蘇生科学一覧

心臓が停まっていない人に胸骨圧迫をしてもいいの?

心肺蘇生法の実施を躊躇させる原因はいろいろありますが、「本当に心停止なの? 生きてるんじゃない?」という疑心暗鬼は見逃すことができません。

結論から言えば、疑わしければ胸を押せ! なのですが、そうは言ってもなかなか納得しづらいと思いますので、今日は、心停止とはそもそもなんなのか? という話から、疑わしければ胸を押せ! の妥当性を考えたいと思います。

 

本稿をお読みいただくと、下記の点が説明できるようになります。

1.心停止とはなにか?
2.心臓が停まっていない人に胸骨圧迫をしてもいいのか?

 

1.心停止とはなにか?

心停止という言葉ですが、かなり罪作りな言葉にも思います。医療従事者でもかなりの人が誤解しています。

臨床的に言われている心停止の状態には、文字通り心臓の動きが停まっている場合もあれば、心臓が動いている場合もあるからです。

心停止と呼ばれる臨床状態は、決してひとつではなく、大きく次の3つのタイプに分けられます。

●心臓が震えている(心室細動)

皆さんもよくご存知の心室細動という不整脈。成人に多い心臓突然死の主要な原因とされる「心臓の不規則なケイレン状態」ですが、心臓の動きでいうと、停まってはいませんよね? 細かく震えている状態。でも、これも心停止と私たちは呼んでいます。

動いてはいるけど、血圧はゼロという状態。ポンプとしての機能を果たしていないからです。

これだけを考えても、心停止とは心臓の動きのことを言っているわけではないことがご理解いただけるかと思います。

●血圧が低すぎる場合(無脈性電気活動)

何らかの原因で心臓の収縮力が弱くなっていることを想像してください。血液を送り出すための絞り込む動きが弱く、回数(心拍数)が遅い状態。

心拍数が落ちてきて、仮に1分間に15回くらいしかなかったとしましょう。そんな状態だと、血圧は低いだろうなというのが想像がつくと思います。正常であれば110mmHgくらいはある血圧が、例えば20mmHgしかなかったら?

当然、脈が触れるほどの圧力ではありませんし、全身の細胞に必要な血流を供給するには足りません。

仮に血圧20mmHgと言ったらふつうの血圧計では測れませんので、通常は血圧はナシと現場判断されます。

この状態も心停止といいます。医学的には無脈性電気活動(PEA)と呼ばれるタイプの心停止です。

不整脈ではありませんし、心臓の震えでもありませんから、AEDは「ショックは不要」と判断します。つまりAEDの電気ショック(除細動)では救えないタイプの心停止です。

心電図上は正常っぽい波形がでていることもありますから、心電図モニターだけでは心停止とは判断できないという点に注意が必要です(医療従事者の場合)

●心臓がまったく動いていない(心静止)

これが一般的にイメージされる心停止の姿ではないでしょうか? 心臓が本当に動いていない状態です。心電図を付けた場合は、横にピーッと伸びていて縦軸方向にまったく振れていない状態。

終末のリズムと言われることもありますが、いくつかあるタイプの心停止の最後の成れの果ての姿とも言えます。

 

●動いている心臓が停まるまでの経過

心停止の3つのパターンを解説しましたが、最後に説明した「心静止」が突発的に発現することはあまりなく、通常は前に挙げた2つのタイプの心停止(心室細動と無脈性電気活動)を放置すると、段階的に心静止に移行していきます。

心室細動 → 心静止

心室細動が発生すると心臓は不規則に震えているだけで、血流はありません。心臓の筋肉細胞に酸素や栄養素を供給する冠動脈の血流も停まっていますから、心室細動発生直後は大きく震えていた心臓も次第に動きが小さくなり、最後は動かなくなります。これが心室細動から心静止への移行です。

心室細動というタイプの心停止から、心静止というタイプの心停止になると、もう「細動」ではありませんから、AEDによる「除細動」は無効です。

無脈性電気活動 → 心静止

無脈性電気活動(PEA)はもう少し多彩となりますが、呼吸障害などの低酸素からPEAに移行した場合、最初のうちは弱いながら心臓は動いています。

しかし、心臓の筋肉に十分な酸素が届かないと、弱って心拍数はどんどん落ちていきます。そして最後はまったく動かない状態になります。

これがPEAから心静止に移行するパターンの例です。

 

2.心臓が停まっていない人に胸骨圧迫をしてもいいのか?

心停止には3つのパターンがあることはご理解いただけたでしょうか?

次に考えたいのは心停止をどう判断するか? という点です。

心室細動と心静止は血流がゼロという点で、心停止かそうでないかは、理論上区別しやすいかもしれません。

しかし、問題は無脈性電気活動(PEA)です。これは強引に言ってしまえば血圧が下がってゼロになる手前の状態ですから、心臓は動いていますし、血圧もわずかながらあります。

低血圧状態と無脈性電気活動をどこで区別するのか?

