すでに フジテレビ取材に関して速報 ではお知らせしましたが、あらためまして先週の日曜日に横浜で公募開催した家庭向け心肺蘇生法とファーストエイド(救急法)講習のご報告です。
今回、開催したのはアメリカ心臓協会(AHA)公認の下記の二つの講習プログラムです。
・ファミリー&フレンズCPR [ Family & Friends CPR ]
・ファミリー&フレンズ・小児ファーストエイド [ Family & Friends First Aid for Children ]
いちおう別々の講習でしたが、申込みをされた方はみな午前・午後一緒に参加されました。
◆ファミリー&フレンズCPR
ファミリー&フレンズCPRは、家庭向け心肺蘇生法講習です。
AHAの公式コースですから、他のコース同様、DVD教材を見ながら技術を身につけていくスタイルで行われます。
内容的にはハートセイバーCPRコース(日本では開催されていませんが、、、)とほぼ同じです。成人・小児・乳児がもれなくカバーされています。
違いを挙げると、練習量が少し少なめなのと、フェイスマスク(ポケットマスク)を使った人工呼吸法を扱わないことくらいです。また、米国法定基準に則ったライセンスは発行されません。
DVDの構成もほぼ同じで、教育工学に根ざしたAHAクォリティはそのままですので、資格はいらないけど、とにかく技術を身につけたいという方には、とてもお得感のあるプログラムと言っていいかもしれません。
今回のコースの司会進行は、日頃ライフセイバーとして活躍されているBLSインストラクターが担当しました。
「周囲は安全です」
蘇生をはじめる前になにより重要なこの一言。
お約束のように唱えるだけで終わってしまいがちですが、AHAの市民向けコースでは、様々な緊急事態の場面が映像で出てきます。
その場にいることを想定して、「本当に周囲は安全か」をみんなで考え、それから練習をします。
ライフセービングから経験豊富なインストラクターの司会進行で、一歩踏みとどまる大切さがよく伝わったのではないでしょうか。
当日、受講してくださった方がブログで本コースのことを取り上げてくださいました。ありがとうございます!
◆ファミリー&フレンズ・小児ファーストエイド
体育の授業とも思えるような体を動かす午前中の心肺蘇生法(CPR)とは打って変わって午後からの小児ファーストエイド講習。子どものケガや急病に対処する方法を勉強します。
こちらは、登山やアウトドアでの経験が豊富で、救急法が得意なBLSインストラクターが担当しました。
子どものファーストエイドですから、大人のそれとは若干異なります。
特に重要なのが予防。
小児の死亡原因の第一は、実は不慮の事故です。
日頃から危険を予知し、安全対策をしっかりたてることで、子どものケガの多くの部分は防ぐことができるのです。
そうした予防のポイントをAHAのDVD教材や、最近の新聞報道の実例などを通して、受講者・インストラクターが一緒になってディスカッション。理解を深めていきました。DVDに出てくるシチュエーションはアメリカが舞台になっていますが、日本で普通に手に入る安全対策グッズの紹介なども絡め、小さなお子さんを持つお母さんたちには具体的なアドバイスになったようです。
本来、AHAのファミリー&フレンズ・ファーストエイドforチルドレンは、DVDを流しっぱなしにして、映像を見てもらうだけで終わるのですが、私たちの講習では、随所に実技をちりばめています。
対応義務のある市民向け講習のハートセイバー・ファーストエイドコースとほぼ同じ内容を盛り込んでいますので、いちおう子どもを対象とした救急法とはなっていますが、ファーストエイドの基本を学びたいすべての人に、お勧めできます。
最近、大人向けのAED講習はあちこちで行われるようになってきていますが、子どもの救急法は、需要は高いにもかかわらず、それを提供する場所がきわめて限られるのが現状。
そんな日本の子ども救急法教育の現状への打開策として、ファミリー&フレンズ・ファーストエイドforチルドレンは大いに期待できそうです。
AHA-BLSインストラクターとして、この小児救急法プログラムの開催に興味がある方がいたら、ぜひ今後、見学や受講に来て欲しいと思っています。
受講者の方の感想ブログも是非ご覧ください。