A-B-C-D-E アプローチの順番 酸素の流れを追う

PEARS/PALS、ACLSでもおなじみの A-B-C-D-E アプローチ。

これは救急医療で標準の考え方でもあります。

D(神経学的評価)とE(全身観察)の評価内容と介入の中身については、外傷系や神経系では若干の方言がありますが、根本的な考え方は変わりません。

ABCDEアプローチ【体系的アプローチ】

生命危機というゼネラルな考え方の中で特に重要なのは、大気中の酸素が、体の中の組織細胞に届くまでの過程を追っているという点です。

特に重要臓器として脳細胞の酸素化を問題にしています。

意識障害があった場合、脳に酸素が届いていないのではないか? を疑って考えます。

脳に酸素が届きづらい状況(D)が、循環(C)の問題として起きたものがショックです。

循環に問題がなくても、血中酸素濃度が低くても意識障害は起こります。これが呼吸障害。呼吸障害を呼吸(B)そのものの問題なのか、気道(A)の問題なのかを分けて考えているのがA-B-C-D-Eアプローチ。

ですから A-B-C-D という順番を無視することができません。

傷病者がパット見で「意識障害あり」と判断された場合、ついつい神経系(D)の観察を優先してしまいがちですが、その意識障害がショックや呼吸不全による脳細胞の酸素供給不足だとしたら、どうでしょうか?

ですから、どんな場合でも、気道が開通していることと、呼吸機能が保てていること、循環機能が保てていることを、この順番で確認していくことが大切です。

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