なぜか九州地方と縁が多いBLS横浜ですが、ここ最近は熊本での BLSプロバイダーコース に力を入れています。
BLSプロバイダーコースと言えば、日本全国、どの都道府県でもいくつかの活動拠点があるくらいに、すっかりおなじみのプログラムですが、それをあえてBLS横浜が熊本で出張開催しているのには、AMR と 救急救命士 というキーワードが関係しています。。
AMRは、American Medical Response の略です。病院関係者にはあまり馴染みがないかもしれませんが、救急救命士さんの間では知られた存在。
AMRは全米最大のEMS(救急医療サービス)プロバイダーの名前です。一言で言うと、全米最大の民間救急。
民間救急というと、日本では、介護タクシーの延長みたいなイメージがありますが、アメリカの民間救急はガチな救命救急隊です。
日本と違って、米国の救急車の運行は行政の仕事だけではなく、その大半を民間が担っているからです。アメリカで救急車を呼ぶとすごい高額を請求されるよ、という話は、海外旅行の逸話としてよく聞きますが、行政サービスではないからなんです。
AMRは、民間救急とはいえ、現場や救急車内で薬剤投与を含めたACLSを展開しますし、州によってはモルヒネやニトログリセリンの投与なども行っています。そんな日本の救急救命士が憧れるような高度に専門的な医療ケアを行っているプロフェッショナル集団の代表格がAMRだったりします。
(ネット検索をすると、日本の救急救命士養成校がAMRで研修を受けてきました、みたいな記事がいくつも見つかります。)
BLS横浜が熊本でタイアップしている Child Futue熊本 は、小児救急の認定看護師と救急救命士で運営している団体で、その救命士さんの熱い要望もあり、熊本でAMRのBLSコース展開するに至りました。
消防勤務の救命士さんは、基本的に消防組織内でよく訓練されていて、BLSはまさにプロ中のプロ。
わざわざ外部講習としてスキルを磨く必要性は自覚しないくらいのプロなわけですが、聞いてみると、最新の蘇生科学の理解や、指導技法、また特に小児BLSに関しては、必ずしも得意ではない部分もあるそうで、世界標準のAHA-BLSコースから学ぶ余地はあるようです。
しかし、当事者さんたちからしたら、BLSと言われても今更感があるのは否めません。
救急救命士さんたちにもBLSに興味をもってもらうためには、米国のAMR標準の教育を、ということで、熊本でAMRトレーニグセンターのBLSを始めました。
あとは、単純に、日本にいながら、AMR-Hawaii のネームの入ったBLS資格が取れるというのは、九州熊本ではかなりレアなもので、せっかくなのでぜひ、どうぞ、という意味も含めて。
(実は九州では、鹿児島でもAMRのインストラクターさんが複数活動しているのですが、今は、あまり公募では講習開催してくれていないので)
実際問題、アメリカ心臓協会AHAの講習は米国文化のもとで作られていますから、米国の医療事情とか医療関係法規や文化を知らないと正しく伝えることはできません。
特に、小児BLSやファーストエイドでは、日米でかなり顕著な違いありますので、米国で資格を取ってきたインストラクターが開催するコースというのは文化の橋渡しとして意味ある存在かも知れません。
そんなキャンペーン効果もあって、熊本でのBLSは、救急救命士さんからの申込みが非常に多いです。
2月は残席1名、3月もあと4名で締め切りとなります。
興味がある方は、この機会にぜひどうぞ。