今日は、この3月に開園予定のプリスクール(英語保育園)からの依頼で、アメリカ心臓協会公認のハートセイバーAED Heartsaver AED コースを出張開催してきました。
アメリカでは、保育園のスタッフや学校の先生は心肺蘇生に関する講習を受講する義務があり、2年おきに再受講して資格(certificate)を維持しなければいけません。
アメリカ人の先生を含めてすでに資格をお持ちの方もいらっしゃって、今回、3名がハートセイバーAED講習を受講されたことで、園のすべてのスタッフがいざというときに素早く対応できる体制が整いました。すばらしいことだと思います。親御さんたちも安心して子どもを預けることができることでしょう。
日本の保育園や幼稚園の設置基準では、こうしたCPR習得義務はまだありませんが、大切なお子さんを預かる立場として、いざというときになにもできないというのは本当は問題です。遠くない将来、日本でも保育園や幼稚園、学校の先生は心肺蘇生講習を受けることが義務づけられるのではないでしょうか。
今回受講された皆さんは、英語教育や海外での保育経験がある方たちで、以前から保育現場での応急処置の必要性を感じられていたそうです。質問も多く、とての熱心に練習を行ってらっしゃいました。
日本国内でもいろいろな心肺蘇生法講習プログラムがありますが、なかでも職業上の責務としての心肺蘇生法を教える講習は実はあまりありません。
世知辛い話になってしまいますが、いざというときには的確に行動できるようになる必要があるわけですから、無料で行われている体験的な心肺蘇生法受講ではあまり意味がありませんし、不幸にしていざ訴訟となったときになんの資格も持っていないと注意義務違反を問われる可能性もあります。
アメリカでは、善意で行う一般市民向け心肺蘇生法の講習と、保育士さんや学校の先生が受ける法定講習はきっちりと区別されています。
今回保育園の先生方に受けていただいたハートセイバーAEDコースは、American Heart Association(AHA:アメリカ心臓協会)という世界で最も権威のある蘇生技術教育普及団体の資格が取得できるコースで、アメリカの法定資格です。もちろんその資格はアメリカ国内でも有効ですから、英語教育を行うプリスクールにはまさにぴったりのコースだったと思います。
練習用のマネキンを一人に1体用意して、約4時間、みっちりと練習してもらいました。交代時間がなく4時間ですから、相当な練習量です。終わる頃には体が勝手に動くくらいに技術を身につけていただきました。(もしかしたら、次の日、筋肉痛になるかも、、、)
開園後もきっとスタッフの皆さん、自信をもって日々仕事に取り組まれていると思います。
今後、このような意識の高い施設が日本国内でも増えていくことを願っています。