アメリカ心臓協会AHA一覧

AHA US-eCard のデザインがマイナーチェンジ

AHAプロバイダーカードのデザインがマイナーチェンジしたようです。

上が旧カード、下が新カード。

どこが変わったかわかるでしょうか?

AHA-US-eCardのデザインがマイナーチェンジしました

そう、ロゴマークがG2015の新デザインにかわっているんですね。

それとこれまでなかったeCardコードが記載されるようになりました。(eCardコードはこれまでは賞状型のFullサイズにしか記入されていませんでした)

eCard裏面の変更点は、、、少し残念

続いて裏面。右が旧カード、左が新カードです。

ハワイのeCardからはUSAの記載が消えてしまいました

資格を発行したトレーニングセンターの所在地を示す部分が大きく変更されています。

 

TC Adrress → TC City, State

 

住所の記載が、州と市に変わってしまったため、USA という表記がなくなってしまいました。

これはなんとなく残念。

HI というのがハワイ州を示す略語なのですが、日本人にはピンときません。

そこで USA という表記があるからこそ、日本の国際トレーニングセンター(ITC)ではなく、米国のナショナル・トレーニングセンターで取得した資格というのがわかりやすかったのですが、、、

これまでBLS横浜で受講くださった方には、「ハワイでACLS資格を取ってきた」と言ってもバレませんよ、なんて冗談半分に言っていたのですが、ちょっと通じにくくなっちゃったかなと。

 

カードの下のコピーライトの部分を見ると、2020年3月にカード仕様がマイナーチェンジされたみたいですね。

少々わかりにくいですが、Aiea, HI ということで、ハワイ州のアイエア市で発行された純正のUS-ACLSプロバイダー資格であるということは間違いありません。

BLS横浜で ACLS や BLS 資格を取得した方は、カード裏面の表記を見てみてください。

 
 
(現時点、ハートセイバー・ファーストエイドCPR AEDと、PALS/PEARS 資格はハワイではなく、日本の JSISH-ITC からの資格発行としております。日本国内の住所がローマ字表記で記載されています。)


気管挿管を優先-COVID-19患者のACLS【AHA新アルゴリズム解説】

ここのところ連日、新型コロナウイルス感染症患者への蘇生法を解説していますが、最後は二次救命処置 ACLS です。

情報ソースは2020年4月9日付で、アメリカ心臓協会のジャーナル Circulation に掲載された Interim Guidance for Basic and Advanced Life Support in Adults, Children, and Neonates With Suspected or Confirmed COVID-19 になります。

新型コロナウイルス感染症患者へのACLSの変更点

COVID-19患者ならびに疑い者向けに改定されたACLS心停止アルゴリズムは下記のとおりです。

新型コロナウイルス感染症患者用に改定されたAHA-ACLSアルゴリズム

黄色いボックスが追加された他、太字で下線がついた箇所が変更された部分です。

日本語はBLS横浜の独自翻訳です。AHA公式のものではありませんが、AHA公式日本語版がでるまでは、高解像度で印刷可能なPDFファイルもダウンロードできるようにしておきます。

気管挿管の優先度が上がった

Prioritize oxygenation and ventilation strategies with lower aerosolization risk.

新型コロナウイルス感染症対策として、ACLS変更の最大のポイントは、気管挿管を優先するようになった、という点でしょう。

もともとACLSにおいては、バッグマスク換気が有効に行えていれば、気管挿管は急がないというスタンスでしたが、準備でき次第、カフ付きの気管チューブで気道を密封することを推奨しています。

なるべく早く閉鎖回路内での呼吸にすることで飛沫リスクを減らそうということです。

これまでは、蘇生中に挿管するとしてできるだけ胸骨圧迫を中断しないようにという点が強調されていましたが、今回は逆に「挿管のために胸骨圧迫を止める」ことが明示されています。

胸骨圧迫を続けたら、圧迫によって口から呼気が吐き出されて飛沫感染のリスクが高いというのは想像に難くありません。

気道のシール性でいったら、カフ付きの気管チューブが望ましいわけですが、挿管困難が予想される場合などは、声門上器具(ラリンジアルマスク等)も含めて、1発で決まるような器材を選ぶようにと書かれている点も興味深いです。

その他、HEPAフィルターをつける等、回路の閉鎖性とフィルタリングについても注意喚起されています。

蘇生に関わる人数を制限する

COVID-19患者の蘇生に携わる人は感染リスクにさらされているわけですから、その人数は少ないに越したことはありません。

そこで Lucas や AutoPulse のような機械的胸郭圧迫装置(MCCD:mechanical chest compression device)の積極的な使用を考慮するように書かれています。

機械的胸骨圧迫装置LUCASルーカス

本当に蘇生を開始するのか? 続けるのか?

