心肺蘇生法-「心停止を目撃」したか否かの違いって何?

横浜本郷台でBLSヘルスケアプロバイダーコース進行中です。
 
コース開始前に受講者さんから質問がありましたが、やはり小児の部分がわかりづらいようです。
 
テキスト29ページの「救急対応システムに出動を要請するタイミング」の部分ですが、「心停止を目撃」したか否かによって対応を変えなさいと書かれていますが、この意味がイメージしづらい模様。
 
これは、人が目の前で突然卒倒したのか、それともすでに倒れているのを発見したのか、という違いを意味しています。
 
胸を押さえていきなり倒れた。これは突然の心停止を疑います。もっと言うなら心室細動(VF)という致死性不整脈。この不整脈を止めるには除細動(AEDによる電気ショック)が必須ですので、CPRを開始するよりAEDを手配することが優先されます。
 
一方発見時にすでに倒れていた場合、原因がわかりません。その場合、思春期前、すなわち体が完成する前の子どもだったら”呼吸原性心停止”を疑います。子どもの心臓突然死は珍しく、逆に多いのは呼吸停止に起因する心停止や”ショック”から心停止に至ることが多いことわかっているからです。
 
もし呼吸停止を経て徐脈になって心静止(いわゆるフラットライン)になった場合、心停止として発見した時点で、体の中に酸素は残っているでしょうか?
 
いうまでもなく、すでに重篤な酸欠状態。
 
ですからAEDを手配するより、なにはさておき人工呼吸を含めたCPRで体の細胞、特に心筋細胞と脳細胞を酸素化してあげることが必要なのです。だから5サイクル(2分間)のCPRを優先して、もしその場に自分一人しかいなかったら、そのあとで119番通報とか近くにあるのがわかっていればAEDを取りに行きます。
 
このように、心停止の原因によって、対応の優先順位が変わってくる、そしてその判断のポイントは、目の前で卒倒したか、それともすでに倒れていたか、ということです。
 
 
 
 

 
 
 


 

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