厳密に考えようとすると、迷路にハマってしまいますが、心肺蘇生法を思い出してもらえば、答えは簡単です。

 

反応なし+呼吸なし+脈なし

 

医療従事者向けプロトコルでは頸動脈で10秒以内に脈拍が触知できるかという判断基準が入っていますので、頸動脈ではっきりと拍動を感じるだけの血圧がなければ、心停止(無脈性電気活動)と判断してCPRを開始しなさい、となっています。

さらには、市民向けの判断基準は、米国でも日本でも、

 
反応なし+呼吸なし
 

ですので、低血圧という概念は含まれていません。

呼吸がなく、脳の活動を維持するだけの血流がなければ心停止と判断する、としています。

循環を肩代わりするのではなく、循環を補助するという考え方

ここまで理解すれば、冒頭の「心臓が停まっていない人に胸骨圧迫をしてもいいのか?」という疑問に対する答えも見えてくるのではないでしょうか?

そもそも心停止状態であっても、発見が早ければ、心臓はまだ動いています。(心室細動もしくは無脈性電気活動)

特に無脈性電気活動では、血圧が徐々に下がっていく過渡的な段階です。

それでも、反応なし+呼吸なし+(脈なし)であれば、胸骨圧迫をするように指導され、実際に実施されています。

血圧が低すぎるだけですから、ここでCPRを始めると、動いている心臓に対して胸骨圧迫をすることになります。自己心拍の力が弱いので、それを後押ししてあげる「補助循環」としての意味を持つことになります。

心臓自体が弱っていて、心筋細胞が十分な酸素を受け取れていないために心停止(無脈性電気活動)になっているとしたら、胸骨圧迫による血流サポートだけで、血圧が上がって状態が好転することもありえます。

つまり、胸骨圧迫は、心臓が停まっている人に対してだけ行うものではなく、心機能が不十分な人に対して行うもの、というのが真実です。

ですから、倒れている人が本当に心停止なのかどうかという点で、あまり思い悩む必要はありません。

呼びかけて反応がなく(意識ではなく)、胸から腹にかけて10秒弱見てもちゃんと息をしているかよくわからないと思ったら、胸を押していいのです。

もし、脳組織が機能できる程度の酸素供給ができるほどの血流があれば、胸骨圧迫の刺激によって痛がる素振りが見られます。それがなければ自信を持って強く速く押し続けます。

血圧が低いだけであれば、胸骨圧迫で血流がサポートされて血圧が上がるに連れて、痛み刺激に反応がでてくるようになるかもしれません。

これも、胸骨圧迫によって救命したと言っていいのではないでしょうか?


人工呼吸のコツは「空気を入れすぎない」こと

昨今、市民向け救命講習では省略して教えるケースが増えているために、すっかり日陰者なイメージの人工呼吸。

しかし、家族を救う場合や、子どもの救命、水辺の事故、また医療従事者などにとっては、依然、重要な技術であることに変わりはありません。

心肺蘇生法BLSにおける人工呼吸は、空気を入れすぎると蘇生率が低下します。

質の高いCPR 人工呼吸の質とは?

質の高いCPRと言ったときに、

  • 強く
  • 速く
  • 絶え間なく
  • しっかり戻す

という胸骨圧迫の質については、皆さんよくご存知と思いますが、「質の高い人工呼吸のポイントはなんですか?」と尋ねると、はて? と考え込んでしまう人が多いようです。

そこで、今日は人工呼吸のクォリティ(質)について再確認しようと思います。

人工呼吸のコツといえば、ずばり、

 

過剰な換気を避ける

 

ことです。

空気の入れ過ぎはNG。

そこで、

  • 胸が上がる程度の送気
  • 1回1秒かける

と指導されます。

胸が上がる程度

胸が上がる程度というとすこし言葉足らずというか、少々かわかりにくいかもしれません。

これは胸が上って見えるギリギリくらいの量でいいですよ、というニュアンスが込められています。

胸ががっつり上がるまで吹き込め、というわけではない点、注意をしてください。

1回の吹き込みに1秒かける

この1秒というのも言葉だけではニュアンスがまったく伝わらない、やや罪作りな言葉です。

この1秒というのは、「勢いをつけずに吹き込む。ただし時間はかけすぎるな」ということを意味しています。

短く吹き込もうとすると、どうしても勢いよく吹き込んでしまい、気道内圧を上げてしまいます。そうすると気管ではなく食道の方に空気が入り込んでしまい、最終的には胃内容の逆流に繋がります。

それを避けるために優しく吹き込む、ただし胸骨圧迫の中断時間を短くするためには時間を掛けすぎるな、という意味での1秒です。

もともと英文では、これが “over 1 second” と書かれているため、日本語訳するときに「1秒以上かけて」吹き込むと誤訳されたこともあり、それが未だ誤解として残っている節も見られます。

この場合の over というのは、1秒間に渡って息を吹き込むという意味になります。

息を吹き込みすぎてはいけない理由

人工呼吸の質という点は、一般的な心肺蘇生法講習やBLS講習の中でもあまり強調されず、練習のときもほとんど言及されない部分なので、なぜ? という点は知らない人が多いのではないでしょうか?