Consider the appropriateness of starting and continuing

ということで、蘇生の開始と継続の適切性を検討するようにと言われています。

ステートメントの中で言われているのは、

  • 蘇生活動によって他の患者へのケアが手薄となる
  • COVID-19患者の心停止の転帰はまだ不明であるが、重症のCOVID-19患者の死亡率は高く、年齢や基礎疾患、特に心血管疾患の増加に伴って死亡率は増加する

そこで、COVID-19患者の蘇生の適切性を判断する際には、患者の状態だけではなく、他の患者へのリソース配分も考えるようにと記されています。

その他

上記の新しいアルゴリズムを見ると、抗不整脈薬としてアミオダロン以外にリドカインが載っている点も、皆さんのお手元にあるACLSプロバイダーマニュアルG2015とは違っている部分です。

ただ、これは COVID-19 患者だから、というわけではなく、2018年のACLSガイドラインアップデートで変更された部分です。

G2015以降は、AHA と ILCOR は5年毎の改定をやめて、その都度の小改定を繰り返す方針に転換しました。(日本のJRCガイドラインは従来どおり5年毎の改定としています)

2018年のACLSガイドライン変更については、下記のブログ記事をご参照ください。

→ AHA ACLS/PALSガイドライン2018アップデート

その他、COVID-19対策としてのBLSアルゴリズムと市民向け Hands only CPR に関する変更点の解説は下記記事をご参照ください。

→ コロナ感染疑い成人患者へのBLS 変更点の解説

→ 傷病者の口と鼻を覆ってから胸骨圧迫する【コロナ対策のCPR】


コロナ感染疑い成人患者へのBLS 変更点の解説

2020年4月9日付で、アメリカ心臓協会の機関誌 Circulation に、Interim Guidance for Basic and Advanced Life Support in Adults, Children, and Neonates With Suspected or Confirmed COVID-19 というステートメントが掲載されました。

コロナウイルス感染症(COVID-19)患者や、その疑いがある人への心肺蘇生法をどうしたらいいのか、という点で、新しい心停止対応アルゴリズムが公開されています。

 
今回は医療従事者向けの成人BLSアルゴリズムの変更点を解説します。(ACLSについては後日取り上げます

一般市民のバイスタンダー対応については、昨晩アップした 「傷病者の口と鼻を覆ってから胸骨圧迫する【コロナ対策のCPR】 」 をご覧ください。

コロナウイルス感染疑い患者への【成人BLS】の変更点

ご存知のAHA-BLSアルゴリズムに、下記のように変更が加えられています。

新型コロナウイルス感染症疑い患者へのBLSの変更

太字で下線がついた部分が変更された箇所です。

日本語はBLS横浜の独自翻訳です。AHA公式のものではありませんが、AHA公式日本語版がでるまでは、高解像度で印刷可能なPDFファイルもダウンロードできるようにしておきます。

1.PPE装着と人員制限

傷病者に取り付く前の安全確認。ここに感染防護具PPE装着も含まれています。今までアルゴリズムとしては記載がなかったところがはっきり明記されるようになりました。(ファーストエイドを学ばれた方にとっては常識だったかもしれません)

業務中のプロであれば備えがありますよね?

少なくとも手袋は必須。昨今であれば業務中はマスクはしているでしょうからいいとして、もうひとつほしいのはアイシールド。目の粘膜からもウイルスは体内に侵入します。

特に人工呼吸担当者は吐息を浴びる可能性が否定できず、目からの飛沫感染リスクが高くなります。

目を保護できないうちは、この点に留意。

BLSアルゴリズムでは明記はされていませんが、市民向けの Hands only CPR のフライヤーによると、胸骨圧迫開始前に傷病者の口と鼻を覆うようにマスクを装着させるか、布でカバーしておくように書かれています。

 

また人員制限というのは、蘇生に関わる人数を減らして、病院組織としてのリスクヘッジをしようという話です。

BLSアルゴリズムには記載されていませんが、ACLS領域の変更点では、機械式の胸骨圧迫装置(LUCAS や AutoPulse 等)の使用が推奨されているのも、蘇生に関わる人を減らして交差感染リスクを少なくするための配慮です。

新型コロナウイルス感染症患者との接触者人数を減らすために機械式胸郭圧迫装置の使用が推奨

2.人工呼吸はバッグバルブマスクで

今まではBLSプロバイダーはその職域に応じて、ポケットマスクやフェイスシールドなどの呼気吹き込み式の人工呼吸も許容されていましたが、新型コロナウィルス感染対策としては、バッグマスク使用に1本化されました。

