福知山市の花火大会会場で起きた爆発事故の報道では、目撃者のコメントとして、「人が燃えていた」というものがありました。
飛び散ったガソリンが体や服に付着して燃えていたものと思いますが、服に引火するという事故は焚き火などのアウトドア・レジャーでも起こりえます。
特に最近の衣類は化学繊維が多いため、一度火が着くとあっという間に燃え広がる恐れもあります。
もし、服や体に炎が引火している人がいたら、どのように救助ができるでしょうか?
AHAハートセイバー・ファーストエイドコースで言われているのは、「地面に倒れて! 転がって、転がって!」と声をかけること。
服に火が着いた人は気が動転して、炎をから逃げようとして走り回る傾向があります。
走ると風を受けますから、炎はかえって大きく燃え広がります。そこで先ほどのような掛け声になるわけです。
転がって地面に燃焼部分を押し付けて火勢を落とします。可能であれば厚手の衣類などをあてがって火を消します。ただ、薄手のナイロンジャケットなどだと逆に引火の可能性もあるので注意。
炎をが落ち着くまで転がってもらうというのが、現実できることかもしれません。
いずれにしても、救助者の安全が第一。ガソリンがあちこちに飛び散った場所であれば、遠くから声をかけること、しかるべき救助要請をすぐに行うことだけでも十分な援助です。
火が消えた後は、通常のやけど処置と違って「冷やす」のではなく、乾いた毛布等や、理想的にはエマージェンシーブランケット(薄いアルミのシート)のような皮膚に張り付かない素材のもので覆い、保温をします。皮膚が破綻すると体温調整が利かなくなって低体温になりやすいのと、全身やけどを負った人が命を落とす主な原因は、感染だからです。
体を覆うまえに、指輪などの装飾具をはずす、というのも大事なポイントです。この後、間違いなく腫れてくるからです。皮膚に張り付いておらず無理なくできるのであれば衣服も取り除くことが勧められています。