問われる救護責任と義務「プール事故で元園長ら書類送検へ」

12月25日付けで「プール事故で元園長ら書類送検へ」というNHK報道がありました。
 
定員を越えた園児をプールで遊ばせていて、3歳の子が溺れて死亡した事件。
安全管理を怠ったとして当時の園長と担任教諭が業務上過失致死罪で書類送検されることになりました。
 
この報道を見ていて気になったのは、次の部分。

 

「当時の園長が救急車を呼ばずに抱きかかえて近くの病院へ連れて行ったことも、救命措置の遅れにつながったおそれがあるということです。」

 

事故が発生した要因だけではなく、事故後の対応についても問われているという点は注目に値します。報道からは現場で蘇生行為が行われたのかどうかはわかりませんが、少なくとも119番しなかったという点が問題視されています。
 
これまでは、最大限努力しました、という事で不問になることが多かったこの手の事件ですが、その中身が問われるようになってきているということです。
 
かつてあった報道でも不可解なものがよくありました。喉にモノをつまらせた園児を保育士が掃除機で解除を試みたが助けられなかったとか。その事件で保育士の責任を問うような報道論調はありませんでした。
 
しかし、本来は保育士や幼稚園教諭、学校教諭は預っている子どもたちの健康維持に責任ある立場。
 
例えば心肺蘇生法にしても、巷で一般的な善意によるCPRとはまったく別次元にいるわけで、その質が求められて然るべき立場にいます。保育士で心肺蘇生ができません、というのはあり得ない事態です。
 
今回の報道ではそこまでは問われていないようですが、少なくとも救急車を呼ぶか、自分で病院搬送するかという判断に関しては、問われています。
 
現実問題、難しい部分でもありますが、少なくとも「責任ある立場」にある人たちへの警鐘としてこの記事をクリップしておきます。

 
 

プール事故で元園長ら書類送検へ
12月25日 5時52分(NHKニュースウェブより
 
去年7月、神奈川県大和市の私立の幼稚園のプールで、当時3歳の男の子が溺れて死亡した事故で、警察は、幼稚園が定めた定員の2倍の園児を1度にプールに入れるなど、安全管理を怠ったことが事故につながった疑いが強まったとして、近く、当時の園長と担任の教諭を業務上過失致死の疑いで書類送検する方針を固めました。
 
去年7月、大和市大和東の私立の西山学園大和幼稚園で、プールで遊んでいた大和市鶴間の伊禮貴弘くん(当時3)が、溺れて死亡しました。プールは直径が4.75メートルの円形で、水深は20~30センチほどしかなく、警察が関係者から事情を聞くなどして調べていました。
その結果、幼稚園が定めたプールの定員の2倍に当たる2クラスの園児およそ30人を遊ばせていたため、当時の担任の教諭が溺れた男の子に気付くのが遅れた疑いが強いということです。また、当時の園長が救急車を呼ばずに抱きかかえて近くの病院に連れて行ったことも、救命措置の遅れにつながったおそれがあるということです。
これまでの調べに対して、2人はいずれも事実関係を認めているということです。このため、警察は、安全管理を怠ったことが事故につながった疑いが強まったとして、近く2人を、業務上過失致死の疑いで書類送検する方針を固めました。

 
 

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