雨の中の野外救急法トレーニング

この前の日曜日、横浜は数日降り続いている雨の真っ只中でしたが、市内の山林でウィルダネス・ファーストエイド講習を実施しました。

雨の中、レインウェアを身に着けて、雨に打たれながらのレクチャー&即時の実践体験&シミュレーション。

蚊に刺されながら、泥だらけになりながらの1日講習でした。

BLS横浜では、ファーストエイド系のレギュラープログラムがいくつかありますが、その最終型とも言えるのが、このウィルダネス・ファーストエイドです。

BLSやACLSと違って、明確な答えがないのがファーストエイドの世界。

だからこそ、シミュレーションによって、観察、評価、判断、実践をしてもらい、「振り返り」を行う中で、「考え方」を固めていきます。

ファーストエイド訓練は、救急対応の「答え」を学ぶのではなく、「考え方」を学ぶの目的です。

だからこそ、机上のディスカッションだけではなく、体験をしてもらう必要があるのです。

通常の講習会場の中で行うシミュレーションでも、座学だけに比べると相当な気づきや学びがあるのですが、しかしそこはやっぱり講習会場。スライドで風景写真を流したりと工夫をしていますが、安全確認や搬送の必要性判断などの環境要因の現実性がどうしても乏しくなってしまうという限界があります。

その点、この部分で強烈に効くのが、実際の屋外フィールドで開催するファーストエイド・シミュレーショントレーニングです。

今回は肌寒い時期の雨の中でしたので、応援を待つ間、傷病者の安静を保つにはどうするかという課題が突きつけられました。

寒さと雨を凌ぐにはどうするか? 本来なら動かさないほうがいい傷病者ですが、救助がくるまでの時間と、日没までの時間を考えた場合、少しでも安全などこかに移動させるのか、それともその場で夜明かしする準備を始めるのか、など切迫して考えなければならない状況になります。

ウィルダネス・ファーストエイドでは、脈拍数、呼吸数、意識レベルといったバイタルサインの評価も含めていますが、雨に濡れた寒い環境の中、傷病者は健常者の演技にも関わらず、毛細血管再充満時間は3~4秒に伸び、本当に唇も青くなったりして、このあたりも今回、雨天の中、決行したからこそのリアルな学びだったと思います。

講習会というイベントを企画する側としては、安全上の問題から中止を決断することもありますが、テーマが野外救急法ですから、危険がない程度の悪天候であれば、むしろ学びの場としては好条件ともいえます。

今回、悪天候ゆえのデメリットといえば、「記録」が取りづらいという点はありました。

野外救急法においては、傷病者の状態と行った処置、そして時刻などの記録が重要となります。この点、雨だと書けないという、リアルな現場でもありうる問題点に直面しました。

また、参照資料を取り出すことができないため、学習者の持っているもともとのファーストエイドの引き出しが重要という点も、ふだんの好条件の講習より際立ったように思います。

やはりウィルダネス・ファーストエイドのシミュレーションに参加するには、ハートセイバー・ファーストエイド コース程度の疾病やケガの基礎知識はほしいところです。

さて、そんなウィルダネス・ファーストエイド講習ですが、今回はNPO法人日本災害救護推進協議会との共催でしたが、次回は春前くらいにBLS横浜主催として開催していきたいと思っています。

興味がある方は、年明けくらい過ぎくらいから BLS横浜講習スケジュール をチェックしてみて下さい。

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