熱心な方はすでに気にしているかもしれない蘇生ガイドラインの改定。
これまで通りであれば5年ごとにアップデートされていますから、次の2020年の改定はいつか? と気になっている方もいるかと思います。
実は、国際蘇生連絡協議会ILCORならびにアメリカ心臓協会AHAは5年毎のガイドライン一括改定はすでに廃止していて、テーマごとに見解がまとまり次第、小改定を繰り返すという方向にシフトチェンジしています。
なので、AHA蘇生ガイドラインに関して言えば、2017年、2018年、2019年とガイドラインアップデートが発表されています。
2018 Focused Updates ハイライト・・・ACLS/PALSに関する小改訂
2019 Focused Updates ハイライト・・・BLS/ALS/ファーストエイド小改訂
教材改定は(おそらく)引き続き5年毎
蘇生ガイドライン改定の方向性はすでに概ね見えている状態です。
上記の勧告では、現行のプロバイダーコースに加える修正はない、ということになっていますが、2020年以後に改定される新教材(便宜上G2020教材と表記します)ではどのように反映されるのかは未知数です。
気になるG2020新教材(プロバイダーマニュアルやDVD)のリリース時期の予想は下記のとおりです。(G2015版テキスト発行日データから推察)
英語版 G2020 AHAプロバイダーコース教材 発売予想時期
- 2020年10月 AHA Guideline 2020 update
- 2021年2月 BLS Provider
- 2021年3月 ACLS Provider
- 2021年4月 Heartsaver® First Aid CPR AED
- 2021年9月 Heartsaver® Pediatric First Aid CPR AED
- 2021年10月 PALS Provider
- 2022年8月 PEARS® Provider
以上はオリジナルの英語版プロバイダーマニュアルの発売時期予想です。
翻訳版である日本語テキストの発売はもう少し後になります。
日本語版 G2020 AHAプロバイダーコース教材 発売予想時期
- 2021年8月 AHA蘇生ガイドライン2020アップデート
- 2021年9月 BLSプロバイダー
- 2022年5月 ハートセイバーCPR AED
- 2022年7月 ACLSプロバイダー
- 2023年1月 PALSプロバイダー
- 2023年7月 PEARS®プロバイダー
日本のITCの場合は、日本語教材が出てからのコース移行になりますので、G2020正式講習が始まるのは2021年の秋頃ということになりそうです。(それまでの間に、もしかしたら以前のように旧G2015教材に補助資料をつけてつなぎの 暫定G2020講習 interim Course が設定されるかもしれません。)
日本全国の講習が完全移行するのは半年後以降
これらの日付はあくまでもプロバイダーマニュアルの発売時期です。
前回の改定の場合、受講者テキストは発売されたのにインストラクターマニュアルの翻訳やDVDの発売が遅れたせいで、新しいテキスト、でもDVDは古いまま、という現象も起きていました。
また講習を主催するインストラクター側の準備もありますので、G2020新コースが安定して開催されるのは上記の日程の数ヶ月後と思ったほうがいいと思います。
なお、AHAルール的には、新教材が出てから半年後までは移行期間とされるケースが多いです。
つまり、プロバイダーマニュアル、インストラクターマニュアル、DVDがすべて揃ってから、半年経てば、日本全国どこで受講してもG2020新コースに移行している、と思っていいでしょう。
BLS横浜のガイドライン2020コース移行目処
BLS横浜は、米国ハワイ州のトレーニングセンターと提携している関係で、米国のルールが適応されます。
仮に日本語教材が出ていなくても、米国内の完全移行リミットで旧2015版講習は開催できなくなります。
そのため、日本の方には不便はおかけしますが、正式日本語版の出版を待たず、英語DVDに日本語補助を加えた形で、新ガイドライン2020講習に移行するつもりでいます。
BLSとACLSに関しては、英語教材が出てから2ヶ月以内の日本初開催を目指して、準備をしていくつもりでいます。
今後も蘇生ガイドライン2020に向けての最新情報はこの ブログ ならびに ホームページ、Twitter、Facebook でお伝えしていきます。