昨日書きましたが、人が命を落とす原因は大別して、循環不良(ショック)か呼吸不全のどちらか。それぞれ、いくつかのタイプに細分化されます。
人が命を落とす原因が分かればなりゆきは推察できます。そこで先回りして手を打とうというのがPEARSの心停止予防の考え方です。
その生命危機のタイプを分類するために使うのが、
・第一印象 (意識、呼吸、皮膚色)
・一次評価 (ABCDEアプローチ)
というツール(体系的アプローチ法)です。
ぱっと見の第一印象で、異常なし/要介入(BLS適応の可能性を含む)の判定を行い、異常なしとBLS適応が除外されたら、一次評価を進めていき、問題のタイプと重症度を判定します。
これらの系統的な観察方法をリアルな生命危機状態患者の動画を見ながら練習し、考えるのがPEARSプロバイダーコースです。
観察とアセスメントという「ノン・テクニカルスキル」を鍛えるのが目的で、その先に続く介入(処置)に関しては、職務範囲と法的規制によって違いますので流動的に扱われています。
ここが、介入に関して医師基準のゴール設定がされたPALSプロバイダーコースとは決定的に異なる部分です。
評価、判定のあとに続く「介入」の最大の行動は「応援要請」です。これを忘れないで下さい。
医師目線のPALSではあまり強調されませんが、PEARSのゴールとして「応援要請=報告・通報」にベースラインを置くことで、医療職者にかぎらず、すべての人がその習得対象となりえます。