G2020新概念【CPRコーチ】 ACLSでこそ効果を発揮

ここのところ連日 ACLSプロバイダーコース を開催しています。

新しい蘇生ガイドライン2020 が発表されて、ACLS もG2020 版にアップデートされました。

日本語の教材が出ていないために、いまは G2020 Interim (暫定) コースということで、G2015 の DVD とテキストを使いつつも、G2020の変更点を反映させた形で開催しています。

ACLS はその中身として大きく変わったことはないのですが、BLSプロバイダーマニュアルにも記載されている 「CPRコーチ」 という概念を取り入れることで、チームダイナミクスが大きく変わってきていることを実感しています。

CPRコーチというのは、蘇生チームの全体リーダーとは別にCPRをコントロールするサブリーダーを設定しましょう、というもので、気道管理係やモニター・除細動係が兼務することが例示されています。


今までチームリーダーは、蘇生チーム全体の管理者として、各役割に対して指示を出し、注意を払い続ける必要がありました。

次に使う薬の指示を出しつつ、情報収集して原因検索を進めつつ、質の高いCPRが終始行われていることを確認する。

ショック適応のリズムであれば、まだいいのですが、心静止/PEA のアルゴリズムでは原因検索に思いが持っていかれるため、どうしても CPR の質管理がおろそかになってしまいます。

そんなとき、気道管理係、胸骨圧迫係、モニター・除細動係からなる CPR チームの中で、CPR コーチを立てて、その人に役割交代などを含めて心肺蘇生を管理してもらい、任せておけば、チームリーダーは原因検索や薬剤などに専念できる、というわけです。

今までの ACLS でも実質的にそのような動きになることはあったのですが、今回、CPR コーチという概念ではっきりと銘打ってくれたおかげで、ACLSプロバイダーコースでのシミュレーションの動きが顕著にスムースになったのを感じます。

この概念は BLSプロバイダーコースでも言及されています。医療現場において、BLSプロバイダーは CPRコーチとして、蘇生チームにおけるサブリーダー的な役割が期待されているということなのでしょう。

AHAテキストに記されているCPRコーチの役割は下記のとおりです。

  • 胸骨圧迫や人工呼吸を注視し、アドバイスすることで質の高いCPRを維持する
  • 胸骨圧迫担当者の身長に合わせてベッドの高さを調整したり、足台を準備する
  • 具体的にCPRを指揮する。例えば「2サイクルごとに交代しましょう」「圧迫のテンポは110回/分で統一しましょう」など。

詳しくは、新しくなったG2020版テキストをご覧ください。

いまのところ、G2020日本語版はBLSプロバイダーマニュアルが電子書籍版で販売開始になっています。

書籍としてのBLSプロバイダーマニュアルとACLSプロバイダーマニュアル(電子書籍も紙媒体も)の販売時期は未定です。

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