ガイドライン2010、新しい心肺蘇生の拡がり

昨年10月に発表された蘇生法国際コンセンサス2010と各ガイドライン2010。
 
今頃、いろいろな心肺蘇生法普及団体が教育プログラムを策定しているところと思います。
 
早いところでは、新生児蘇生に関しては早くも受講者用マニュアル が完成した模様ですね。
 
BLS-AED.net横浜が提携している American Heart Association(AHA:アメリカ心臓協会)の公式なG2010教材が出るのは3月~4月(日本語版は5月~6月)予定ですが、世界の蘇生をリードする学会だけあって、去年12月から「ガイドライン2010暫定コース」をいち早く展開しています。
 
私共も日本で一番、二番を争うくらいのタイミングで、ガイドライン2010準拠コースに完全移行しました。
 
この後、メディックファーストエイドや、総務省消防庁、日本赤十字社など、G2010対応コースに切り替わり、2011年はガイドライン2010の新しい蘇生法があちこちで花開く画期的な年になりそうです。
 
 
さて、AHAガイドライン2010の心肺蘇生法(CPR/BLS)の大きな変更点ですが、下記のような点があります。
 

 ●胸骨圧迫の深さ: 4~5cm程度 → 5cm以上
 ●胸骨圧迫のテンポ: 100回/分程度 → 100回/分以上
 ●呼吸確認の「見て聞いて感じて」の廃止
 ●気道確保(A)―人工呼吸(B)―胸骨圧迫(C) → 胸骨圧迫(C)―気道確保(A)―人工呼吸(B)

 
 
胸骨圧迫の重要性がこれまで以上に強調されてています。
 
胸骨圧迫の強さは「胸が5センチ以上沈むように」と改められました。
 
これまで以上に強く押すように言われています。
 
また、呼吸確認の時は、頭を後ろに下げてあご先を持ちあげる気道確保(頭部後屈あご先挙上)をする必要はなく、胸を中止して呼吸をしている動きがあるかどうかを見るだけでよくなりました。
 
CPR(心肺蘇生法)の手順も、気道確保+人工呼吸からではなく、呼吸がないか正常でなければ、胸骨圧迫心臓マッサージからはじめるように改められ、全体としては蘇生法がやりやすくなっているはずです。
 



意識がない人を見つけたら、まず119番。
 
胸の動きを見て、明らかに正常な呼吸をしていると確信が持てるとき以外は、まずは胸骨圧迫心臓マッサージ開始。
 
30回の胸骨圧迫の後、もしできるのであれば人工呼吸を2回行い、AEDが届くか、救急隊がくるまでそれを続ける。



 
 
細かい”お作法”は、いま各団体毎に頭を絞っているところですが、大枠ではこんな感じに仕上がるはずです。
 
春先以降にはガイドライン2010対応と銘打った講習会があちこちで開かれるようになっているはずなので、これまで蘇生法を学んだ人はもちろん、初めての人もぜひ、講習会に参加するようお勧めします。
 
 
BLS-AED.net横浜では、1月10日に横浜駅近くでガイドライン2010心肺蘇生法ワンコイン講習会を企画しています。開催日が迫っていますが、受講申し込み、まだ受付中です。

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