一方向弁がついたポケットマスクも推奨されない、ということです。

新型コロナウイルス感染症患者にはポケットマスク人工呼吸は推奨されない

3.バッグマスクが使えない場合は受動換気による酸素化

バッグマスクがない、もしくはバッグマスク換気ができない場合は、成人傷病者には人工呼吸はしない、というのが基本方針。

しかし組織細胞の酸素化という救命の基本からしたら、ヘルスケアプロバイダーとしては人工呼吸をしないという選択肢はありえないわけで、苦肉の策としては受動換気による酸素化が浮上してきました。

これは気管挿管を前提で米国アリゾナ州の救急隊員向けプロトコルとしては昔から知られていたやり方ですが、胸骨圧迫による肺の圧縮・拡張効果で受動的に空気の出入りするのに期待しようというもの。

具体的にいうと、非再呼吸式の酸素マスク(リザーバーマスク等)で酸素を流しながら、胸骨圧迫のみを続けるということになります。

アルゴリズムの上では記載はありませんが、舌根沈下等で気道閉塞が起きていたら意味がありませんので、経鼻/経口エアウェイを挿入した上で実施すべきかもしれません。

なお、このやり方は成人BLSのみの適応です。今日は解説しませんが、小児・乳児のBLSでは、受動酸素化は推奨されておらず、バッグマスクによる陽圧換気が必要とされています。

これらは暫定ガイダンス

詳しくは冒頭にリンクした Curcuration 誌の本文をご覧ください。英文ですが、それほど長くはありませんし、無料PDFで全文読めます。

タイトルのとおり、この内容は Interim Guidance であり、この先、さらに変更・改善されていくかもしれません。

情報が刻々と刷新されていく新型コロナ関連ニュース、ぜひ最新情報を追いかけるようにしてください。


傷病者の口と鼻を覆ってから胸骨圧迫する【コロナ対策のCPR】

世界の救命シーンをリードしてきたアメリカ心臓協会 AHA が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策として数々の情報を提供してくれていますが、まずは、一般市民向けの Hands only CPR に関して紹介します。

感染経路を知って正しく畏れる

新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している昨今、駅で人が倒れても手出しをしないほうがいい、という意見も散見するようになりました。

もともと救護活動は心的外傷の問題も含めてリスクがある行為ですから、備えのない一般人が無理する必要はなく、119番通報するだけでも立派なことです。

ただ、それが突発的な心停止であれば、その場で胸骨圧迫を開始するかどうかで生存確率が雲泥の差となるため、漠然とした不安ゆえの不着手判断ではなく、リスクヘッジをした上での行動ができる人が増えることが社会的な理想です。

AHAはシンプルに下記のような、COVID-19感染対策を含めたバイスタンダーCPRのフライヤー(PDF:英語)を発表しました。

新型コロナウイルス感染症COVID-19疑いの人への心肺蘇生法

(もともとは英語文書で、日本語はBLS横浜独自のものです。AHA公式日本語版ではない点、ご注意ください)

Hands only CPRですから、もともと人工呼吸はしないものではありましたが、ポイントは傷病者の口と鼻をマスクや布なのでカバーした上で胸骨圧迫を始める点。

これは不用意に触れないようにという接触感染を意識したものではなく、胸骨圧迫時に肺から押し出された呼気によってエアロゾルが発生することに備えるためのものです。

胸骨圧迫だけで飛沫が拡散する可能性がある

このあと、別項でとりあげますが、医療従事者等のヘルスケアプロバイダー向けのBLSアルゴリズムのコロナ対策改変では、バッグマスク人工呼吸が行えなければ、傷病者に酸素マスクをつけた上で胸骨圧迫を続けるように勧告されています。

これは胸骨圧迫によって肺が圧迫されるごとに受動的に空気が出入りすることが多少なりとも期待されているからです。(これが陽圧式の人工呼吸に変わるものとして有効であるとの確定はしていません)

つまり、胸骨圧迫するだけでも口・鼻から呼気が漏れ出て、飛沫となったウイルスが拡散する可能性があるということ。

ゆえに胸を押し始める前に、傷病者の口と鼻をカバーしてください、ということなのです。

救助者自身がマスクをすることは、今の時期、あたりまえとして、倒れている傷病者側にもマスクをさせるというのは、なかなか気づかない点かもしれませんね。

感染対策を意識した救助活動の例

この時期、救助者自身はマスクをつけていることが多いでしょうから、やるべきことはハンカチを折りたたんで倒れている傷病者の口と鼻の上に乗せること。(顔全体は覆わないようにしてくださいね。)

胸骨圧迫を始める前に傷病者の口と鼻をハンカチでカバーする:新型コロナウイルス感染対策の心肺蘇生法BLS/CPR

AHAは特に言及はしていませんが、胸骨圧迫は服の上からがいいと思います。手の位置の正確性はあまり細かいことは気にせず、だいたい胸の真ん中あたりに手の付け根を当てます。

AEDが到着したら胸部の素肌を露出させる必要がありますが、そのときもなるべく素肌に触れないように、まずはAEDケースの中に感染防護手袋が入っていないかを確認して、手袋装着を優先します。

傷病者の命よりも自分の身の安全の方が優先です。急ぎたい気持ちがあっても安全第一。

無理のない範囲で、できる限りのことをしていきましょう。(無理と感じる場合はせめて119番通報だけでも…)

 
 
なお、医療従事者が施設内で対応する場合のBLSアルゴリズムの変更点については、「コロナ感染疑い成人患者へのBLS 変更点の解説」をご覧ください。


幻だったPEARSピンバッジが入荷しました!