人工呼吸の過剰な換気は血流低下を招き、救命率を下げる

理由1:胃膨満から嘔吐のリスク

人工呼吸の空気を入れすぎてはいけない理由のひとつめは、すでに言及しましたが、肺ではなく胃の方に空気が入り込み嘔吐してしまうリスクが増すからです。

思いっきり息を吹き込んで、肺の容量以上の空気が入ると、肺から溢れ出た空気が食道の方に入り込む、というのは想像できると思います。また、勢いよく思いっきり吹けば、普段はピタッと閉じている食道が開いて空気がいってしまうのもイメージできると思います。

蘇生中、腹部が膨らんでくるのが目で見てわかることもあります。胃がパンパンにふくらんで限界に達すれば、胃の内容物を伴って口の方に逆流。人工呼吸の継続は困難になってしまいます。

理由2:胸腔内圧の上昇から血流低下を招く

もう一つの理由は、空気を吹き込みすぎると、血流を妨げることになる、というものがあります。

これは少し機序が複雑ですが、簡単に言えば、肺がパンパンに膨らむと、心臓のあたりを圧縮する力が働いてしまい、静脈から戻ってくる血液が心臓に溜まりにくくなります。心臓に貯まる血液が少なければ、駆出する血液量も減ります。つまり血流低下を招いて、冠動脈に有効な血液がいかず、心拍再開の可能性が下がるということです。

過剰な換気は、理性で抑える

以上の理由から、人工呼吸の吹込みの量は、目で見て上がる程度に少なめでいい、ということはご理解いただけると思います。

しかし、実際の現場のバッグマスク換気を見ていると、かなり強めに、頻回に送気している様子が目に付きます。どうしても力が入ってしまったり、たくさん空気を送ったほうが助かるようなイメージが何となくあるのかもしれません。

人工呼吸の練習をちゃんと受けた人は、大抵の場合、こんな少なくていいんですか? と意外そうな顔をします。

このギャップがまた、過剰な換気につながってしまうのでしょう。

そこでBLS横浜の講習では、人工呼吸の吹き込み量がこんなに少なくていいという理由を説明しています。

胸骨圧迫で生じる血流量は普段の1/3しかない

CPRの目的は、大気中の酸素を人体の中の細胞まで届けることにあります。特に心臓の心筋細胞に酸素を届けるのが最優先です。

そのための前半ステップが人工呼吸であり、後半ステップが胸骨圧迫です。

最終的には血液中のヘモグロビンにくっついた酸素が細胞に届いてほしいわけで、その量は胸骨圧迫によって生じる血流に依存することになります。

その血流が、普段の1/3しかないわけですから、人工呼吸で普段の肺活量と同じだけの空気を送り込んでも、余りますよね、ということ。

だから、人工呼吸の量も普段の呼吸量の1/3程度で十分なわけです。

だからこそ、こうした理屈を理解して、理性で質の高い人工呼吸をコントロールすることが必要ですね。


「質の高いCPR」の評価指標 BLSとACLSの違い

今日は横浜で BLSプロバイダーコース でした。

受講者さんから質問があったのは、胸骨圧迫の深さについて。

BLSプロバイダーコースでは、基本的には成人傷病者の胸骨圧迫は「少なくとも5cm」と教えています。

大人であっても体格差はあるし、実際のところどうなのか? というのが質問の趣旨。

体格差があっても5cmでいいの?

このことを考える上で大切なのは、BLSはあくまでもBasicなレベルであるという点です。標準化されている、つまりなるべく幅広く適応できるように平均化されたものであるという点を理解しておく必要があります。最大公約数的にこうしておけばいいんじゃない? という程度にまとめられています。

体重何キロ以上だと深さ何センチで、何キロ未満だったらどれくらい、という区分もできるのかもしれませんが、あえてそのようにはしていません。

BLSレベルでは、そのような細かなカスタマイズは期待されていない、とも言えます。

とりあえずは細かいことは考えずに、言われたとおりにやってくれればいい、というのが本質的なコンセプトです。とにかく単純化しています。

胸骨圧迫の目的は冠動脈灌流圧を15mmHg以上に保つこと


しかし、体格差などの個別性に着目するのも大事です。ACLSプロバイダーコース では、そこも含めて学びます。

そもそも胸骨圧迫の目的は何なんでしょうか?

