AHAガイドライン2010成人BLSのアルゴリズム

AHAガイドライン2010のBLSアルゴリズムを日本語でまとめました。
(主にヘルスケアプロバイダー向けの内容を取り上げます)
 
AHA心肺蘇生法ガイドライン2010のBLSの流れ:アルゴリズム
 
破線のボックスは、ヘルスケアプロバイダー(習熟した救助者・医療従事者)以外は行わない内容です。
 
つまり、脈拍確認と、脈のある呼吸停止者への人工呼吸は市民には教えません。
 
 
こうして見慣れたアルゴリズム表の形で見ると、ガイドライン2005とさほど変っていないように見えます。
 
大きく変っているのは、これまで1:1の形で対応していた傷病者評価の手順が大きく崩れたことでしょう。
 
 
1.反応の確認 → 緊急通報・AED手配
2.呼吸確認  → 人工呼吸2回
3.脈の確認  → 胸骨圧迫開始
 
CPRが始まるまで、ガイドライン2005では上記の3つのステップを踏んでいましたが、ガイドライン2010では反応確認と呼吸確認がひとつのボックスにまとまっています。
 
ガイドライン2010では呼吸確認の重要性が低くなり、ヘルスケアプロバイダーは反応の確認の間に手短に呼吸の確認をします。ここで見るポイントは、「呼吸がないか、もしくは正常な呼吸ではないか」です。この確認は目視だけで行い、「見て聞いて感じて」の確認は不要とされています。また気道確保も行いません。
 
ここが大きく変更になった点です。
 
また、「いつも通りの呼吸がない」場合に行っていた「初回の人工呼吸2回」は廃止されました。
 
ガイドライン2000の時代の遺物というか、「息・咳・体動」という循環のサインを見るために行っていた刺激動作ですから、なくなるのはごく自然なことです。この点ヨーロッパ版のERCガイドラインでは2005年の時点で廃止されていました。
 
反応がなく、呼吸がない、もしくは正常な呼吸でなければ、次は脈拍触知です。
 
市民救助者の場合は行わないことになっていますが、ヘルスケアプロバイダーは脈拍触知も行うことになっています。
 
これはおそらくACLSを意識してのことだと思います。
 
ACLSでは、無脈性電気活動(PEA)の鑑別のために、頸動脈触知は必須です。このチェックによって治療のアルゴリズムがまるきり変ってしまいますので医療従事者には脈拍触知スキルを求めている、と理解すると納得できるかと思います。
 
10秒以内で脈があると確信できない場合はCPR開始というのはガイドライン2005と同じ。
 
右上の「質の高いCPR」という欄にあるとおり、胸骨圧迫は「強く・速く」がより強調されています。
 
 ・速さは100回/分以上 (G2005では100回/分程度)
 ・深さは5センチ以上 (G2005では3-5cm)
 
ガイドライン2005と違い、「○○以上」となっている点に注目ください。
 
胸骨圧迫30回を行ったら、ヘルスケアプロバイダーの場合は、基本は人工呼吸2回です。
 
人工呼吸の省略がいろいろ言われていますが、訓練を受けているヘルスケアプロバイダーは人工呼吸も合わせて行うのが原則のようです。
 
人工呼吸を行う場合は、頭部後屈あご先挙上で気道確保します。A-B-CのAがようやくここで登場。
 
本来は蘇生手順の最初だった気道確保(Airway)が、後回しになるというのがガイドライン2010のBLSの特徴です。
 
反応with呼吸確認を除いた一番最初の処置は胸骨圧迫(Chest Commpression)、次に気道確保(Airway)、続いて人工呼吸(breathing)というわけで、A-B-Cに対してC-A-Bとも言われています。
 
 
AEDが到着したら、すぐに使います。使い方は従来通り。
 
強いて違う点をいえば、1歳未満の乳児に関してもAEDが使えるようになったという点はありますが、今回のテーマとは外れるので詳しくは書きません。
 
 
以上、ざっとではありましたが、ガイドライン2010の新しいBLSの概要でした。
 
 
 


 

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