AHA公式PEARSピンバッヂの購入 /販売

PEARSピンバッジ

2019年、年の瀬も迫った本日、幻だった PEARS®ピンバッジが入荷しました!

2020年1月以降の PEARS®プロバイダーコース を受講される方で、希望される場合は受講料とは別途になりますが、頒布いたします。

(受講案内に含まれていなかった場合は、受講当日、お申し付けください)

 

PEARS®ピンバッチ 日本国内頒布の経緯


長らくAHA公式の PEARS ピンバッジは販売されていませんでしたが、2019年7月にアメリカでオープンしたAHA公式の Shop CPR で市販が開始されました。

しかし、ShopCPR は日本への発送をしておらず。日本からの送金も受け付けていなかったため、日本での購入は困難な状況が続いていました。

今回、試行錯誤の結果、入手するための別ルートが確立できたため、ようやく日本の PEARS®プロバイダーの皆様にもピンバッチをお渡しできるようになった次第です。

 

過去にPEARS®を受講下さった方は


過去にBLS横浜で PEARS®プロバイダーコースを受講下さった方にも有償でお分けすることは可能です。

なお、数量が限られるため、ピンバッジ頒布は【BLS横浜主催】講習を受講してくださった方に限定させていただきます。

また、ACLS/BLS/PALS/CPR の他のピンバッジとは入手ルートが異なるため、米国での販売価格は同じであって、日本での頒布価格は異なる点はご了承ください。

AHAピンバッジ販売の詳細は ホームページ をご覧ください。


AHA蘇生ガイドライン2019アップデートが公開されました

先日、アメリカ心臓協会の蘇生ガイドライン2019アップデートが発表されました。

国際コンセンサス2015以後、ILCORとAHAは5年毎のガイドライン刷新をやめて、データがまとまり次第、その都度、ガイドラインの小改定を繰り返す方針になっています。(日本蘇生協議会JRCガイドラインは従来どおり5年改定の道を選びました)

アメリカの蘇生ガイドラインですから、もちろん英文での発表ですが、その要点をまとめた「ハイライト」が18カ国語に翻訳されており、日本語も含まれています。

ぜひ、下記のAHAサイトからダウンロードして見てみてください。もちろん無料で登録等の手続きなく、誰でもダウンロードできます。

 

November 2019 Focused Updates
https://eccguidelines.heart.org/circulation/cpr-ecc-guidelines/

 

上記リンクをクリックして、中段あたりにある”Guidelines Highlights”から日本語(Japanese)を選んで、”View Selection”をクリックするとPDFが表示(もしくはダウンロード)できます。

AHA蘇生ガイドライン2019アップデート「ハイライト日本語版」のダウンロード

ダウンロードできる日本語版のハイライトは17ページ。

AHA蘇生ガイドライン2019アップデートのハイライト

 

AHA蘇生ガイドライン2019アップデートで何が変わった?

さて、気になるのは、なにがどう変わったのか? ですが、今回のトピックは次のようになっています。

Highlights of the 2019 Focused Updates include the following:

  • Dispatcher-assisted CPR (DA-CPR) for adults and pediatric patients
  • Potential role of cardiac arrest centers (CACs)
  • Use of advanced airways during CPR
  • Use of vasopressors during CPR
  • Extracorporeal CPR for adults
  • Use of advanced airways during pediatric resuscitation
  • Targeted temperature management
  • Administration of oxygen to initiate ventilation support for term, near-term and preterm newborns
  • Treatment of presyncope

 

通信指令員による口頭指導の有用性について、薬剤選択の根拠について、気管挿管のタイミングなど、これまでの方向性からは大きくは変わらず、これまで根拠が弱かったところが補強され、推奨に関する語調がはっきりしてきた、という程度のアップデートです。

ACLSやPALS、BLSプロバイダーコースの内容に直接関わる変更はなさそうです。

特に去年あたりから、アドレナリンの効果に疑問を投げかける論文が話題となり、アドレナリンの投与タイミングがもう少し遅くなるのではないかという意見もありましたが、現状のままいきそうです。

