明だけではなく練習をさせなければ指導員としては無責任でしょう。

実際のところ、受講者からはよく質問されます。女性でも服を切って完全に胸を露出させてしまっていいんですか? と。

そんなとき、指導員は、「いいんです。そうしてください。」と自信を持って答えるべきです。

しかし指導員自身が、そこを不安に思っているから、服の隙間から貼ればいい、などと無責任なことを言ってお茶を濁している部分はないでしょうか?

医療従事者向けの教育ならいざしらず、不慣れな一般の方に教えるのであれば、確実堅実なやり方、つまり服ははだけるか、引きちぎるか、ハサミで切るなどして、確実に貼付部を露出させて貼るという原則通りのことを自信を持って指導するべきでしょう。

 
 

先日、「AED 対女性使用率向上を 体覆う特製シート考案」というニュースが流れました。(大阪日日新聞2019年10月17日)

AEDをためらわずに使ってほしい、という前向きな取り組みに見えますが、逆を言えば、救命処置よりもプライバシー保護が優先であるという世論の形成をさせることにもなり、救命法の普及という点でいえば全体的にはマイナスに働く懸念もあります。

傷病者の人権への配慮もあってしかるべきですが、業務対応する医療従事者ならいざしらず、それらを一般市民に求める風潮は好ましいとは考えません。

むしろ、緊急事態なんだから羞恥心なんて言ってる場合じゃない! というコンセンサスを形成するほうが健全なのではないでしょうか?