AHA-PALSプロバイダー【1日】コース

日本で初のAHA-PALS1日コースが終了しました。(実は非公募コースを含めると2回目です)
 
AHA-PALSプロバイダー一日コース風景
 
心停止のみならず、命に関わるあらゆる緊急事態の対応を内包したPALS(Pediatric Advanced Life Support)プロバイダーコースは、内容が盛りだくさん。ACLSならいざ知らず、心停止、不整脈、ショック、呼吸トラブルとして計12のケースシナリオを扱うPALSを1日で終わらすのはインストラクターも受講者さんもたいへんだったと思います。
 
しかし1日にしたことで、人が命を落とすかもしれないという緊急事態の全体像が明確に浮き彫りになったというメリットがありました。また2日に分けてもたいへんはたいへん。だったら1日で、というのは、受講者皆さん、またインストラクター共通の感想。
 
今回は公募コースでした。しかし、受講条件としてAHA-PEARSプロバイダーであること、とさせてもらいました。
 
つまり心停止以外の緊急事態のアセスメントができる方限定ということを条件としました。
 
アルゴリズムに従ってコードを走らせればいい体育会系のACLSしか知らないと、PALSやPEARSといった「思考」を試されるコースになじむまでに時間がかかります。実は通常の2日間のPALSも初日はこのアセスメント思考に慣れるだけで終わったりします。
 
この部分があらかじめクリアされていることで、AHAの合格条件、また受講者満足度をキープしつつ1日で終わらせることができました。
 
トータル的には2日コースを受ける場合より、目標到達度は速く、身につけたスキルもはるかに高いものになったという自負があります。
 
PALSが1日で開催できるとなると、ずいぶんと開催しやすくなります。今後、可能であれば初日PEARS、2日目PALS1日コース という流れで定期開催していければ、というのが目標です。
 
次回の PALS【1日】コースは12月11日(日)、まだ若干名、受講者申し込みを受け付けます。その次はまだ確定していませんが2月11日、12日にPEARS/PALSを検討中です。
 
 
 
アメリカ心臓協会/アメリカ小児科学会のPALSプロバイダーコースは非常に良くできたコースです。心臓のトラブルに限らず内科疾患全般を内包した急変総合コースで、ACLSとはまったく別次元にあります。BLSやACLS部分の解説にしても基礎原理までしっかり説明されており、これを小児分野に限定してしまうのは非常にもったいない感じがします。
 
子どもを対象にしない医療従事者でもPALSテキストから学ぶ点はたくさんあります。印象としてはPALSプロバイダーマニュアルから不整脈の部分を取り出して相当簡略化したのがACLSプロバイダーマニュアル、そんな気すらしてきます。
 
ACLSはあくまでも心原性心停止に特化した急変の一側面を学ぶコース。
 
1万5千円という価格がネックですが、病院の図書室などにあればぜひPALSプロバイダーマニュアルを手にとってみてください。急変の全体像が見えてきます。
 
 
最後に、PALSコースディレクターのTwitterでのつぶやきを紹介させていただきます。
 
 

PALSのリーダーは外傷のリーダーと一緒:心停止にしたら負け。BLSの上にACLSがありその上にPALSがあると単純にイメージしていたけれど、心拍停止シミュレーションリーダー・チームと非心肺停止シミュレーションリーダー・チームのストレスや思考回路は違うはず。故に訓練も違うはず。
 
ACLSのテイクホームメッセージを「質の良いBLSの重要性」と「チームダイナミクス」としてき、PALSのテイクホームメッセージは「心停止にさせないACDAの重要性」と「チームダイナミクス」とした。表現は似るが「心肺停止リーダー」と「非心肺停止リーダー」では求められる像は桁違い。
 
「ACLS を受講しBLS の重要性に気づいた」という感想を受講者から頂いてきたが、「PALS を受講しPEARS の重要性を再認識できた」という感想を受講生から頂けた昨日のPALS 1day は自分の誇りに。入口はお互いのPEARSを評価でき、真のBLSをチームで提供できる事。
 
PALSをある程度全体を通したコース運営させて頂き気づいた事はAMLSの小児版という認識もできなくはないこと。AMLSのパスウェイを利用してPALSのACDAを意識させるとゴールとしての「安定化」を強調できそう。ここにデブリーフィングから来るフィードバックをインストが実施し完成。
 
「ACDA」の「D」はdecide。これをdecision makingと理解。ACLS同様「D」はdifferential diagnosisであって良いが、diagnosisではないとも理解。よってdiagnosisを目的としないdifferentialな予測対応の学習。
 
PALSは小児の話題ではあるが、ACDAモデルの考え方を学びdecision makingの1つの形をトレーニングするシミュレーション学習としては群を抜くと実感。実技試験をテンポよくチームで協力しながらクリアしてしまう域へ到達:なんと1シナリオ7分程度。悔やまれるは皆違う病院。
 
最後に:「PALSのコアメッセージを何にするか?」。おそらくこれがもっとも重要なCDの問いかけ。自分は何度も提供してきたPEARSがあるからこそ揺るぎない根っこを受講生と共有できたかな?「患者安定化」のための「PEARSの重要性」と「PALS的コミュニケーション」。

 
 

 
 
 


 

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