人工呼吸用バッグマスク(BVM)サイズの選び方 〜保育園編〜

コロナ禍に厚生労働省から出された指針でもはっきりしているように、心停止からの子どもの救命には人工呼吸が欠かせません。

感染症蔓延下でも感染リスクを抑えて安全に人工呼吸を行おうとしたらバッグバルブマスク(BVM)しかないのが現状。

小児蘇生における人工呼吸の必要性を理解した保育園では、バッグバルブマスクを配備しようというところが増えてきました。

そこでよく聞かれるのが、

・バッグバルブマスクはどこで買えますか?
・何を選んだらいですか?

という質問。

今回は特に判断がむずかしい「サイズ」について解説します。

サイズはバッグとマスクの両面から考える

バッグバルブマスクの大きさ/サイズを考えるときに、バッグとマスク、それぞれにサイズがあることに注意が必要です。

  • バッグ・・成人用/小児用/乳児用
  • マスク・・新生児用/乳児用(小)/乳児用(大)/小児用(小)/小児用(大)/成人用(大)/成人用(大)

マスクに関しては製造メーカーにより区分表示は異なりますが、通常は新生児用の小さいサイズから、No.0、No.1…と数字が大きくなるに従ってサイズも大きくなります。

数字で言えば、

新生児用 No.0
乳児用 No.1-2
小児用 No.3-4
成人用 No.5-6

というのがおおよその目安です。

保育園の小児BLSに必要なサイズ

保育園では0歳から6歳までの幅があります。

まずバッグのサイズでいえば、乳児用と小児用の2つを用意するのが理想ですが、現実的な使用頻度と大は小を兼ねるということで、小児用サイズがひとつあればいいかと思います。

マスクに関しては、目にかかってはいけないということから、赤ちゃん用とある程度大きな子用にふたつは必要です。

上記の乳児用と小児用の2つのマスクは揃えておく必要があります。(バッグ側の経は規格で統一されていますので、マスク側は各種サイズ、交換可能です。)

購入の組み合わせとしては

バッグバルブマスクは、購入時点でバッグとマスクが最初からセットで販売されています。

そこでレールダル社の販売形態で言えば、小児用バッグバルブマスクにNo.3(小児用)マスクがセットされたものを購入して、乳児用マスク(No.1)を単品で別途購入するという形になります。

もちろん逆でもいいのですが、1個単位で購入できるネット通販では上記のパターンになりそうです。

保育園で必要な人工呼吸用バッグバルブマスクの組み合わせ

保育園での小児救命処置に必要な人工呼吸用バッグバルブマスクと乳児(赤ちゃん)用マスク    小児(1歳〜思春期)用の人工呼吸マスク

バッグバルブマスクをどこで買うか?

日本国内で購入できる小児用バッグバルブマスクと言うと、製造メーカーで言えば、

・レールダル
・AMBU(アンブ:通称アンビュー)

の2社がメジャーです。

どちらであってもサイズの考え方は上記を参考にしていただけるかと思います。

メーカーに直接問い合わせて購入(たいていは代理店を紹介されます)してもいいですし、アマゾンや楽天でも購入できます。

参考まで、楽天通販での販売価格をご紹介すると、

バッグバルブマスク(小児用 No.3 マスク付き)
ザ・バッグ(小児用#3) 84512105 1組 レールダルメディカルジャパン 24-7386-04
3,156円(送料別)

乳児用 No.1 マスク(マスクのみ)
ザ・バッグマスク乳幼児#1ポート付 84515505 1個 レールダルメディカルジャパン 24-7386-14
526円(送料別)

となっています。

ポケットマスクと値段は大差ありませんし、練習/トレーニング時の交差感染の対策やリスクが不要という点でバッグバルブマスクの方が現実的かもしれません。

 

以上、保育園でバッグバルブマスク導入を検討されている方は参考にしてみてください。

なお、ポケットマスクでもバッグバルブマスクでも、購入・配備するだけでは不十分です。

マネキンを使って練習をし、特に「空気を入れすぎない」という点に留意した入念なトレーニングが必要です。

ポケットマスクやフェイスシールド法と違って、バッグマスク換気は感染を気にせず、全職員での練習が可能なわけですから、半年に1回、せめて1年に1回の練習を強く推奨します。

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