救命講習 教える方法を考える

心肺蘇生法講習もファーストエイド講習も、やっていることは「教育」です。

大学に教育学部があるように、人にものを教えるには理論・理屈があります。

よりよいインストラクター、指導員でありたいなら、教育理論を学ぶのが近道といえるのではないでしょうか?

そこで、この業界で注目されているのが、教授システム学インストラクショナル・デザインです。

ふつうの心肺蘇生法講習では技術の積み上げで教えていくのが一般的かと思います。

しかし、まったく逆のやり方もあります。BLS横浜でもファーストエイド講習ではよく取り入れていますが、細かいやり方を教える前にシミュレーションとして、いきなり傷病者対応を体験してもらう、というやり方です。

当然、うまくはできません。しかし、なぜうまく行かなかったのか? を振り返ってもらいます。

どういう知識や技術があればその状況をうまく裁けただろうか?

そんなふうに問題点に直面してもらい、解決策を一緒に考えて行くのです。

これは成人学習の基本である学びたい! という大きな動機付けになりますし、学んだことが記憶に深くきざれるためにも重要です。

この思考パターンは「問題解決型」といえ、私たちが日常的に経験から学ぶことそのものです。

本当に問題に直面して失敗すると損失が大きいので、シミュレーションという模擬体験を設定し、学びの場を作り上げているともいえます。

こんなふうに考えてみると、当たり前と思っていた「教え方」にも、いろいろなアプローチがあり、幅があるような気がしてきませんか?

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