BLSの質を測るフィードバック装置の活用法

成人BLS/ACLS講習用に「フィードバック装置」を導入しました。

マネキンに対してCPRをすると、その深さや戻り(リコイル)、人工呼吸の胸郭挙上の有無と、胸骨圧迫の中断時間を計測し、画面表示してくれるという装置です。

外付けキットで旧タイプのリトルアンにも対応

もともと所有していたレールダル社の旧タイプのリトルアンに、オプションとして QCPR Upgrade kit を取り付けることで実現できました。

マネキンの肋骨部分と顎のパーツを交換するだけの簡単作業で、最新のQCPR対応マネキンに早変わり。

写真のように視覚的にCPRの質を確認しながらの練習ができるようになります。

仕組みとすると、おそらくBluetooth接続なのでしょうか? マネキンから無線で信号を飛ばし、Android や iPad / iPhone のアプリ で表示できます。冒頭の写真はiPadの画面をスクリーン投影している様子です。

AHA-BLS/ACLS講習では2019年2月以降、フィードバック装置の使用が義務化


アメリカ心臓協会のBLSプロバイダーコースでは、ビデオを見ながらのPWW手法で練習しますので、あまりこれを使う場面はないのですが、実技試験前の自由練習の場面では、スクリーン表示して、受講者が自分で技術を確認できるようにしています。

10分間のチーム蘇生の場面でも提示したことがありましたが、CPRの質の評価をする人が、眼の前の手技ではなく、画面ばかり見るようになるので、あまり臨床的ではないかなと思い、今は画面表示はせず、インストラクターの確認用だけに留めています。

2018年2月以降のアメリカ心臓協会AHA講習では、成人のBLSについては全例においてこうしたフィードバック装置の導入が求められています。

正直なところ、こうした器具に頼りすぎる傾向を作り出すことには抵抗があります。

臨床現場でもフィードバック装置を使用している環境であればいいのですが、今の日本の現状はそうではないので、あくまでも自分の運動感覚として強さや速さをコントロールするように訓練していきたいという思いがあります。

そこで、講習の最初から最後まで、このフィードバック装置を受講者に表示するのではなく、講習の中盤あたりで中間評価的に試してもらうという程度にしています。

インストラクターの皆さんはどのように活用されているでしょうか?

医療施設内の自主練習用には最適


このフィードバック装置ですが、インストラクターがいない環境下での自主練習としてはその存在と効果は絶大だと思います。

例えば病院に1台、フィードバック装置付きのBLSマネキンを用意しておけば、職員は気が向いたときに気軽にCPR自己練習ができます。

ただマネキンをおいてあるだけだと、ちゃんとできているのかどうかわからないという点で手応えがないのが問題でした。しかし、こういったフィードバック装置が、指導してくれる人がいなくても、意味のあるトレーニングになり得ます。(これを発展させたのが米国やドバイの病院で普及しつつある RQI(Resuscitation Quality Improvement Program)システム ですね。)

ということで、この装置の病院施設での導入は諸手を挙げておすすめです。常にどこかにマネキンを置いといて、職員が気軽に立ち寄って、数分間でも練習できる環境を整えることは意味があると思います。

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