心肺蘇生ガイドライン2010 リアルタイムで世界に同期

いよいよ週明けには、新しい心肺蘇生法ガイドライン2010の発表ですね。
 
 
ガイドライン2010が出てしまったら、新しい内容についていくのに精一杯になってしまいますので、今のうちに心肺蘇生国際ガイドラインの予備知識についてまとめておこうと思います。
 
ガイドラインの大元になる蘇生の国際コンセンサス(CoSTR)は、ILCORと略される国際蘇生連絡協議会という国際会議で作られます。
 
その国際会議の主力メンバーが、アメリカ心臓協会AHAだったり、ヨーロッパ蘇生協議会ERC、そして今回から正式に加盟するようになったアジア蘇生協議会です。
 
アジア蘇生協議会に関してですが、細かい事情の説明は割愛しますが、実質的には=日本蘇生協議会JRCと思ってください。
 
前回のガイドライン2005の時は、アジア蘇生協議会(日本蘇生協議会)はまだ正式にILCOR会議に参加していませんでした。
 
ですから、CoSTRの情報解禁までは、新しい心肺蘇生法(BLS/ACLS/PALS/NRP)の内容を日本は知りませんでした。
 
一方、ILCORメンバーだったAHAやERCは発表前からCoSTRの内容を知っていましたので、CoSTR 2005の情報解禁と同時に、AHAガイドライン2005、ERCガイドライン2005を発表し、センセーショナルな新しい心肺蘇生法の世界に突入していったわけです。
 
このとき、日本は完全に出遅れました。
 
CoSTRという原本を元に、アメリカとヨーロッパがそれぞれ自国の事情を加味して作成したガイドラインからいいとこ取りして日本版ガイドラインを発表したのは半年後のこと。そこから日本国内組織(消防/日本赤十字社など)が教育プログラムの変更をしていきましたので、ガイドライン2005が日本国内で広まったのは、実に1年以上たってからになってしまいました。
 
 
しかし、今回のガイドライン2010では違います!
 
日本もアジア蘇生協議会という名目のもと、ILCOR会議に参加していますので、日本の関係者はすでにCoSTR 2010の内容を掌握しています。
 
そのため、今回はCoSTR 2010の情報解禁とほぼ同時に日本語版ガイドラインのドラフト(下書き)が発表されることになっています。
 
厳密にいうと、CoSTRに遅れること1日、2010年10月19日 正午の予定です。
 
おそらくAHAとERCは、CoSTR解禁と同じ2010年10月18日 14:30(日本時間)には発表されると思いますので、それからするとちょっと遅い気もしますが、今回はほぼリアルタイムに日本語でガイドライン2010の内容を読めるのは嬉しい限りです。
 
英語に慣れた人以外は、CoSTR原本(英語)や、AHA/ERCガイドラインを英語で読むよりは1日遅れでも日本語版で読んだ方が結果的には早いかもしれません。
 
 
今までは最新情報はどうしても英語に頼らざるを得ませんでしたが、今回はリアルタイム。
 
このことはもしかすると、日本国内で実施される蘇生法に関して、大きな転換点になるかもしれません。
 
それについては明日、書きたいと思います。
 
 
 

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