ACLSプロバイダーコースでいう「高度な気道確保器具」には、気管チューブと声門上気道デバイスがあります。
声門上気道デバイスの代表はラリンジアル・マスクですが、G2005ではどちらも「高度な気道確保」として同一に扱われていました。
つまり、ラリンジアル・マスクが挿入された場合でも、換気のために手を止めない「非同期」のCPRとなっていました。
しかし、ラリンジアル・マスクは気管内に挿入されるものではなく、あくまでも声門上を覆うようにして配置される器具です。
気道と食道の分離が保証されるものではないため、本当に非同期でCPRをしてよいのかという点が、ガイドライン2005時代のACLSでも、しばしば議論となっていました。
この点は、AHAのガイドライン2010でも扱いは変わっていませんが、国際コンセンサスCoSTR 2010では、声門上デバイスを使用した場合の非同期CPRの有用性は明らかでないと明記されるようになりました。
そして、日本版JRCガイドライン2010では、気管チューブと声門上気道デバイスを区別し、気管チューブ使用時は非同期CPRが推奨されていますが、声門上起動デバイスの場合は条件付きとなっています。
この点、米国のと日本の蘇生ガイドラインでは差異が生じていますので、注意が必要です。