血流を生み出すため、です。特に冠動脈灌流圧が心拍再開と相関していますので、第一義的には、冠動脈灌流圧を15mmHgより高いレベルに保つのが、質の高いCPRの要件となります。

そのための平均的な指標が、


  • 少なくとも5cm
  • 100〜120回/分
  • リコイル
  • 中断を最小限に

 
というわけですが、上記は絶対的なものではなく、あくまでも平均的な指標です。

いま目の前でCPRを受けている傷病者にとって、本当にそれでいいのかどうかは、結局のところ蘇生中に冠動脈灌流圧を測ってみなければわかりません。

しかし、現実問題、冠動脈の血圧なんて測れない! そこで、ACLSの中では、冠動脈灌流圧が15mmHgに達していることを類推するための代理指標という考え方が出てきます。

冠動脈灌流圧15mmHgの代理指標


  • 大動脈拡張期圧 20mmHg
  • 呼気終末二酸化炭素分圧 10mmHg

 

血圧のうち、拡張期圧が冠動脈灌流圧と相関することがわかっています。そこでA-Lineの拡張期圧が20mmHgあれば、冠動脈灌流圧も15mmHgはあるだろうと考えられます。

また蘇生中の二酸化炭素排出量は循環に依存しています。そこで呼気中のCO2の値が10mmHgを超えていれば十分な灌流があると考えられるのではないか?

このように質の高い胸骨圧迫を、5センチとか100〜120回とかで判断するだけではなく、きちんと定量的にコントロールしていこうというのが二次救命処置の考え方です。

BLSインストラクターなら知っておきたいACLS


このあたりのことは、二次救命処置に関わる人以外であっても、BLSインストラクターは知っておいてもいいかもしれません。

一般にACLSプロバイダーコースは医師・看護師・救急救命士など、二次救命処置に携わる人以外は受講対象となっていませんが、BLSを教える立場の人であれば、学ぶ価値・意味はあるのではないかと考えています。


小児の人工呼吸比率、15:2 を深掘りする

今から書く話は、主に医療従事者向けのBLSプロトコルです。市民向け救命法とは別の話なので、ご注意下さい。

さて、ヘルスケアプロバイダー(医療従事者や救命のプロ)向けの心肺蘇生法の中では、小児に関しては、30:2 ではなく、15:2 という胸骨圧迫と人工呼吸の比率がでてきます。

これはAHAガイドラインでは、思春期未満の子どもに対する二人法CPRの場合の圧迫対換気比です。

今日は、この 15:2 に着目して、掘り下げていってみようと思います。

小児の心停止の原因と、代謝による酸素消費量

まず、そもそも 30:2 に較べて、15:2 という胸骨圧迫と人工呼吸比率のメリットはなんでしょうか?

肺に送り込まれる空気の量が多い。

ということですよね。

そして、この比率が適応されるのは小児・乳児の場合だけです。

なぜ、子どもの場合は、人工呼吸の送気が多いのか?

理由は、皆さん、わかりますよね?

BLSコースのDVDでも言っているように、子どもの心停止の原因として呼吸のトラブルが多いからです。

BLSプロバイダーマニュアルG2015では、52ページに、「乳児や小児が心停止を起こした場合は、呼吸不全またはショックが認められ、心停止に至る前から血中の酸素濃度が低下していることが多い」と書かれているとおりです。

その他の理由としては、PALSプロバイダーマニュアルにヒントがあります。

その114ページには次のように書かれています。

 

「小児は代謝率が高いため、体重1kgあたりの酸素需要量が多い。乳児の酸素消費量は6~8ml/kg/分であり、成人の3~4ml/kg/分よりも多い。」

 

子どもは大人に較べて、酸素の消費量が多いから、人工呼吸の比率が成人より高い、ということです。

このような理由から、子どもは酸素の供給量を上げてあげようということで、15:2 という比率が採用されています。

15:2 のメリット、デメリット

ここまでは納得いただけるかと思いますが、よく考えると、さらなる疑問が湧いてきます。

子どもの場合であっても、救助者が一人のときは大人と同じ 30:2 とされている。酸素の消費量が多いのが理由であれば、救助者人数で違ってくるのはおかしいのでは?

この点は、皆さんはどう考えるでしょうか?

 

ここは単純な小児の生理学だけの問題ではなさそうですね。

そこで、30:2 と 15:2 で何が違うのかを改めて考えてみると、、、

15:2 の方が胸骨圧迫の中断時間が長い、という見方もできませんか?