新しい点として興味深いのはファーストエイドに関して、失神というトピックが上がっています。

ハートセイバー・ファーストエイドコースでの指導内容にはおそらく変わりはないと思いますが、なかなか興味深いことが書かれているので、ぜひ、ハイライト日本語版を見てみてください。


AHA eCard ー 日本とアメリカのデザインの違い

2019年に入って、日本国内のAHAトレーニングセンターでも修了証(プロバイダーカード)を電子認証の eCard に切り替えるところが増えてきているようですね。

AHA eCardデザインの日米の違い

BLS横浜は米国TCの eCard を発行しています


BLS横浜で2018年10月以降、BLSプロバイダーコースとACLSプロバイダーコースを受講いただいた方には 米国USトレーニングセンターの eCard で資格発行しており、米国の最新型のプロバイダーカードですよ、とご案内していました。

これまではカードの表面にQRコードがついているカードを見たら、日本国内ITCではなく、米国USトレーニングセンターで受講した証拠みたいな側面もありましたが、今後はそうは言えない状況になりつつあります。

そこで今日は、アメリカ合衆国で発行された eCard と日本の国際トレーニングセンター(ITC)が発行した eCard の違い、見分け方をご紹介します。

裏面に印字された発行トレーニングセンター名と住所

プロバイダーカードでもeCardでも裏面には、発行トレーニングセンター名と住所が記載されています。トレーニングセンター名は英語表記なのでパット見では分かりづらいかも知れませんが、住所を見れば JAPAN なのか USA なのかは一目瞭然です。

日付表記の違い

米国のTCでは、日付は数字で月/日/年の順に印字されます。例えば写真のような 2/1/2019 は2月1日を意味します。これが日本のITC発行の場合は、1 Feb. 2019 という表記になります。

発行日と有効期限表記

なぜかはわかりませんが、発行日と有効期限を示す英語表現が日米で違っています。

米国 Issue Date / Recommended Renewwal Date(発行日/更新推奨日)
日本 Date Completed / Expiraion Date(完了日/失効日)

おそらく資格としての位置づけが日米で違うことに関係しているのでしょうか?

eCardコードの記載

米国の eCard にはないのですが、日本のITC eCard には、eCardコードが印刷されています。

eCard Code は、eCard に固有の番号で、このコードをインターネット上の確認サイトに入力すると、雇用者などが資格の有無や有効期限をチェックできるという番号です。

カード型ではなく、賞状タイプのeCardには、このコード印字されているのですが、なぜか米国ではカードには記載されていません。

色の違い

写真を見比べてもらうとわかると思いますが、ハートマークの色味が少しだけ違っています。この2つは同じプリンタで印刷しているので、はっきりと違いがわかりますが、実際のところは色で違いを見分けることは難しそうです。

QRコードの密度

これはパット見でもわかる違いですね。

QRコードを読み取ると、eCard の証明ページに入れますが、日米で使っているシステムが違いますので、そのせいではないかと思います。

資格としての違いはありませんが…

これまでは、日本のITC発行でも、US-TC発行でもプロバイダーカード自体はまったく同じもので、裏面の発行元表記くらいしか見分けるポイントはありませんでしたが、eCard になってからは、完全に区別されるようになったみたいです。

だからといって資格としての意味合いは、少なくとも日本では変わらないと思いますが、ちょっとした珍しさ感ということで、BLS横浜の公募講習では、今後も基本的に US eCard を発行していきます。


AHAプロバイダーカードは手作りする時代に 米国eCard事情

AHA-ACLSやBLSコースを受講したことの証、プロバイダーカードですが、米国ではすでに廃止されて電子認証の eCard に切り替わっています。

アメリカ国内トレーニングセンターの直轄で活動しているBLS横浜でも、今年の10月から eCar dに移行して、2ヶ月で約100枚の eCard を発行してきました。

eCard は電子資格ですので、インターネット上でその資格の有効性を確認・証明するものです。水戸黄門の印籠のごとく、スマートフォンに My eCard page を表示して提示するようなものなのですが、このスタイルは日本ではなじまないだろうなというのは目に見えています。

米国でのBLS/ACLSプロバイダー資格の意義と使われ方

そもそも米国ではBLSプロバイダーやACLSプロバイダー資格は、病院職員の就業条件として病院が管理するものです。全職員のBLS資格の有無と有効期限を把握、チェックしているのです。

有効期限は2年ですから、職員が数百人、千人といれば、毎日のように資格が失効する人がいて、それをカバーするために米国の病院では専属のAHAインストラクターがいて、職員の資格維持のために毎日講習を開催していたりするわけですが、、、

そんな米国事情を考えれば、電子認証に移行したわけも納得です。

紙媒体のカードのコピーの提出を求めて、その有効期限を書き出してリストアップして、という病院管理部の手間はたいへんなものになります。それを解消するために導入されたeCard、その真骨頂は12桁の eCard Code にあります。

eCard Code は受講者の持つ資格に固有の番号です。この番号をAHAの専用ウェブサイトに入力すると、その資格の有効性が1瞬で確認できるのです。もちろん、複数件の一括照会ができます。

ですから、実は電子認証は紙の代わりにパソコンやスマホの画面表示というよりは、この一括して資格の有効性を確認できるようになる、ということに意味があるのです。

そういった医療従事者の資格認証を第一義としたときに、紙のプロバイダーカードがいかに不合理なものであったかということがわかるかと思います。

日本では資格証明より、達成感?


