アメリカ心臓協会の講習プログラムでは、「救急対応システムに通報する」とか、直訳的に「救急対応システムを発動する/起動する」という表現が出てきます。
一般には119番通報のことなのですが、なぜ、このようなまどろっこしい言い回しをするのかというと、第一選択の救急対応システムが必ずしも119番(消防)とは限らないからです。
例えば、病院内での急変では、119番通報はしないですよね?
同じように、大きな工場や施設では、消防とは別に独自に救急対応システムを持っている場合があります。
船舶の中や、消防署のない離島でも独自のシステムがあるのは想像できると思います。
さらにいえば、オフィスによっては、119のまえに外線発信の「0」をつけなければいけないかもしれません。
そういった決まりがある特定の場所でなければ日本全国共通の119番でいいのですが、地域や場所に合わせた適切な緊急通報をしてほしい、ということで、AHAテキストでは、あえて「救急対応システム」という表現をしています。