呼吸確認法が「見る」だけに変わった理由

蘇生ガイドライン2010になって呼吸確認法が変わりました。
 
「気道確保」+「見て聞いて感じて」から、「見る」だけに変わりました。
 
この理由のひとつとして、死戦期呼吸を「呼吸あり」と見誤らないため、というのがあります。
 
死戦期呼吸は心停止直後に起きる生体反応です。顎がしゃくりあげるように動いたり、全身が引きつるように収縮して、なんとか酸素を取り込もうという反射的な動きをします。
 
心停止になると体は微動だにしないというイメージですが、直後は体が動くのです。
 
一般の方にとっては「動いてる」という時点で、その人が心停止かも!? という発想には至らないでしょう。
 
そして動いている顎に指をかけて頭部後屈顎先挙上気道確保を行うことは非常に困難です。ましてや死戦期呼吸では呼吸雑音のようなものが聞こえることがありますし、市民救助者にとっては旧来の呼吸確認法では、死戦期呼吸を心停止と判断するのは極めて困難だったと言わざるを得ません。。
 
そこで顎の動きや顔などには拘泥しないで、正常呼吸運動という胸の動きだけに着目させようというのが、ガイドライン2010の新しい呼吸確認法「胸から腹の動きを見る」です。
 
この際、ただ動いているか動いていないかを見るのではなく、普段通りの規則正しい胸郭運動があるかを判定します。
 
死戦期呼吸でも引き攣れるように胸や腹が動くこともありますが、しっかりとした上下運動ではないはずです。
 
10秒以内(市民向けプロトコル)で「ふだん通りの呼吸」であると「確信」できなければ、胸骨圧迫を開始します。
 
 
疑わしければ胸を押せ! です。
 
 

 
 
 
 


 

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