BLS横浜では、救命法指導員向けの勉強会やセミナーも開催しています。
参加くださるのは、消防団員の方や、応急手当普及員、日本赤十字社の救急法指導員の方が多いのですが、そこで最近よく聞かれるのが、蘇生ガイドライン2025にいつ切り替わるのか、というもの。
日本国内はいまだに G2020 のまま。蘇生ガイドラインは改定されていない
今は2026年ですが、実は日本の蘇生ガイドラインは2020年版のままです。改定されていません。
米国AHAの蘇生ガイドラインが2025年10月に刷新され、その変更点の概要をまとめたハイライトが日本語でも配信されましたが、あれはあくまでもアメリカ合衆国の蘇生ガイドラインで、日本には関係ありません。
日本国内に適応される蘇生ガイドラインは、日本蘇生協議会JRCが策定することになっています。
JRC蘇生ガイドラインは2025年10月末に「パグリックコメント版」が1ヶ月ほど公開されていましたが、いまはリンク切れになっています。
これはその名の通り、一般公開してパブリックコメントを集約するためのもの。その意見を加味して正式なG2025蘇生ガイドラインが決定し、出版されます。
もともとは確定版が2026年3月に出版予定でしたが、作業が遅れており5月末にずれ込むことが発表されています。
つまり、日本のJRC蘇生ガイドライン2025が正式に発効するのは2026年6月頃、というのが今のところの見込みです。
6月に新ガイドラインが発表されたら救命講習が変わるのか? 否!
じゃ、4月になったら、消防や日赤の救命講習が変わるのかというと、そういうことでもなく、救命講習が堂々とG2025準拠となるのは、もっと遅れて2027年に入ってからと思われます。
というのは、新しいガイドラインが確定してもすぐには動けません。
日本の蘇生ガイドラインは学術論文の寄せ集めと集約みたいなもので、論文の検討結果が中心に書かれており、実行動マニュアルではないからです。
ガイドラインが確定すると、次にそれを実施レベルに落とし込んだ指導指針を策定するワーキンググループが動き出します。
複数回に渡すその検討会を経て、「救急蘇生法の指針」の原本が作られ、それから関連各機関に事務連絡がいき、そこから各団体が自分たちの教本や指導指針の改定作業を始めるわけです。
各団体ごとの教本が出版されると、今度はそれを指導員に周知するための時間が設けられ、その後でようやく市中の救命講習がG2025準拠にアップデートされるという流れになります。
具体的なタイムスケジュール
厚生労働省の Web にアップされている「JRC蘇生ガイドライン改訂に対する検討」資料を見ると、この先のタイムスケジュールが示されています。

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-174/03/shiryou3.pdf
2026年5月末にガイドライン確定版が出た場合、6月から10月にかけて市民向け応急手当講習の検討会が予定されています。
その結果が救急蘇生法の指針として各機関に通知されるのが10月末から11月上旬頃の予定。
そこから各団体毎の作業が始まりますから、講習が G2025 に切り替わるのは年内は厳しいのではないかと考えています。
2027年上旬にはどうにか、という気がしますが、日本国内の組織運営事情を考えるとキリが良いところで2027年4月になるのではないかと予想しています。
こうなってくると、なにゆえに《2025》ガイドラインと言うのかが謎な気もしてきます。
米国ではガイドライン解禁日に講習教材も発表された!
この点、米国はすごかったですね。
2026年10月23日の国際蘇生連絡協議会ILCORの情報解禁日に、ガイドラインだけではなく、BLSとACLSとPALSの指導教材までを同時リリース。
組織的な問題が大きいと思いますが、命を救う術の教育普及に対して力の入れ方が、日本とアメリカではまったく違うことを思い知らされました。