そうなんです。15:2 のデメリットは、胸骨圧迫の中断時間が多いため、累積で考えると、圧迫によって生まれる血流量が少ないとも言えます。

換気回数は多いため、肺胞に到達する空気(酸素)の量は多いですが、その後の組織への酸素運搬を司る血流量が少なければ、結局、心筋細胞や脳細胞へ到達する酸素量で考えたらマイナスになってしまう。これが 15:2 のデメリットです。

ましてや、一人法ですから、胸骨圧迫を終えたら、感染防護具を手にして、頭部後屈顎先挙上をし直してからの送気です。これには 10 秒弱がかかってしまいます。

一人法では胸骨圧迫の中断が長くなる

しかし、二人法の場合を考えてみて下さい。

胸骨圧迫の間、バッグマスクを顔に密着させて気道確保して構えているわけですから、15回の圧迫が終わったらすかさず送気。そうすれば中断時間 3-4 秒程度ですぐに血流を再開することができます。

つまり、一人法で 15:2 で実施した場合は、血液の酸素化までは良くても、その後の血流が低下するために組織への酸素化を考えたら効率が悪い。救助者二人で、圧迫と換気を分担した場合に限り、血液の酸素化と組織への酸素化が有効に行える、というわけです。

この点は、BLSプロバイダーコースのDVDにも、テキストにも書かれてはいませんが、組織の酸素化の理屈を考えてみると、導き出されるひとつの理解です。

漫然と 15:2 と覚えるのではなく、理由を考えてみると、記憶に残りやすいのではないでしょうか?


気道異物の窒息解除法-意識を失った後の方が取れやすい?

今日はBLSの範囲内から、喉にモノが詰まったときの解除法についての話題です。

まずはおさらいです。

誰かが喉にモノを詰まらせて、苦しがっているのを見つけたら、どうするんでしたっけ?

反応がある窒息者に対する気道異物除去法

  • ハイムリック法(腹部突き上げ法)
  • 背部叩打法
  • 胸部突き上げ法

 

米国ではシンプル化のためにハイムリック法しか教えていませんが、蘇生ガイドラインを見ると、ハイムリック法に加えて背部叩打法と胸部突き上げ法も列記されていて、どれもエビデンス的には優劣はないということになっています。

そして、どれかひとつではなく、複数の方法を試す必要があるかも知れないという記載もありました。

乳児の場合は、肝臓損傷のリスクから、腹部突き上げ法は推奨されず、一般的には背部叩打法5回と、胸部突き上げ法5回を交互に実施するように教えられているかと思います。

さて、ここまでは、皆さん、よくご存知のところなのですが、この先、異物が取れず、意識を失って反応がなくなった場合の対応については、曖昧なところではないでしょうか?

反応がなくなった場合の窒息解除法

ハイムリック法や背部叩打法をしているうちに、ぐったりと意識を失ってしまったら、そのまま継続は困難ですから、まずは床に寝かせます。

周りに人がいれば119番をお願いしますが、もし誰もいなければ、通報より優先して次の解除ステップに移ります。

それはなにかというと、傷病者を寝かせた状態で行なう胸部突き上げ法です。

窒息解除の胸骨圧迫は心臓マッサージとは違う

こういう言い方をすると、怪訝に感じるかも知れませんが、傷病者を寝かせて行なう胸部突き上げ法とは、すなわち胸骨圧迫のことです。

テキスト的には、「胸骨圧迫からCPRを始める」と書かれていますが、窒息で意識を失った直後は、まだ心臓は動いていますから、胸骨圧迫は血流を生み出すのが目的ではありません。

胸腔内圧を上げて、喉に詰まった異物を外に押し出そうとしているのです。

通常のCPRとの手順の違い

胸を押す目的は、窒息解除です。ですから30回押した後は、人工呼吸の前に口の中を覗いて、異物が目に見えるところまで上がってきていないかを確認しろという手順が追加されています。これが通常のCPRとは違う部分です。

異物が見えるところまで上がってきていなくても、30回も胸を押せば、それなりの空気圧がかかっていますから、異物が動いて気管内に隙間ができている可能性もあります。

ですから、その可能性にかけて、とりあえず人工呼吸の吹き込みをトライします。

少しでも隙間ができていて空気が入ればラッキーです。弱りかけて徐脈になっていた心臓に多少なりとも酸素を送り込めれば、心停止までの時間稼ぎができます。

空気が入らなければ入らないで、異物の位置がずれて隙間ができることを期待しつつ、また30回の胸部突き上げ(胸骨圧迫)を行っていきます。

通報と解除の試み、どちらが優先か?

2分の間、CPRと口腔内確認を続けてみても、奏功しない場合は、いちど手順をやめて119番通報を行い、あとは指令員の指示に従って救急隊到着まで、窒息解除の試みを続けることになると思います。

ここはAHAの小児BLSで教えている呼吸原性を疑った「目撃のない心停止」と同じで、通報よりも一刻も早い介入が優先されるところです。

119番をしたことがある人ならわかると思いますが、まずは住所を聞かれて、それから、何があったのかという状況を聞かれます。場合のよっては5分以上電話口に拘束されます。少なく見積もっても数分間。その間、息ができない状態が続いたらどうでしょうか? すでに意識を失うレベルまで酸素が減っている中で、さらに数分間放置したら、脳細胞のダメージがより深刻になります。

そこで、AHAガイドラインでは、呼吸原性が強く疑われる心停止や窒息の場合は、通報よりも窒息解除手順着手の方を優先しています。

この点で、日本のJRCガイドラインでは、いかなる場合でも通報が先と規定している点は、指導者レベルの人は知っておいて下さい。

反応がなくなってから、異物が除去できる可能性

さて、窒息解除法は、反応がある場合とない場合で2つのステップがあるのですが、もし目の前で窒息が発生した場合、どちらのステップの方が解除できる可能性が高いのでしょうか?

