病院内AHAトレーニングサイト設立、成功のポイント

医療従事者向けの心肺蘇生法(BLS/ACLS)トレーニングといったら、日本でもアメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)の講習プログラムの独壇場みたいな感じになっています。
 
医療従事者が蘇生術を学ぼうとしたら、地域にあるトレーニングサイトに受講申し込みをして、、、というパターンが多いかと思いますが、本来、医療機関での緊急対応訓練は「業務」ですから、病院の中で行われるのが自然です。
 
今の時代、BLS訓練くらいは、病院の中で救急部の医師や救急認定看護師が中心となって自家講習をするところが増えていますが、どこも指導者育成、講習を行える人材を増やすという点で、行き詰るケースが多いようです。
 
そこで、ひそかに広がりつつあるのが、病院内の教育プログラムとしてAHA講習を採用する、というケースです。
 
アメリカ心臓協会プログラムのいいところは、プロバイダーと呼ばれる蘇生技術提供者を育てるだけではなく、そのプロバイダーを育成するインストラクターの指導プログラムも秀逸であるという点です。
 
オリジナルで教育プログラムを作ろうとしたとき、いちばん大変なのは、何を教えるかというコンテンツの整理と、どう指導するか、という指導要綱、そして教材作り。さらにはインストラクタートレーニング。
 
それらを自前でするよりは、既存のシステムに乗っかってしまおう、という考え方。ある意味、リーズナブルな考え方です。
 
そこにかける労力と質、効果を考えたときに、結果的に安上がりなのは間違いないと思います。なにより、質という点では決定的でしょう。
 
BLS横浜では、これまで6箇所の病院内トレーニングサイトの設立支援をしてきて、今でも3つの病院に直接的に継続支援を行っています。
 
そんな経験の中から感じる、成功のポイントがいくつかあります。
 
1.インストラクターの中心は看護師であること
2.医師のインストラクターを一人は置くこと(できれば常勤の部長クラスが望ましい)
3.インストラクターは特定部署に集中せず、分散していること
4.ナースのインストラクターは男性も含まれること
 
 
今日から、継続支援にいくとある病院はまさにこのケースに該当し、将来性がとても楽しみです。
 
現実問題、医師は忙しく、なかなか講習には参加できないケースが多いのが現実ですが、病院内での位置づけや許可申請などのとき、診療部から起案を出せるということは大きいです。
 
またBLSだけではなく、ACLSも自前で展開しようと思ったときは、看護部だけでは何かと難しいことが多いということも加味して、やはり医師のインストラクターの存在は要となります。
 
これから、病院としてAHAシステムを取り入れようとしている方は、どうぞ参考になさってください。
 
 
 

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