学校教職員のエピペン緊急注射訓練

先日、小学校でアドレナリン自己注射器(エピペン)の取り扱いを巡るニュースをお伝えしましたが、その後、関連情報が入ってきました。

読売新聞の調べによると、エピペンの使用法について教職員に研修を行っていたのは、北海道、埼玉、東京、石川、高知などの12の教育委員会だけだったとか。

エピペンの使用法自体はぜんぜん難しいものではありませんが、それを教えられる人は日本にはあまりいません。

エピペンを処方している医師か、販売元の社員くらいでしょう。

実は、日本にも一万人前後はいると思われるアメリカ心臓協会AHA公認のBLSインストラクターは、その資格上、エピペンの指導ができることになっています。(アメリカ労働安全衛生基準(OSHA)規格のファーストエイドを指導できることが条件になっていますので)

しかし、実際はエピペン練習機にすら触ったことがないというBLSインストラクターが大半なのが現状です。

もし、これで本当に全国のBLSインストラクターがエピペン指導を行えたら、全国の学校教職員への実技指導もスムーズに行くと思うのですが、残念ながらそのような状況にはありません。

非常に残念なこと、と思っています。

今度、アメリカ心臓協会のハートセイバー・ファーストエイドコースとは別に、独自のエピペン講習を開催して行くことも検討していきます。

[追記]

2010年4月25日 エピペン勉強会を横浜で開催します 参加者募集中

急性アレルギー処置、「緊急注射」訓練都道府県12教委だけ…本社調査

兵庫県姫路市内の小学校で、食物アレルギーの男児が給食で急性反応・アナフィラキシーショックを起こした際、学校側が預かっていた緊急用の自己注射薬を打たなかった問題を受け、読売新聞社が全国47都道府県教委に尋ねたところ、教職員が薬の使用法を学ぶ研修を実施しているのは、12教委にとどまっていることがわかった。文部科学省は2008年以降、救命のために教職員が注射をしても医師法違反にはならないとして、各教委に適切な対応を促しているが、現場の準備は十分でない実態が浮き彫りになった。

姫路市の市立小は今年1月、ショックを起こした男児に、保護者から預かっていた症状を和らげる注射をせず、119番。男児は救急車に乗ったところで、駆けつけた母親から注射を受け、2日間の入院で済んだ。学校側は「注射する取り決めを保護者と交わしていなかった」と説明している。

自己注射薬は、太ももに強く押しつけると針が出て薬剤が体内に入る=マイラン製薬提供

調査は3月上旬、都道府県教委の担当者に聞き取りし、文科省が09年7月に「ショック状態の児童生徒が自ら注射を打てない場合は適切な対応を行うこと」とした通知に対する認識や、発作を起こした場合に備えた研修の有無などを尋ねた。

同省通知については、45教委が「教職員は積極的に打つべきだと理解している」などと回答。しかし、実際の打ち方の研修を都道府県単位で行っていたのは、北海道、埼玉、東京、石川、愛媛など12教委で、〈東高西低〉の傾向にあった。

神奈川県教委は09年度に12回、養護教諭や一般の教職員を対象に、針のない訓練用キットを使って太ももなどへの打ち方を学んでもらった。東京都、千葉県の教委も、専門家を講師に、注射を使うかどうかの判断や打ち方の研修をした。

兵庫県教委は、姫路の児童が発症した1月以前に研修をしていなかったが、今月3日、希望する教諭を対象に使い方の研修を行った。

一方、実技研修未実施の教委の多くは、「通知が届いてからの時間が短いから」などと理由を挙げた。

姫路市の学校の対応については、多くの教委の担当者が「薬を預かる段階で、教職員の使用について協議すべきだった」(青森)などと指摘。一方で、「取り決めがないまま先生に打てと言うのは酷」(北海道)との声もあった。

教育評論家の尾木直樹・法政大教授は「文科省のお墨付きがあっても、注射する医療行為は、教師にはハードルが高い。ためらわずに対応できるよう、全教職員が実技などの研修を受けるべきだ」と話している。

アナフィラキシーショック 体に入った異物に過剰に反応するアレルギー症状。ハチ刺されや、牛乳、卵、小麦などの食品、医薬品が原因となる。呼吸困難や血圧低下で意識を失うことがあり、死に至るおそれもある。文科省によると、児童生徒の有病者は約2万人とされる。学校給食が原因の死亡例は近年はない。自己注射薬について、NPO法人・アレルギーを考える母の会(横浜市)は、1万本以上が児童生徒に処方されているとみている。

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