実践に向けて-心肺蘇生法講習進行の工夫

BLS横浜オリジナル講習「傷病者対応コースforバイスタンダーズ」の最初の1時間はCPR練習です。
 
AHA(アメリカ心臓協会)のファミリー&フレンズCPRコースDVDを使っていますが、BLS横浜ならでは工夫をたくさん盛り込んでいます。
 
例えば、この写真は、DVDを使った「見ながら練習」(PWW: Practice while watching)が終わった後の応用練習の様子です。
 

ファミリー&フレンズCPR応用練習の様子

 
第一救助者、AEDを持って到着し操作する人、そしてチェックリストを見ながら二人の行動を観察し、終了後に振り返りを行う人。3人一組で役割を交代しながら練習します。
 
 
チェックをする人は、チェックリストを見ながら、CPRの大事なポイントを意識し、人の手技を見ていきます。こうすることで、客観的に指導的な視点で蘇生行動を見ることができるようになります。
 
自分がやるときには夢中になってしまい、余裕がありませんが、このようなオブザーバー役割を与えることで、人の行動から学んでもらおうという意図です。
 
 
このようにチェックリストを作り、観察を行なう第三者を立てることで、振り返り(デブリーフィング)を自分たちで進めていけるので、インストラクターに依存する学びとは別の次元での学習効果が期待できます。
 
少ない人数のインストラクターで大人数を教えなければいけないときにも応用できるテクニックです。
 
 
 
参考まで、この練習は実践へ向けての応用を意識しているので、次のような課題を出しています。
 
1回目:AEDを持ってくる人は自分でAED操作ができて、胸骨圧迫もできる
2回目:AEDを持ってくる人はAED操作法を知らない、胸骨圧迫はできるが下手
3回目:AEDを持ってくる人はAED操作を知らない、胸骨圧迫も練習したことない
 
このような課題で、第二救助者に自由な発想で演技をしてもらいます。おどおどしていてなかなか手が出せないとか、圧迫が遅く、浅いとか。
 
第一救助者はその様子を見て、胸骨圧迫を行いながら声をかけ、なんとか協力を得つつ、できる限りで有効な二人法CPRに持っていく。
 
 
この応用練習について、Facebookで次のような感想を頂きました。
 
「この場面すごく充実した時間でした。CPRとAEDをつかった講義は単純になりやすいけれども、指導者の講義の運びかたですごく興味深いものになることを実感しました。
 
グループで振り返りをすることで、自分の行動が違った角度からも評価されたりして…嬉しかった!これからも魅力的な講習を楽しみにしています。私も職場でCPRとAEDの講習から始めてみます。」

 
 
すっかりと形骸化した雰囲気もある心肺蘇生法講習ですが、工夫次第では魅力的で実践的なものになり得ます。
 
ポイントはインストラクターが教えすぎないこと!
 
こういったノン・テクニカルな部分は正解、不正解はありません。受講者が問題にぶつかり、自分で考えて行動すること、フラットな立場での他の受講生からの意見を聞いてさらに自分で考え、試してみることに意義があります。
 
この場面で、インストラクターが「こうしましょう」と、”正解”を示すのは、学習様式としてあまり適切ではないと考えます。
 
以上、参考になりましたら。
 
 

 
 


 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする