昨日のアナフィラキシー対応(エピペン)&小児BLS講習の参加者は全員看護師さんでした。
保育園勤務の方がいましたので、園を想定したシミュレーションを行いました。ACLSを履修している方や、小児アレルギーエデュケーターの方もいて、非常にスムーズ。
子どもたちの誘導や119番通報、注射後の管理と観察など、チームワークもばっちりでした。
後の振り返りで、「今日はわかっている人たちばかりだったのでうまくいったけど、これが保育園で同じようにできるか不安」という声が上がりました。
これはACLSでもPALSでも同じかもしれません。
そこで参加者に尋ねました。「なぜうまく行ったのだと思いますか? もうすこし具体的に良かった要因を挙げてみましょう」
シミュレーション後のでデブリーフィングの目的は、できなかった点、うまく行かなかった点を見つけて改善するだけではありません。
うまくいったのなら、その要因を明らかにして、たまたまではなく、意図的に同じようにうまくいくように経験を”一般化”していくことも大切です。リアルな事象でも再現できるような経験知に変えていくのです。
このように振り返っていくと、公募講習のシミュレーションでできるけど、現場でできないということのギャップが、保育園等の施設のシステム的な部分や、事前準備や教育に大きく関係していることが見えてきます。
今回うまくいったのがみんながやるべきことをわかっていたからだ、というのなら、それを再現するには、保育園職員全員が同じ教育を受けることで解決できるのではないか? など。
講習が終わる頃には、施設全体のシステムという俯瞰した視点で考えるようになって帰っていきます。
施設ごとの個々の問題に、私達インストラクターは個別に対応はできません。ですから、答えを提示するのではなく、考え方と視点と方向性を示すことで、その後の可能性の広がりに期待したいと思っています。
シミュレーションベースのエピペン講習に答えはありません。
ファシリテーター(インストラクター)にとっても、受講者の皆さんとの情報交換、ディスカッションから毎回新たな学びがあります。