一方、日本では、JCI認証を取る病院とか、循環器や麻酔科の専門医資格取得以外では、資格証明を求められることはないのが現状。

日本の受講者の大半は、自分自身のスキルアップのためだったり、勉強の目標として資格を取得するという意味合いが大きく、確実な資格証明というよりは、病院の職員証の裏に入れておけるような紙のプロバイダーカードを欲しているというのが現状だと思います。

だからこそ日本では、eCardはなじまない、と考えています。

日本国内でもeCard移行が決まっています


今は、両手で数える程度の日本で活動する米国トレーニングセンター所属(提携)のAHAインストラクターが、ほそぼそとeCardを発行しているだけで、メインストリームはITCが発行する紙媒体のプロバイダーカードです。

しかし、来年の1月以降、日本のITCでもeCardへの移行が始まっていきます。

さて、組織だって日本の国際トレーニングセンターがeCardに移行したとき、本当に電子認証だけで終わらせるのか、それともいまBLS横浜が行っているようなカード印刷サービスを行っていくのか、それが大いに気になるところです。

日本のユーザーの大半は、物理的に手にとることができるカード状の資格認証を求めるでしょう。

eCardは印刷可能 誰が印刷加工する?


eCardは、PDFデータとしてダウンロードして自分で印刷してカードを作ることは可能です。

A4用紙に印刷して、ハサミで切って二つ折りにすれば、いちおうカード状にはなりますが、コピー用紙に印刷するのではカードと呼べるほどの質感は得られません。厚手の光沢紙を使うか、ラミネート加工をするなどの工夫が必要です。

また家庭で一般的なインクジェットプリンターで印刷した場合、どうしても発色や印字精度という点では、満足のいく仕上がりにはなりにくいです。

そこでBLS横浜では、旧来のプロバイダーカードに劣らないクォリティで、印刷とラミネート加工をする無料サービスを提供することで、日本で先行してeCardに切り替えましたが、実際のところ、かなりの手間と時間を要しますので、大手ITCが同様のサービスを提供するとは考えられません。

日本国内のITCがeCardに移行し、カード印刷は受講者自身が自分で行うもの、ということが日本国内で周知されるようになった暁には、BLS横浜でも、印刷サービスは廃止ないしは完全有償サービスに切り替える予定でいます。

以上、AHAインストラクターでもあまり知られていない最新のeCard事情について書かせていただきました。



一般向け:AHA eCard(イーカード|eカード)印刷ラミネート加工の代行サービスを開始しました。

BLS横浜でAHAコースを受講した方以外であっても、ご希望があれば、eCardのプリント&パウチ加工を有償で承ります。詳細は下記ページをご参照ください。

AHA eCard(イーカード|eカード)印刷ラミネート加工の代行サービス

日本のAHAトレーニング組織の構造 ITCってなに?

受講者にとっては、非常にわかりにくい日本国内のアメリカ心臓協会AHA-ECCトレーニング組織の構造について解説します。

日本のAHA-BLS/ACLS/PALS/PEARSを開催するトレーニングセンター・トレーニングサイトの構造

AHA-BLSとか、AHAのACLSコースというように、アメリカ心臓協会 American Heart Association(略してAHA)講習は全部同じものというイメージがありますが、その運営はアメリカ心臓協会そのものが行っているのではなく、AHAと提携したAHAとは別の法人が運営しています。

AHAと提携した別法人、これがトレーニングセンター(Training Center)と呼ばれています。

日本においては、米国内と区別する意味で、国際トレーニングセンター(International Training Center: ITC)と言います。日本においては、現在9つのITCが認可され、存在しています。

日本国内でAHA講習をやっている活動拠点(トレーニングサイト)は、下記のいずれかのITCと提携して講習展開を行っているはずです。つまり、地域の○○トレーニングサイトの上には、○○ITCという母体組織があるということです。


  • 日本医療教授システム学会
  • 日本循環器学会
  • 福井県済生会病院
  • 日本BLS協会
  • 日本ACLS協会
  • 国際救命救急協会
  • 日本救急医療教育機構
  • 日本小児集中治療研究会
  • ACLS JAPAN