イメージ的には、意識を失う段階までいってしまったら、窒息解除も厳しいんじゃないかと感じるかも知れませんが、G2015版のBLSプロバイダーマニュアルには、興味深い記述が追加されています。

 

窒息状態にある傷病者が意識を失ったとき、咽頭の筋肉は恐らく弛緩状態である。これにより完全な/重度の気道閉塞が部分閉塞に変わる可能性がある。

BLSプロバイダーマニュアルG2015版、p.74

 

イメージできるでしょうか? 喉にモノが詰まって苦しがっているうちは全身がこわばっています。これにより喉のあたりもギュッと収縮する力がかかっているので、取れにくい状態です。

しかし、意識を失ってしまえば、ダランと脱力して筋肉が緩むため、異物が取れやすい状態になるのでは? ということなんです。

そのため、次のような文章が続いていきます。

 

さらに、胸骨圧迫により、少なくとも腹部突き上げと同程度の力が生み出され、異物の排出に役立つ可能性がある。

 

もしかしたら、意識を失った後のほうが、異物が取れやすいのかもしれない。

そう考えると、反応がなくなった後のCPRという窒息解除法もきちんと理解しておきたいですよね。

ということで、表題のようなタイトルにしてみました。

 

さらにワンポイントアドバイスをすると、窒息解除としてCPRを行なう場合は、胸骨圧迫から開始して下さい。

くれぐれも脈拍触知は行わないこと。

CPR開始というのを、心停止の認識から始めてしまうと、まだ脈がある可能性が大なので、肝心の胸骨圧迫ではなく、補助呼吸の手順に入ってしまう恐れがあるからです。

そのため、BLSプロバイダーマニュアルでも73ページの手順の中で、「胸骨圧迫からCPRをを開始する。脈拍は触知しない」とはっきり書いてあります。

 

以上、BLSプロバイダーコース の中で受講者のみなさんと確認している窒息解除のメカニズムの話でした。

プロフェッショナル向けのBLS講習では、「なぜ?」という理解が重要ですね。


医療者にありがちなAED使用法の勘違い(充電中の圧迫)

 
(AEDの指示に反して)
心電図の充電中に胸骨圧迫を行うことは危険です。
 

なに言っているの? あたりまえじゃない? と思われる方は、ここでページを閉じてください。この先を読む必要はありません。

おそらく市民救助者の方の大半は、上記の点を正しく理解しているはずです。

 

しかし、なぜか医療従事者の中には、AEDの充電中に少しでも胸骨圧迫を行うことが正しい、と勘違いしている人が少なからずいるのです、そこで、このような記事を書かせてもらいました。

この勘違いの原因は、AHA の BLSプロバイダーコース で使われているDVDにあります。

AED使用に関するデモ映像の中で、心リズム解析のためにいったん患者から離れたのに、充電の最中に胸骨圧迫を再開している場面が描かれているのです。

さらにはDVDのナレーターの解説として、下記のような言葉が入っています。

 

「この圧迫担当者は、AEDの充電時間すら無駄にせず、数回、圧迫を行っています。これはとても重要なことです。」

 

これが受講者を混乱させ、誤解を生じさせている原因です。

さらに悪いことにインストラクターの中にも、これを真に受けて、「DVDのようにAED充電の間、少しでも圧迫するように」と指導し、実際に練習時にもそうさせている指導員がいる(らしい)ということも問題を増長しているようです。

しかし、結論から言います。

 

AEDからの指示がないのに、勝手に充電中に胸骨圧迫をしちゃダメです。

 

じゃ、AHAのDVDが間違っているのか? というと、そういうわけでもありません。

先ほどのナレーターの言葉には、前置きがあります。画面に表示されるクローズド・キャプションが途中で切れているので分かりづらいですが、つなげるとこのような一文になります。

 

また、AEDの指示に従うことも大切です。この圧迫担当者は、AEDの充電時間すら無駄にせず、数回、圧迫を行っています。これはとても重要なことです。」

 

つまり、この場面は、とある固有のAEDが充電中に圧迫するように指示を出したので、それに従って行動した、という場面なのです。

一般論の話ではありません。米国には、充電中に圧迫を指示するようなAEDが、数ある中の一つとして存在するということです。

参考まで、英語の原文では、このように言っています。

 

“And it’s also important to follow your device’s prompts. You may have noticed there that the compressor took advantage of the time the device was charging to deliver a few crucial compressions.”

