今日は、これからインストラクターを目指す人や、新人インストラクターさん向けに指導のコツを書いてみようと思います。
学習者は自ら学ぶ存在
これが成人学習の基本です。
ですから、インストラクターは教えるのではなく、学ぶのを支援する存在です。
特にアメリカ心臓協会の講習の多くはDVD教材が充実しています。
会場でDVDを見ることは、言い換えれば、受講者はDVD教材を通して自己学習を進めている、とも言えます。
ですから、インストラクターは、DVD視聴を妨げないようにし、そこに集中させることに神経を注ぎます。
つまり、インストラクターコースで教わるように、学習を阻害するものを排除するのがインストラクターの仕事。
そして、それは会場設営の段階から始まっているのです。
例えば、プロジェクターにDVDを投影する場合は、どのような点に注意しますか?
プロジェクターを使う場合は、部屋の照明の具合にもこだわりたいですよね。白っちゃけて見づらいということがないように。
会場設営の際には、部屋の照明の消え具合を確認して、投影位置を決める必要があります。
また照明のオンオフが必要なら、誰が調整するのか?
自分ひとりしかいない場合は、映像操作をしながら、照明のオンオフができるような動線を考えた会場配置が必要かもしれません。
また、受講者を画面に集中させたいと考えたら、上の画面はどうでしょうか?
目障りなものがいっぱい表示されていませんか?
パソコンのツールバーとか、DVDソフトのコントロールパネルとか。
細かい点ですが、これらも受講者の注意を削ぐ要因のひとつです。
DVD再生ソフトもPowerPointも、全画面モードというのが必ずあります。
どう考えても、こちらの画面の方がスッキリと見やすいですよね。
また、パソコンのDVD再生ソフトを使う場合、マウスで一時停止をしようとすると、余計なツールバーがでてきてしまって、チカチカとうるさい感じになります。
これを解消するためには、DVD再生ソフトのショートカット機能を使うのが正解です。
これはソフトによって違いますが、たいていのDVD再生ソフトは、スペースキーで再生/一時停止をコントロールできるようになっています。マウスを使わずスマートに画面操作をすること。
こんなパソコン操作に習熟しておくことも、受講者にストレスを与えることなく、学習に集中してもらうコツと言えます。
いかにうまく教えようとか、そんな方向にばかり気を取られがちなのが、新人インストラクターさんの特徴。
教える、という以前に、学習を阻害しないように、インストラクター自身が学習阻害要因にならないように、というところから見つめ直したほうがいいでしょう。
スマートにかっこよく、いきましょう。