ナース向け小児急変対応コースAHA-PEARS終了

アメリカ心臓協会AHAの小児急変対応コース PEARS Provider(ペアーズ・プロバイダー)コースが無事終了しました。
 
 
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この日本には公式には導入されていないAHAの最新プログラムを日本で開催しているのは、アメリカで資格を取ってきたインストラクターだけ。
 
日本ではほんの数人にしか開催許可が下りていないきわめて特殊なプログラムです。
 
今回も遠くから新幹線に乗って受講に来てくださった方が何名もいらっしゃいました。
 
アメリカに行かなくても、アメリカ国内と同じ資格が取れるとあって、毎回、日本全国から先見の明を持った方たちが駆けつけてくださいます。
 
 
さて、今回のPEARSプロバイダーコースは、受講者は全員ナースでした。
 
中でも、すでにPALSプロバイダーコースを受けた方や、これからPALSを受けようという方が多く、コース進行の随所でPALSとPEARSはどう違うのか、という話題が多かったように感じました。
 
 
PALSとPEARSの違い。
 
実はこれはとても難しいテーマです。
 
PEARSは日本ではまだ数えるほどしか開催されていませんので、このテーマで語れる人は日本にはほとんどいません。
 
幸い、今回はPEARSに造詣の深いインストラクターが多く集まり、結果的に「PALSの一部」ではないPEARSならではのコース展開となり、その答えの一端がみえてきたように感じました。
 
 
PEARSの位置づけを考えるときに欠かせないのが救命の連鎖。
 
これはAHAが提唱し、世界中の救急蘇生の基礎となっている考え方ですが、小児の場合は、
 
1.予防
2.CPR
3.通報
4.高度な医療処置
 
となります。
 
成人と違って、最初の輪が通報ではなく「予防」であることがポイントです。
 
PALSはこの4つの輪の全体像を俯瞰したコースですが、なんと言っても焦点は「高度な医療処置」にフォーカスされています。
 
PALS は Pediatric Advanced Life Support の略というくらいですから、小児のALS(二次救命処置)コースであることは疑問の余地はありません。
 
それに対してPEARSは、最初の輪である「予防」に重きを置いたコース。心停止になってしまう前に食い止める介入方法と、評価・判断方法を学びます。最低限の安定化を図って、あとは専門医へ引き継ぐ。
 
まさにナースの職務内容とぴったり一致します。
 
いつも患者さんや患児のそばにいるのはナースです。子供の様子がおかしいとき、それが介入が必要なものなのか、そうでないのかの判断するのは難しいことです。
 
なぜなら、どういう優先順位で何を観察して、どう判断していけばいいか、それを看護師として教わり、トレーニングするメソッドが日本には無かったからです。
 
もし何らかの介入が必要な場合、ただ医師に連絡するだけではなく、その場で判断し、行える事があります。
 
それは決して高度な医療処置ではなく、本当にちょっとしたこと。
 
そんな現場にいるナースにできる間をつなぐ処置までを学ぶのがPEARS。
 
残念ながらPALSでは、治療にフォーカスが当たっていますので、評価観察・判断についても含まれていますが、トレーニングとしては力点が置かれていません。
 
 
こんなあたりを受講いただいたナースの皆さんはよく理解いただけたのではないでしょうか?
 
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当日、リードインストラクターを担当したPEARSインストラクターのブログも是非ご覧ください。
 
PEARS/ペアーズ~評価・アセスメント~「PEARSは予防」
 
AMR-PEARSコース‥Nsインストメモ・・~「2010年9月 横浜2回目:ペアーズ コース開催」
 
 
 
 


 

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