 

言うまでもなく、AED操作の基本は、音声メッセージに従って行動することです。これはBLSプロバイダーコースであっても同じです。

BLSプロバイダーマニュアルG2015 の 35ページにはっきり書かれています。

 

「聞こえてくるAEDの指示に必ず従うこと」

そして、2018年現在、日本国内で承認されているAEDの中で、充電中に圧迫を再開するように指示を出す装置は存在しません。

ですから、今の日本ではAEDの充電中に少しでも胸骨圧迫を行なうように、という指導は適切ではない、ということになります。

この先、日本でもそのような機種が承認される可能性はありますが、現時点は少なくともありませんし、米国においてもすべての機種がそうだというわけではなく、あくまでも個別のAEDの指示としてそう言われたのであれば、それに従えというだけの話です。

このあたりはDVDの訳語が不親切なので、インストラクターが正しく整理して伝え直す必要がある部分と言えるでしょう。難しくはありません。「とにかく音声メッセージに従って下さい」とテキストに書いてあるとおりに伝えればいいだけです。

 

それでは、実際のところ、日本国内において、AEDの充電中に(指示もないのに勝手に)胸骨圧迫を行ったとしたらどうなるかというと、胸骨圧迫の刺激を「体動あり」と検出して充電がキャンセルされる可能性があります。

つまり、ショックが必要な心電図波形なのに、ショックができないという事態になりえるのです。

ご存知のように除細動は1分遅れると、助かる可能性が10%近く低下すると言われています。

AEDの指示を無視して勝手なことをして、それが救命の可能性を下げたということになったら、、、、

 
 

あくまでもアメリカ心臓協会のプログラムは、米国のものですから、社会環境や通念の違いをきちんと埋めてフォローアップするのが日本人インストラクターの役割です。

二次救命処置(ACLS)における手動式除細動器の充電中の圧迫とは、条件が違いますので、この点を混同しないように、きちんと日本の法的側面や機器としてのAEDの使用説明書にも習熟しておくことが必要でしょう。


4月14日(土)浜松で「BLS原理&心電図」公開講座を開きます!

静岡県浜松市内で精力的に活動している 命のバトン浜松 さんとの共催で、静岡での公開講座開催が決まりました。

心肺蘇生の原理とモニター心電図の基礎理解 公開講座by BLS横浜 at 静岡県浜松市

2時間半の講義スタイルのセミナーで、質の高いBLSに関する蘇生科学の理解と、AEDの動作に関連したモニター心電図の基礎をお話させてもらいます。

心電図というと、医療従事者のみと思われがちですが、今回は心肺蘇生法を深く知りたいと思う方であればどなたでもご参加いただけます。

少し難しい部分もあるかもしれませんが、救命法の指導員さんなどであれば、興味深く聞いていただけるのではないかと思います。

AEDでショックが必要な場合と、ショックが不要な場合の違いや、初期対応としてAEDを優先すべき場合と、人工呼吸を含めたCPRが優先される場合など、心肺蘇生法にまつわる「なぜ?」が、スッキリ解決するはず。

 
詳細と申し込みは、BLS横浜ホームページの専用ページをご参照ください。

 

「心肺蘇生の原理とモニター心電図の基礎理解」 公開講座
 静岡県浜松市浜北地域活動・研修センター
 9:30~12:00 参加費 500円(当日支払い)
 ※事前登録制

 http://bls.yokohama/seminar/bls-ecg_hamamatsu.html


Kiss of life

口対口人工呼吸のことをイギリス英語で、Kiss of life ということがあります。
give the kiss of life to ○○ といった感じで使うようです。

いまや救命法といったら、人工呼吸を省略する胸骨圧迫のみの蘇生法が主流なイメージですが、これはアメリカ文化に強い影響を受けています。

食生活が影響しているのか、米国では虚血性心疾患や心臓突然死が大きな問題となり、心臓病とともに蘇生法が発展してきた経緯があります。だから、心原性心停止(心室細動)が主要なテーマとなっています。

しかし、ヨーロッパは別で、蘇生練習用マネキンで有名なレールダル社のレサシアン誕生の逸話もあるように、蘇生法は水難事故との関連で発展してきました。つまり、呼吸原性心停止が基本にあります。


ヨーロッパ蘇生協議会のガイドライン2015ダウンロードページ

横にしたビア樽で体をくくりつけて伸ばすとか、馬の乗せて走らせるといったような胸郭運動を補助するような蘇生法が模索されていたCPRの歴史を聞いたことがある人もいるかもしれません。

2008年にアメリカ心臓協会が、国際コンセンサスとは別にHands only CPRを発表したときに、懸念の意を真っ先に示したのもヨーロッパ蘇生協議会でした。

そんなヨーロッパでは、最新のガイドライン2015でも人工呼吸の重要性が色濃く表現されています。
例えば、ヨーロッパでは、子どもへのCPR手順は、

 

気道確保

呼吸確認(正常な呼吸がない)

人工呼吸5回

胸骨圧迫15回

人工呼吸2回+胸骨圧迫15回

緊急通報

 

となっており、胸骨圧迫や通報より、人工呼吸が優先されるアルゴリズムになっています。米国事情を当たり前と思っていると、意外に感じる人もいるのではないでしょうか?