これらの名前を見て分かる通り、どの組織も法人としてはAHAとは別個の日本の国内法人です。

その既存の国内組織が、アメリカ心臓協会と提携して、ライセンスを受けることで、AHA-ITCという看板を出してアメリカ心臓協会公式講習を展開しているのです。

ですから、国際企業の日本支社があって、さらにその下に各営業所があって、、、、というような直轄の会社組織とは、根本的に違うという点を理解しておくことが重要です。

トレーニングセンターITCは、それぞれ別個の法人組織

日本国内のITCの間には、基本的には横のつながりはありません。

皆それぞれが米国本部との直轄であって、米国のRegional Facultyのような、ITC間を取り持つような構造にはなっていません。

ある程度のAHAグランドルールは決まっていますが、実際の細かい運営方法は各日本法人が独自に決めていますから、同じAHA講習であっても、多少の違いはでてきます。

例えば、AHAグランドルールで、受講料はトレーニングセンターやインストラクターが自由に決めるという点が規定されています。ですから、受講する場所によって受講料はバラバラです。しかし、これは市場原理として普通のことかもしれません。

さらには、AHA規定には書かれていない要件を独自に定めているケースもあり、代表的なもので言えば、ACLS受講にBLS資格が必須、というのもトレーニングセンター独自のローカルルールです。少なくとも、AHAグランドールではBLS資格が必要という決まりはありません。

同じAHA講習なのに、違うのはおかしい! と思われるかもしれませんが、講習の質として最低限のことは定められていますので、そこはご安心ください。

どこで受講するのか、受講者が選ぶ時代に

このように、良くも悪くも日本のAHA講習展開組織は、それぞれが特色を出しつつ、競合しています。

AHA本部の意図としては、各トレーニングセンターが、母体となっている組織の特性を活かしつつ、自由競争の中で切磋琢磨して、より良い質の高いトレーニングを提供していくように、ということなのだと思います。

日本でも都市部では、複数のトレーニングセンターが活動拠点を構えていますから、受講者は各拠点での受講条件や受講料、特徴を比較検討して、自分にあったところを選ぶことができる時代になっています。

地方では、トレーニングセンターが1つしかなく、選択肢がないということの方が多いかもしれませんが、活動拠点やサテライトの広がりによって、今後、新たな風が吹いていくこともあるでしょう。

実際に、昨今の状況を見ていると、トレーニングサイト(活動拠点)が、提携するITCを変更するサイト単位での移籍という現象が目立ってきています。

受講料や運営方針などは、ITC単位である程度決まりますので、より地域にあった活動がしやすい運営母体に鞍替えするというケースが増えてきています。

これにより、これまではその地域では特定ITCによって独占されていた市場が開放され、消費者としては選択肢が増え、さらには競争によって地域で提供されるトレーニングの質が上がっていくというメリットが生まれています。

BLS横浜の立ち位置

BLS横浜は、AHAトレーニングセンターとしては、下記の2つの法人と提携しています。

・日本医療教授システム学会(日本国内法人)・・・BLS/HS/ACLS/PALS/PEARS
・American Medical Reponse(アメリカ合衆国法人)・・・BLS/HS/ACLS

通常、日本国内では1つのトレーニングセンターとだけ提携するのが一般的なので、珍しいケースだと思います。

しかし、AHAインストラクターは、複数のトレーニングセンターと提携して、活動を切り分けていくことができる点が、AHAのグランドルールで決まっていますので、決して特殊なことではありません。

BLSとACLSは、日米どちらのプロバイダーカードでも発行可能


BLS横浜で開催する、BLSプロバイダーコースやACLSプロバイダーコース、ハートセイバーコースについては、日米どちらの法人に開催申請を行うかによって、カード発行元を選択できるのが、BLS横浜の強みです。

日本のITCとハワイのTC、どちらでカード発行しても資格としての価値は変わらないのですが、American Medical Reponse(AMR)に登録すると、米国内のトレーニングセンターなので、アメリカからプロバイダーカードが発行されることになります。

カードの裏面に、資格を発行したトレーニングセンターの名前と住所が印字されるのですが、これがハワイの住所になるので、ハワイで受講してきたと言ってもバレません。(笑)

住所の中にあるHIというのが、Hawaii州を示す米国の省略形です。

まあ、なんとなく珍しいでしょ? 

