AHA-PEARSプロバイダーコースの目指すところ

心肺停止に陥った子どもが助かる可能性はどれくらいだと思いますか?
 

小児急変対応AHA-PEARSプロバイダーマニュアル(ペアーズ)

 
PEARS Provider Manualの冒頭、1ページでは、このように書かれています。
 
According to the 2010 AHA Guidelines for CPR and ECC, only 4% to 13% of children who have a cardiac arrest in the out-of-hospital setting survive to hospital discharge.
 
病院外で発生した心停止患児が退院できたのは、たった4%~13%。
 
そこで、このように結論づけられています。
 
Once a child is in cardiac arrest, even with optimal resuscitation efforts, outcome is generally poor.(いちど心停止に陥った子どもに、適切な最善の蘇生処置が行われても、結果は一般的に芳しくない)
 
幸いなことに子どもの心停止は、大人と違って突然発症することは少ないといわれています。
 
The earlier you identify severe respiratory distress or shock and start appropriate interventions, the better the chance a seriously ill or injured child has for a good outcome.
 
ゆえに、心停止の手前の段階である「呼吸障害」や「ショック」を早期に見分けて、適切な介入をすることこそが良い結果を生みます。
 
この生命危機徴候、すなわち「呼吸障害」「ショック」に着目したのが、AHAのナース向け小児急変対応講習 PEARSプロバイダーコースです。
 
BLSやACLSは、あくまでも心停止対応コースです。心臓が止まったらどうしよう? というのが基本発想。
 
しかし心肺蘇生法やAEDが奏功しづらい子どもには、心停止の予防が必要。
 
それは救命の連鎖でもよく知られたところです。
 
「予防」の中身は、救命の連鎖のイラスト(チャイルドシート)に描かれるような事故防止だけではなく、「呼吸障害」「ショック」に早期に介入する、「心停止の予防」であり、まさにそこを突いたのがPEARSなのです。
 
 

 
 


 

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