ついに ファミリー&フレンズCPR【日本語版】のDVD が発売になりましたね。
これで誰でも気軽にAHA教材による質の高い心肺蘇生法講習が展開できるようになったわけですが、アメリカ心臓協会がこれまで培ってきた教育メソッドへの理解がないと、ちょっと勘違いしやすい部分もあるかと思いますので、補足をいくつか。
まずは、、、
教えようと思うな!
という点。
ファシリテーターガイドにも明記されていますが、AHAインストラクター以外の人がファミリー&フレンズCPRのDVDを使って講習会を開催する場合は、「指導」をすることは求められていません。また質問に対して答える必要もない、というのが基本スタンスです。
AHAインストラクター以外で、ファミリー&フレンズCPRコースを開催する人のことを、「ファシリテーター」と呼んでいます。公認資格を持ったインストラクターとはちょっと別枠で考えられています。ファシリテーターの役割は受講者を集めて機材を準備して会場セッティングをしてビデオを再生すること。
受講者はビデオ教材を見て、自己学習、自己練習する、というのが基本的な図式になります。ビデオの中のインストラクターの説明を聞き、ビデオの中のデモンストレーションを見ながら、真似をしてCPRの練習をする。会場にいるファシリテーターは、その学習プロセスをセッティングするだけなのです。
だから、ファシリテーターマニュアルには、ファシリテーターはCPR講習を受講したことがない人でも構わない、と書かれているわけです。
ここが基本ベースになっていることを忘れないでください。
おそらくファミリー&フレンズCPRのDVDを使って講習会を開催しようとする人の多くは、これまでなんらかの心肺蘇生法講習の指導に携わったことがある方だと思います。
大抵の場合、指導者は語ることが求められてきたと思います。教えなくちゃ、という意識が強いかもしれません。
しかし、AHA教材はそうではないのです。もちろん指導者が教えてはいけない、ということではありませんが、まずはAHAの基本教育理念を知るという意味で、ぐっと我慢して、いちどビデオ教材にまかせて進めてみてください。
そうすると、心肺蘇生法講習に何が必要でなにが不必要か、またどれくらいの時間をかければ人はCPRをマスターできるのか、が意外な形で見えてくるはずです。
そこをおさえた上で、自分なりのアレンジを考えてみましょう。