ということで、公募講習では、BLSとACLSはハワイ登録で行うことが多いです。

ただ、最近、米国では、紙のプロバイダーカードが廃止されて電子認証のeCardに変わってしまったので、受講者さんの希望に合わせた調整も行っています。

また、PALSとPEARS資格に関しては、日本医療教授システム学会JSISH-ITCとしか提携していませんので、これらのプロバイダーカードはJSISH-ITCから発行されます。

BLS横浜の活動地域: 日本国内全域と米国ハワイ州・グアム

トレーニングセンターによっては、内規としてインストラクターの国内活動地域に制限を設けているところもあるようですが、BLS横浜が提携している2つのトレーニングセンターは、そういった活動制限はありませんので、横浜に限らず、日本全国どこでもAHA公式講習を開催できます。

BLS横浜が、横浜の地域トレーニグサイトのように見えて、沖縄や鹿児島、熊本、福岡、香川、岡山、広島、姫路、名古屋、静岡、長野、福島、秋田、北海道などでも講習展開しているのはそのためです。

ACLSとBLSについては、American Medical Responseトレーニングセンター登録としては、米国のハワイ州とグアムでも講習開催許可を得ています。

日本国内でも地方開催をするときは、地元の既存組織以外であるために、地元の方からは不思議に感じられることもあるようですが、BLS横浜としては、ご依頼をいただければ、上記地域内であれば、どこでも出張講習に応じています。

そして地方開催の場合は、そのための交通費や会場費、地元で協力してくれる病院や団体などの兼ね合いで、受講料もその都度違っています。

時々、ご質問をいただくので、トレーニング組織の概要に加えて、ここで説明させていただきました。


AHAプロバイダーカードが廃止される?

アメリカ心臓協会の講習を受講し、合格すると発行されるプロバイダーカード。

これがなくなるという話題です。

実はこれは数年前から打ち出されていた方針で、米国ではすでにe-Cardというものに移行が始まっており、今年に入ってからはすべてのUSトレーニングセンターでe-Cardへの対応が義務付けられました。

▲ e-CardをLetterサイズに印字したバージョン

 

e-Cardとは何かというと、インターネットを使った電子上での資格認証制度です。

紙のカードだと紛失という問題がつきまとい、日本でも専門医申請シーズンになると、トレーニングセンターにカードの再発行依頼がかなりの数、舞い込みます。

こういったことを防ぐために、受講者はインターネット上のAHA専用サーバー内に自分の情報を登録し、そこに持っているAHAプロバイダー資格の情報が保管されるようにするのです。資格が有効期限内であれば、そのサーバーから、修了証がPDFファイルとしていつでも発行でき、それをスマートフォンの画面で提示することもできますし、プリンターで印字して、証明書として提出することも可能です。

そんな新しい資格証明システムの総称がAHAのe-Cardです。

 

▲ カードの形での印字も可能

 

このシステムのおもしろいところは、資格認証の有無と有効期限を確認できるのは、受講者本人だけではなく、病院の管理部門など、雇用者もAHAの専用サーバーにアクセスして従業員の資格をチェックできる点です。

米国の病院では、日本の医療従事者免許と同じような感じで、BLSやACLSプロバイダー資格の有無と有効期限情報を管理しています。

更新は2年毎ですから、何百人、何千人といる病院の職員の情報を更新し続けるのは、無視できないほどの煩雑さです。

そこで、このe-Cardシステムが考案されました。

従業員は事業所に対して、自分のe-Cardの固有番号(e-Card code)さえ伝えておけば、病院側はAHA専用ページから検索、確認ができますから、手間いらず、というわけです。

BLSやACLS、PALS、さらには非医療従事者であれば、CPR AEDやファーストエイドの資格取得と更新が業務上の責務となっている米国ならではの制度と言えるかと思います。

さて、日本においてですが、日本のITCに関しては、まだこの制度に移行しているところはないようです。

AHAの方針として、米国内においては紙のカードは廃止したいようですが、世界各国のITCについてはどうなるのかは未知数です。

日本においては、医療者にしても教職員や警備員などにしても、BLSやACLSなどの資格習得と更新義務は存在しません。ゆえに事業者が資格の更新を確認し続けるというタスクも存在しません。

つまり、日本ではe-Cardのメリットは、ほとんどない、というのが現状です。

受講者の立場からすると、カード紛失のリスクがなくなるというのはメリットかもしれませんが、何気にモノとしての修了カードを手にする喜びとか達成感というのが、大きいんじゃないかと思います。

それがなくなって、自分のパソコンから印刷して自分でパウチしてね、というのでは、受講のモチベーションに大きな影響を与えるのではないかと思います。(それは本来の意味からするとおかしな話ですけど)

BLS横浜は、日本医療教授システム学会AHA国際トレーニングセンターの活動拠点であると同時に、米国のナショナルトレーニングセンター American Medical Response(AMR-TC) の活動拠点でもあります。

USトレーニングセンター所轄としては、すでにe-Cardには対応しているのですが、上記のような理由からe-Cardではなく、紙媒体のプロバイダーカードを今も発行しています。

米国では紙のプロバイダーカードの発売がやがては中止されるものと聞いていますが、可能なかぎり、紙媒体のプロバイダーカード発行で対応していくつもりでいます。