親子で学ぶ救命教室-小さな子どもが蘇生法に親しむ意義

今日は幼稚園の先生とのコラボ企画で「親子で学ぶ心肺蘇生法講習」でした。

幼稚園に通うお子さんとその親御さんを対象とした救命講習です。

今後、自身で園や地域や近隣の幼稚園・保育園で救命講習を開催していきたい! とおっしゃっている幼稚園の園長先生との話ので決まった企画講習第一弾。

最初ということで、4−5組の少人数というつもりでいましたが、お父さんを含めて一家4人で来てくれたご家庭や、各ご兄弟の参加も含めて、総勢約15名。

成人マネキン5体、小児マネキン5体を用意してのアットホームな講習会となりました。

幼稚園生の子どもたちにも積極的に参加してもらうため、アニメ仕立てのPUSHプロジェクトのDVD教材を使わせてもらいました。

PUSHプロジェクトのDVD

NPO法人大阪ライフサポート協会が作った救命講習DVDで、一般に頒布されていて、このDVDを使って誰でも救命講習を開催することができます。

大人でも十分学べる内容のハイクォリティな映像教材ですが、やはり子どもにも効果てきめん。

今回はPUSHプロジェクトのDVDをベースに進めつつ、園長先生に倒れてもらって、寝ているだけかの確認(反応の確認)や、呼吸の確認を体験してもらいつつ進めていきました。

PUSHプロジェクトはその名の通り、胸骨圧迫(心臓マッサージ)にフォーカスしたプログラム。

AED操作は含まれますが、人工呼吸は扱いません。

しかし、今回は「親子」が受講対象。基本的には我が子のいざというとき、を想定して受講に来てくださっています。

子どもの蘇生といえば人工呼吸ははずせません。

なので、胸骨圧迫練習まではPUSH講習ビデオを使って、後半は独自に人工呼吸とAEDを段階的に組み入れて、トータル1時間半の講習に仕上げました。

子どもたちのゴールは、心停止の認識とそれを周りの人に伝えること。そしてできるかぎり、胸の真ん中を強く速くPUSHすること。

親御さんたちのゴールは、人工呼吸とAEDを組み合わせて、フルサイズの子どもの蘇生を行うこと。

PUSH講習を入口としたため、まずは、胸骨圧迫だけのCPRとして完成させて、そこに状況が許せば追加して下さいということで人工呼吸、そしてAED。そんな順番で進めました。

救命講習を受けたことがある方もいましたが、子どものマネキンでの蘇生は初めてだったとのこと。また家族にマネキン1体という少人数制で町内会でやった講習よりしっかり練習ができた、といった感想をいただけました。

家族ごとに1体(成人マネキンと小児マネキンのペアなので厳密には2体)なので、人工呼吸はフェイスシールドは使わず、直接口をつけて吹いてもらいました。これも一般の蘇生講習ではなかなかできない体験。(マネキンの顔部分は、きちんと洗剤とスポンジで洗って次亜塩素酸ナトリウムで消毒して、使用の直前でマネキンに取り付けました)

子どもたちはというと、応援を呼ぶところなどは照れがあって上手にできない子もいましたが、胸骨圧迫はほぼ完璧。しっかりと小児マネキンの胸の厚さの1/3を押せている子も多かったです。

そして意外だったのは人工呼吸。

それほど照れる様子もなく、上手に胸が上がる有効な人工呼吸を行えていました。胸骨圧迫とちがって、うまくいったという手応えが目で見てわかるところが興味が引けたのかもしれません。

まずは親御さんにパーツごとに練習していただき、続いてお子さん。そこでは親が子にやり方を教える、という図式を意識してやってみました。

これはなかなか効果的で、照れてやってくれない子どもに対して「ママが倒れたらどうすの? 助けてほしいな」といって誘導してくれたり。

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さて、皆さん、幼稚園児という小さな子どもに心肺蘇生法を知ってもらう意義を、どう考えますか?

消防の普通救命講習I。おそらく日本で最もポピュラーな心肺蘇生法講習ですが、受講できるのは中学生以上としている自治体が多いようです。

総務省消防庁の基準を見てみると、目安としてそのように書かれています。決して中学生未満の子どもが受けられないわけではないことは文面から見て取れますが、現実に運用としては年齢制限がされている場合が少なくありません。

確かに幼稚園くらいの小さな子どもが成人マネキンを使って、「少なくとも5cm」の深さで胸骨圧迫することは難しいかもしれません。

しかし、正しくできないから、やってはいけないのか? やらないほうがいいのか?

そうではないことはみなさんご存知ですよね。

倒れている人がいたら、安全確認して声を掛ける。その救命法が効果的かどうかという質的な問題ではなく、手を差し伸べるという 態度 を育むのは幼い時のほうがいいはずです。

中学生になれば技術的な部分ではいいかもしれませんが、なにより肝心な態度を鍛えるには遅すぎる、もしくは困難を伴うかもしれません。

力や体力的な問題、つまりテクニカル・スキルは年齢とともにアップし、問題は解消されていきます。

そんな成長過程に合わせた段階的な指導と考えると、その年齢ごとのゴール点は違ってくるはず。

今日、参加してくれた子どもたちが、学校に入学して保健体育などで心肺蘇生法を改めて教わるとき、きっと初めての子たちとは違う思いで望んでくれて、いざというときの行動にいい方向に影響してくれたらいいなと思っています。

2018年8月21日(火)
親子で学ぶ救命教室 at 横浜桜木町

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