 

ヨーロッパ蘇生協議会ガイドライン2015の小児BLSアルゴリズム

 

Kiss of Lifeで発展してきたヨーロッパの救命法。

文化によって考え方がずいぶん違うものですね。

胸骨圧迫とAEDが全盛の今の時代、蘇生法の仕組みや歴史的背景を勉強してみるとおもしろいですよ。


AEDが「ショックは不要です」というとき

心停止は大きく分けて2種類あります。
 
AEDの電気ショックが必要な心停止と、電気ショックが不要(有効でない)な心停止です。
 
これを判断してくれるのがAEDですから、心停止と認識したら、可能であればすべての症例でAEDは装着するべきです。
 
つまり、市民向けプロトコルでは、「反応なし+10秒以内に正常な呼吸であると確信できない場合」ですし、医療者向けで言ったら、「反応なし+呼吸なしor死戦期呼吸+脈なし」であれば、CPRを開始しつつ、AEDがあれば直ちに装着します。
 
 
AEDの電気ショックのことを専門用語では「除細動」といいます。文字通り、心臓の細かい動き(震え)を取り除くのがAEDです。
 
心臓が細かく震えている心室細動や(無脈性)心室頻拍を検出した場合に限り、「ショックが必要です。充電します」と言って、電気ショックが実行されるようになっています。
 
もう一方のタイプの心停止、つまり心停止の中でも心静止(心電図がピーッと一直線の場合)や、なんらかの原因で血圧が低すぎて有効な血流がない状態などの無脈性電気活動(PEA)と呼ばれるタイプの場合は、心停止の原因が心臓の震えではありませんから、当然、AEDは「ショック不要」と判断します。しかしこれも心停止なのです。
 
ショック不要=心停止じゃない(生きている)というわけではない点、注意して下さい。
 
AEDは心電図の解析しかできませんから、生きているか心停止かの判断は人間が行わなければならない「仕様」になっています。
 
そのためAEDを装着する条件が規定されているわけです。
 
 
※市民向け: 「反応なし+呼吸なし」
※医療者向け: 「反応なし+呼吸なし+脈なし」
 
 
この点は、AEDの取扱説明書(添付文書)で規定されていますし、救命講習でもきちんと教える必要がある部分です。
 

 
 
 
「反応なし+呼吸なし」ということで、心停止と判断して、AEDを装着して解析させた結果、「ショックは不要です」と言われたのであれば、それは電気ショックが有効ではないタイプの心停止だということです。
 
この場合、除細動(AED)では救えないということですから、できることと言えば、救急車が到着するまでの間、できるだけ「質の高い」心肺蘇生法を継続することです。
 
目の前で卒倒した突然の心停止(心原性心停止疑い)の場合以外は、体の中の酸素が枯渇している状態ですから、もし人工呼吸をまだ開始していないのであれば、なんとか感染防護具を手に入れる努力をして、人工呼吸を始めるべき、といえるでしょう。
 
 
 


溺水の救命のポイントは人工呼吸

「プールで男児溺れる 監視員が救出、搬送 千葉公園」(千葉日報2017年7月21日付)
 
 

プールで男児溺れる 監視員が救出、搬送 千葉公園
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/424745

 
プールの底から引き上げたら、意識なし、呼吸なし。人工呼吸をしたら自発呼吸が戻ったというニュース。
 
AHAの小児の救命の連鎖が示しているように、子どもの救命のための最大の武器はCPR(人工呼吸+胸骨圧迫)です。

プールの底から引き上げた人が、胸骨圧迫をしたものの呼吸は戻らず。監視員が到着して、人工呼吸を開始したところ自発呼吸が戻ったという本事案。
 
喉頭痙攣による呼吸停止だったのか、低酸素による徐脈性PEA(無脈性電気活動)だったのかはわかりませんが、いずれにしても、胸骨圧迫だけでは救えなかった事例と思います。

喉頭痙攣の解除にしても吹き込みが必要ですし、低酸素によるPEAなら、血中酸素がほぼゼロですから、人工呼吸で血液に酸素を送り込まなければ、胸骨圧迫しても細胞の酸素化は望めません。

 
BLSの原則からすればAEDがあればただちに装着すべきですが、それと同じかそれ以上に、子どもや水辺の救命では人工呼吸が重要です。
 
心室細動に代表されるような心原性心停止であれば、AEDがなければ救命はほぼ絶望的ですが、呼吸原性心停止の可能性があれば人工呼吸+胸骨圧迫だけでも救える可能性があります。
 
AEDが「ショックは不要です」と判断したら、呼吸原性心停止の可能性が考えられますから、今どきの Hands only CPR の概念から切り替えて、人工呼吸の実施も積極的に考えていきたいものです。