「BLSから始まるファーストエイド傷病者評価の基礎」勉強会

9月23日に開催した「BLSから始まるファーストエイド傷病者評価の基礎」勉強会の報告です。
 
BLS-AED.net横浜オリジナルの勉強会でしたが、あっという間に受講枠が埋まり、キャンセル待ちも出るほどでした。Twitter経由で広まったようで、不思議と看護学生さんの参加が多い活気ある勉強会になりました。
 
私どもはBLSの普及とともにファーストエイドの重要性も伝えることが使命と考えていますが、その取っ掛かりが難しいと感じています。
 
そこで考えたのが今回の「BLSから始まるファーストエイド」という考え方です。
 
2004年のAED市民解禁以来、BLS、つまり心肺蘇生法に興味関心がある人はとても増えています。
 
その人たちが心肺蘇生法で学んだことを入口にして、発展・延長することで、ファーストエイドにも興味を持ってもらえれば、と考えました。
 
それを示したが、下の概念図です。
 
ファーストエイド・アルゴリズム
 
傷病者に接する入り口はBLSです。
 
「大丈夫ですか?」の反応確認と、呼吸確認。
 
ここまでは心肺蘇生法を知っている人なら、誰もが知っています。
 
心肺蘇生法講習では、心停止を前提としていますから、線形に下に下りていってCPRの実施、となります。しかし途中の2箇所の枝分かれで線形から外れた場合、これがファーストエイドの入り口になるわけです。
 
つまり、「反応あり」「呼吸あり」。
 
ここは心肺蘇生法講習ではあまり教わりませんが、心肺蘇生法を受講した人からすれば、素朴な疑問として知りたいところではないでしょうか?
 
現実問題として、心停止に遭遇するより、意識があったり息をしている人の方が多いはずです。
 
そんなところを入り口として、心停止以外の対応を学ぶ道筋を示す、というのが「BLSから始まるファーストエイド傷病者評価の基礎」勉強会でした。
 
 
 
参加者は12名。
 
要救助者とファーストエイド・プロバイダーのペアに分かれて、救助場面のシミュレーションを行い、そこから既存の知識の確認と、知識と実施の乖離の実感、傷病者アプローチの基礎的な考え方を体感してもらいました。
 
 
「意識がなし」「呼吸あり」の場合は、すでに救急車を呼んでいるはずなので、救急車が車での間、呼吸が停まらないように観察をしながら待てばOK。これが基本です。場合によっては、気道確保や回復体位といった手技がでてきます。さらに待っている間に、どんな視点で観察・アセスメントをしたらいいのか?
 
「意識があり」の場合、自己紹介をして傷病者を安心させる声かけ。「応急手当の心得があるものです。なにかお手伝いできるますか?」これに尽きます。本人が望む手伝いをしつつ、問題が何かを観察・アセスメントしていきます。
 
シミュレーションとは言え、実際に倒れている人を目の前に体を動かし、対応してみると、頭はフル回転に動き、いろいろな気づきがあります。
 
こういう場合、どうしたらいいんだろう? そこをスモール・グループディスカッションで検討。
 
基本は難しいことはありません。街中で救急車が来る限りは、心停止でなければ落ち着いて救急車を待てばOKですが、もしそこでもう一歩踏み込んで状況判断してできることがないかと考えたときに、出てくるのが傷病者評価(アセスメント)。
 
これに関しては、日本のファーストエイドではほとんど触れられない概念なので、北米のAdvanced First Aidの傷病者アセスメントシステムを紹介することで、今後、ファーストエイド・プロバイダーとして自信をもって行動できるための道筋を示しました。
 
詳細は、ぜひ受講していただきたいのですが、簡単にいうと、、、
 
 1.状況評価(安全、傷病者人数、リソース、原因推察)
 2.初期評価(命に関わる問題をざっと評価:呼吸・循環・神経系)
 3.二次評価(ABCDEアプローチで精査)
 
初期評価の段階で命に関わる問題があれば、その処置にあたり、それがクリアされるまでは、先には進まない、といった優先順位の考え方です。
 
このことからすると、高エネルギー外傷の交通事故で足が変な方向に曲がっていようと、リソース(救助者)が一人なら、骨折の処置を行うということはありえません。そんな、何が問題かわからないときや、複数の問題があるときの考え方を学びました。
 
評価の流れは理屈がわかっていても、実際にやってみるとぜんぜん違います。シミュレーションが効果を発揮するところです。
 
具合が悪そうな人にどのように声をかけて、どう励まして、どう情報を取っていくか。
 
これは実際にやってみないとなかなかうまくいきません。
 
またなにもできる処置がなくても、そばに寄り添うことだけでも十分にしてもしかしたら最大のファーストエイドなのかもしれません。
 
今回参加してくれた看護の学生さんたちの、傷病者への接し方を見て、気づかされた部分もたくさんありました。
 
 

 
 


 

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