この週末は、中学校で心肺蘇生法講習を行ってきました。
3年越しで担当させていただいているのですが、今回は新しくなったガイドライン2010バージョンで行いました。
日本版ガイドライン講習としてはまだ日本国内では始動していませんから、中学校の授業の一環としては、全国でも珍しい取り組みとなったはずです。
立ち会っていた先生を含め、大好評のうちに終了することができました。
新しい蘇生ガイドラインでは、呼吸確認法が大きく変わりました。
気道確保 + 「見て聞いて感じて」
ではなく、「胸の動きを見て」確認するだけになりました。
この部分は、生徒さん同士で寝てもらい、正常な呼吸の胸の動きを互いに確認してもらいました。
難しいかなとも思いましたが、皆さん、はっきりと正常呼吸の胸の動きはわかっていただけたようです。
気道確保という難易度の高い手技、また頭と顎に触れるという心的抵抗のある行為がなくなったおかげで、なにかと多感な年頃の生徒さんたちでも、スムーズに取り組んでもらえたと思っています。
大人になるまえに心肺蘇生法というものを知る機会、体験する機会があるというのは大きなことだと思います。
人は大人になると、取り巻く情勢が複雑になり、直感的に感じたとおりに行動できなくなります。
目の前で人が倒れた、という至極単純な事象でさえ、考え込んでしまって駆け寄るという行動ができません。
そこで、小さな時分から、倒れた人をみたら「大丈夫ですか?」と声をかけるものなんだと教わり、シミュレーションで体験していると、大人になってからも潜在的に残るものは違ってくるのではないでしょうか?
誰もが、困っている人を見過ごさない社会を作るために―。
今回は依頼による出張講習でしたが、BLS-AED.net横浜では、「親子で学ぶ心肺蘇生法講習」など、お子さんにCPRに興味を持ってもらう機会を提供してきました。
今後も機会をいただければ、学校や子どもを対象としたAED教室を企画していきたいと思っています。