喉にモノが詰まったときの対応【気道異物による窒息の解除法】

喉にモノが詰まったときの解除法の基本は、咳をするように促すこと。

自分で咳ができない完全閉塞なら、下の方を向かせて背中を強く叩いてあげましょう。

ダメだったら、詰まった人の後ろに回って、両手で拳を作ってヘソの少し上あたりを強く圧迫する腹部突き上げ法を。ハイムリック法とも言います。

異物が取れず意識を失ったら

背中を叩いても、お腹を圧迫しても詰まったものが取れなくて、意識を失ってしまったら、次にやるのは「胸部突き上げ法」です。

床に寝かせて、胸骨圧迫(心臓マッサージ)とまったく同じことをやります。肺を勢いよく圧縮することで、空気を押し出して詰まったものを飛ばそうとする解除法です。

反応(意識)がなくなってからの窒息解除法は「CPRをしましょう」と表現されることもありますが、いわゆる心臓マッサージとは目的がまったく異なります。血流を生み出す、のではなく、あくまでも異物除去が目的。

ですから、「大丈夫ですか?」から始める必要はありません。いきなり胸骨圧迫をはじめてください。(もちろん他に人がいれば通報の依頼を!)

異物の目視確認と人工呼吸で隙間探し

可能だったら人工呼吸も試みますが、吹込みをする前には口の中を見て確認するようにしてください。詰まったものが空気の圧力で押しあがってきて見る場合があるからです。見えて取れそうなら取り除きます。

異物が取れなかった場合でも人工呼吸を試みてください。これは「隙間」探しです。

少しでも隙間ができて空気が入れば、このあと起きるであろう心停止までの時間を伸ばすことが期待できます。

脈を確認してはいけない! まだ生きているから

ヘルスケアプロバイダーレベルでBLSを学んでいる人は、反応がない窒息者への救助では、決して脈拍を取らないように!、というのが注意点。

BLSのアルゴリズムに従って行動した場合、「反応なし+呼吸なし+脈あり」となりますので、《補助呼吸》に行き着いてしまうからです。窒息解除に必要なのは、CPRの中でも人工呼吸ではなく、胸骨圧迫(胸部突き上げ法)です。

窒息解除における胸骨圧迫は、血流を生み出すのではなく、詰まった異物を押し出すのが目的だという点を理解しておいてください。

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