アメリカ心臓協会のPEARS®プロバイダーコースの”P”は、Pediatric、つまり小児の意味ですが、そこで学ぶ内容を小児領域に限定してしまうのは、あまりにもったいない、というのがBLS横浜のスタンスです。
BLSやACLSは、看護師の世界でもそこそこ普及してきましたが、これらはあくまでの心臓が停まってからの対応。
ACLSプロバイダーコースでも言われているように、成人の領域でも、病院内での心停止の8割は、呼吸不全か循環不全のなれの果てであり、突発的なものではないという話が確立しています。
急変対応というと、CPRとAEDというイメージですが、病院内においては、AEDが「ショックが必要です」と判断するのはたった2割しかないという現実。
病院内の救急対応が、心原性心停止だけというのは、あまりにバランスの悪い話と言わざるを得ません。
つまり、病院職員における急変対応は心停止からでは遅いのです。
心停止の8割には予兆があると言われています。
その予兆の多くは、バイタルサインの変化として現れます。
生から死に急速に向かう場合、体の中で何が起きているのか、どんな症状として現れるのか?
それがわかれば、死の兆候に気づいて、手が打てます。
その手法を学ぶのが、PEARS®プロバイダーコース です。
成人領域で、そんな学習プログラムがあればいいのですが、残念ながらAHAは作らない(作れない?)と言っています。
頻度の差こそあれ、人が命を落とす原因は大人も子どもも基本は同じです。
そこで、ベットサイドにいて、患者の異変に気づける立場の看護職の皆さんには、診療科を問わず、PEARS®で、人が生きるしくみと死ぬしくみをきちんと学び、考える力、アセスメント力を鍛えることをおすすめしています。
PEARS®プロバイダーコースでどんなことを学ぶのか、興味をもってくださった皆様は、ぜひブログのPEARS®/小児救急関連の過去記事をご覧ください。