昨日、野球選手が練習中にテレビカメラの前で卒倒し、救命処置が施されたという出来事があったようです。
それに関連して、ホームページを見てくださっていた方から質問メールをいただきましたので、ここで取り上げさせていただこうと思います。
【ご質問内容】
脳卒中が疑われる場合、まず救急車を呼んだとして、待っている間にAEDなどをためすことは逆に後遺症を残す原因になることはないでしょうか?今日巨人のコーチがグランドで倒れましたが結果として脳卒中だったようですが、グランド上でAEDをしていましたのでふと疑問に思いました。脳卒中のときは「気道を確保して安静にして救急車を待つ」ほうがいいと聞いたことがあるのですが。
救命講習を受講した経験がある方は思い出していただきたいのですが、急に人が倒れたり、倒れている人を発見した場合の対応は次の通りです。
1.反応(意識)の確認 → 反応がなければ119番通報とAED手配
2.呼吸の確認(10秒以内) → いつも通りの呼吸が確認できなければ人工呼吸2回と胸骨圧迫30回を繰り返す
3.AEDが到着したら装着して、音声指示に従う
ですから、確認するのは反応と呼吸だけでいいんです。それ以外の要素はまったく関係ありません。
心停止の原因が脳卒中だろうとなんだろうと、取るべき行動は同じです。
仮にくも膜下出血を起こしていたとしても、呼吸をしていなければ、脳出血の問題以前に助かる可能性がゼロになってしまいますので、心肺蘇生法が優先。
難しいことは考える必要はないのです。
それにそもそも現場で原因がわかることはまずありません。
脳出血だって意識不明になってしまえば病院に行ってCT取らなければわかりませんから。
ですから、脳卒中が、、、とかいうのは結果論でしかないわけです。
反応がなければ119番とAED、呼吸がなければCPR開始と器械的に覚えてしまうのが正解です。